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【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】4ー05 一期一会 部下を育てる~一生に一度の機会として誠意を持って対峙する~

2024-11-23 12:21:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語

  【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】4ー05 一期一会    部下を育てる~一生に一度の機会として誠意を持って対峙する~    


 
  四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
 経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
 四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
 以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。

第4章 判断力を養いベターな意思決定
 ビジネスだけではなく、日常生活におきましても、私たちから「判断」をするという作業を切り話すことはできません。同じ状況においても、人により判断結果は異なります。例え論理思考で現状や状況分析をキチンとできても、また例え思考力の高い人でも、判断の仕方次第でものごとがうまくいくこともあれば、うまくいかなかったり、さらには悪循環に陥ってしまったりすることもあります。
 四字熟語の中には、私たちが判断に迷わないように、また迷ったときのヒントを与えてくれたりもします。迷ったときに、答を教えてくれるわけではありませんが、解決の糸口が見つかりやすくなったり、解決の時間を短縮してくれたり、よりよい解決策を見出したり、現状が悪化するのを防いでくれたりと、ヒントを与えてくださる時にはそれにより助けられることもあるでしょう。
 4ー05 一期一会    部下を育てる
      ~ 一生に一度の機会として誠意を持って対峙する ~


「一期一会(いちごいちえ)」とは、千利休の言葉として、茶道に由来する和製四字熟語として、広く知られています。茶会に臨むにあたり、このような出会いや機会は、一生のうちで二度と訪れることがないかもしれないので誠意を持って対応すべきという意味です。
 山上宗二記に「路地ヘ入ルヨリ出ヅルマデ、一期ニ一度ノ会ノヤウニ、亭主ヲ敬ヒ畏(かしこまる)ベシ」という一文が残されています。「一期」は、「いちき」と読む人がないといわれるほど、その読みはよく知られています。「一期」は、もともとは仏教語で、「人が生まれてから死ぬまでの間」、すなわち一生をあらわす言葉です。
「この一瞬は二度と巡り会えないかもしれませんので、最高のおもてなしをしなさい」ということから、神経を集中して、ベストを尽くしなさいという戒めです。
 人間の集中力というのは、われわれ凡人では三分くらいしか持続しないと言われています。また、集中しているつもりでも、ちょっとした気の緩みから集中状態が崩れ、失敗に繋がることがあります。それを戒めるのが、徒然草の「高名の木登り」の話です。
「高名の木登りといひし男・・・」で始まります第百九段に登場します。弟子の職人が高いところで梢を切っているときには何も言わなかったのにもかかわらず、軒の高さほどになり、もうすぐ地上に近いところまで下りて来たときに「あやまちすな。心して降りよ」と声をかけて注意を促したのです。
 怖さを感じる高所にいるときには、自分自身で注意をしますけれど、地上近くなりますと怖さも薄れ、つい気が緩み、木から転げ落ちるミスに陥りやすいという教えです。
 私がかつて会社勤務一年生であったときに、私の同僚が、ケアレスミスを起こしました。その時に、私も一緒に作業をしていましたので、彼をかばおうと「解っていながら、ちょっとした気の緩みでのミスで、私でも起こしかねないことです」と言いました。課長は、私に「ケアレスミスを軽視するな」と厳しく注意してくれたときに、徒然草のこの段を引用してくれたのです。
 私が若い頃に「ZD運動(ZeroDefects)」というのが、社員研修でさかんに叫ばれました。「無欠点で仕事をしようという標語であり、1962年に航空機の製造会社であったアメリカのマーチン・マリエッタ社のミサイル生産現場における作業改善運動が始まり(【Wikipedia】)」のことです。課長が言いたかったのは、ZD運動を知らないわけではないでしょうに、それを軽視するような私の発言を重要視してくれたのです。
 このことから、大いに反省し、近年「ヒヤリ・ハット」ということが叫ばれるようになりますと、その課長の顔を思い出し、自分を戒めています。「ヒヤリ・ハット」は、ちょっとしたミスで、重大なことに繋がりそうなことを、間一髪で避けることができ、結果として大事に至らなかったために、看過されてしまうことがないようにする注意喚起用語です。
 ヒヤリとしたりハッとしたりしりするものの、大事に至れば、大いに反省はしますが、「ミスにならなくて良かった」と思って、直ぐに忘れてしまいがちです。人命に関わる医療現場では、非常にこの意識が高くなってきていますが、まだまだ一般の企業ではその意識が低いところが多いです。
 重大な事故が発生した際には、その予兆としてのヒヤリ・ハットが顕在化していないことが多いです。そこで、ヒヤリ・ハットの事例を集め、共有化して共通認識することが、重大なミスや事故防止に繋がると考えます。ハインリッヒの法則というのがありまして、「重大事故の陰に二九倍の軽度事故と、三〇〇倍のニアミスが存在する」と言われています。
 人を育てることは難しいです。仕事を指示するときに、新入社員が相手なら、どの様なやるのか、手順や方法、ポイントなどをしっかり伝えて仕事に取り組んでもらいます。しかし中堅社員を相手にするときには、その仕事の目的は何かをキチンと伝え、方法論などは相手に任せることです。
 中堅社員などを育てるときのポイントとして、私が重視していることの一つが答えを言わず、失敗させる、考えさせる、矛盾に取り組ませるということを基本にしています。人間というのは、自分が気づかないと同じ失敗を繰り返すものです。部下を本当に共育しようと思ったら、部下に失敗させ、部下に上司である自分が叱られたり、恥をかいたりすることを怖れないことです。部下も、自分の代わりに自分の樹脂がそのような思いをしたら、二度と同じ失敗を繰り返すまいと努力をしてくれるのです。
 実務や研修では、答えを言わず、失敗させる、考えさせる、矛盾に取り組ませるということを基本にしています。すなわち、答えは知識や経験をベースに、ひらめきから得ることが重要であると考えているのです。
 ところが、中堅どころであるにもかかわらず、この方法が通じない社員も結構います。その場合には、一ランク下げた形で指示を出します。すなわち、目的だけではなく、方法論としてどの様なやり方を相手が考えているのか指示を出すときに確認するようにします。相手によっては、「この作業のポイントは何だろう」と相手に考えさせ、必要に応じて適切なアドバイスをします。
 それでも成長しない社員がいる時には、失敗事例集の中から、事例を選んで、会議の場をOJT研修の場として流用するようにします。この事例は、課長に恥をかかせてしまったあれのことだと言うことを皆が知っています。同じ失敗を繰り返さないように皆で知恵を出し合います。その過程で、当該者が自分自身に問題あることを認識してきます。爾後、同じような失敗を繰り返しますと、他の社員の目が厳しくなり、管理職がいなくても当該者の意識が変わらざるを得ません。きめの細かいコミュニケーションで社員を育ててゆきましょう。
 社員の育成には「不撓不屈(ふとうふくつ)」という四字熟語を社員に浸透させるのが効果の上がる方法のひとつです。「撓」は「たわむ」ですので、「不撓不屈」は、「たわむことなく、また屈することのない」となります。このことから「強固な意志を持っていれば、どのような辛苦や困難にもくじけない」という意味で使われます。「不屈不撓(ふくつふとう)」と表記することもあります。
 社員が不撓不屈の精神でもって努力するようになりますと、企業は組織で動くことができ、協力軍団として管理職の下で「三面六臂(さんめんろっぴ)」の活躍するようになるでしょう。「三面」は「三つの顔」、「臂」は肘や腕のことですので、「三つの顔や六つの腕を持つ」という意味から、「三面六臂」とは「一人で百人力を発揮し、多方面で活躍をする」という意味です。
 また、「獅子奮迅(ししふんじん)」の活躍という四字熟語もあります。「奮迅」は「激しく奮い立つ」という意味ですので、「志士が猛々しく奮い立つような激しい勢いで、猛烈に物事に取り組む」という意味で、「活躍」という言葉を強調するときに使います。
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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月22日 ◇ビジネスパーソンの話術 ◇座右の銘を持つ生き方 ”道程” <高村光太郎> 3-05

