オーケストラを聞く楽しみ

　オーケストラの魅力についてです。

　現代オーケストラではいろいろな楽器が、各々複数台使われているのが普通です。

　弦楽器は、普通、第１ヴァイオリン、第２ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのいわゆる弦楽５部の編成になっています。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」やチャイコフスキーの「弦楽セレナードハ長調」などのように弦楽器のみで演奏される曲もありますし、管弦楽曲の演奏中でも、弦楽器のみで演奏している部分が結構あります。

　例えば、１台では鋭い音がするヴァイオリンも、複数台の場合には柔らかい感じの音になり、他の弦楽器も同様で、これにより、オーケストラ特有の音の土台が作られます。

　さらに木管楽器、金管楽器の管楽器がプラスされます。弦楽器のみでも、奏法や強弱によって変化を与えることは出来ますが、管楽器を使うと、弦楽器のみでは出せない音が加わりますので、音色の多様性が増します。曲によって使われる楽器と使われない楽器がありますが、概ね、時代が下る程、使用する楽器の種類が増えています。

　木管楽器は弦楽器の響きとよく溶け合うので、弦楽器と一緒に用いることもありますが、単独で経過句を吹いたり、主題を吹くこともあります。

　金管楽器は、単独で聞かせる以外に、音量の補強の意味でも使われます。ホルンは金管楽器ですが、弦楽器や木管楽器とよく調和します。

　クイズの問題にも出ることがありますが、フルートは金属製でも木管楽器と呼ばれます。素材と言うよりも音の出し方に注目した分類だからです。また、金管楽器のホルンは木管五重奏等の場合にはあたかも木管楽器のように扱われます。これは音質を見てのことでしょう。

　各種の打楽器が使われますが、特徴的な打楽器はティンパニで、あまり他ではお目にかかることが少ないものです。太鼓の一種ですが、音の高さが変えられます。普通は、予め楽譜に指定された音に事前に調律して使いますが、曲の途中で変えることもあります。勿論、他の打楽器も使われます。

　このように、弦楽器以外のいろいろな楽器が加わることにより、音色の変化、強弱の変化のバラエティーが増すので、オーケストラの魅力が生まれます。

　オーケストラの音は生演奏で体感するのが一番で、柔らかで厚みのある響きを実演以外で再現するのはなかなか難しいことです。と言って、場所、時間、入場料などの制約があれば、頻繁に生演奏に接する訳にはいかず、録音されたものを聞くことも多いと思います。最近は録音もよくなり、再生装置も相対的には安価になりましたので、昔に比べれば手軽に良質な音を聞く事ができるようになったと思います。


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