ヴァイオリンとフルートのRio

ヴァイオリンとフルートに取り組んでいます。

本場物の演奏

2010年10月16日 05時30分00秒 | 音楽
 演奏には本場物があると言われます。ベートーヴェンやブラームスの場合にはドイツやオーストリアの演奏が、チャイコフスキーの場合にはロシアの演奏が本場物と言われ、実際に、このような基準でCDを購入する人も多いと思います。演奏団体にお国柄があるとみなされ、指揮者もまた同様です。

 民族性の強い作品であれば、共感性の点で同じ民族のメンバーで構成された本場のオーケストラの方が適していると言えそうですけれど、あまり本場物を強調すると、本場以外の演奏はダメと言うことになりかねません。極端な議論として、昔の評論なのですが、フランスのオーケストラは音が浅薄で、ベートーヴェンには向かないなんていう記事を見たことがあります。

 クラシック音楽は世界共通の記譜法で楽譜に表現されているし、民族性の強いと言われる作品でも、本場物の演奏が録音されて頒布されていますから、必要なら、それらを模範とすることだってできるし、音楽家どうしの交流もありますから、いずれの国の演奏団体が手がけても、一定水準の演奏を行なうことが可能であると思います。

 例えば、ドヴォルザークの「新世界」はチェコ出身の作曲家がアメリカの印象をベースに作曲したものと聞きますが、この場合ですと、チェコのオーケストラの演奏と、アメリカのオーケストラの演奏が、いずれも本場物とされています。前者の場合、指揮者も地元の人が務めることが多いですが、後者の場合は指揮者の国籍はマチマチです。

 この曲をケルテスが指揮したウィーンフィルのものが評判になったことがありましたが、オーケストラの所在地はチェコの隣国だし、指揮者はハンガリア出身で、どう見ても、チェコ、アメリカとは直接には結びつきません。

 普遍性のある作品なら、本場物を求める意味があまりなく、どうしてもと言うなら、民族色の強い作品の場合に頭の隅に入れて考慮すればよさそうですね。

 とは言いつつ、ウィンナワルツはウィーンフィルで、なんて思うこともしばしばです。

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