2024-11-23 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月22日 ◇ビジネスパーソンの話術 ◇座右の銘を持つ生き方 ”道程” <高村光太郎> 3-05 

  平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

11月22日

 株式会社NEWONE(東京都千代田区)の調査によりますと、関東と関西では考え方に違いがあるそうです。
 「働くうえで重視すること」へに質問に対して、関東地方のビジネスパーソンは「ワークライフバランス」を重視する人が51.0%でした。それに対して、関西地方では34.3%という数字が出ました。
 逆に関西地方では「何よりも楽であること(負荷・ストレスが少ない・時間が短い・家から近いなど)」を選んだ人は31.2%でしたが、関東地方では21.0%でした。
 働き方に関しても、同じ日本でありながら東西の違いがあるのですね。

 コンサルタントを目指す人達の集まりがあり、【あたりまえ経営のすすめ】について、お話をする機会を得ることができました。

 下記のようなテーマでお話しました。

◆ 05 座右の銘を持つ生き方 ”道程” <高村光太郎>

 ほとんどの人が、何らかの座右の銘をお持ちと思います。 

 私も、吉田松陰の「至誠」、上杉鷹山の「なせば成る」を始め、いくつかの座右の銘ともいえるような名言を、自分の生きていく指針としてきています。

 その中のひとつに、詩人・高村光太郎の「道程」があります。ここでは、「道程」について、ご紹介します。

  僕の前に道はない   僕の後ろに道は出来る   ああ、自然よ   父よ   僕を一人立ちにさせた廣大な父よ   僕から目を離さないで守る事をせよ   常に父の氣魄を僕に充たせよ   この遠い道程のため   この遠い道程のため

 「道程」とは、あるところにたどり着くまでの道のりや距離、行程をさしますが、光太郎は、「あるところ」という言葉を、「ある境地」、「目標」においていると考えています。すなわち、道程とは、自分の目標に近づく状態になるまでの期間・時間およびその過程を大切にする「完成までのみちのり」と解釈し、私の座右の銘として、日々を大切に生きるように努力しています。

 「廣大」は、広く大きいこと、「氣魄」は、激しい気力・精神力を意味しますので、強いこころを持ち、目標に向かって行くように鼓舞されていると思います。

 光太郎は、広大な自然を父と仰ぎ、その力に強い畏敬の念を持ち、それを自分自身の成長の鞭として、叱咤激励を自分自身に課し、一層高い所に進んでいこうという気魄を感じます。

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

  この欄には、発信日の【今日は何の日】と【きょうの人】などをご紹介します。

   ■【今日は何の日】 11月23日 勤労感謝の日 いい兄さんの日

■【今日のおすすめ】

 【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-401 自分の専門外でも会話の輪に入ってみる

 時代の変化は大きく、速く、グローバルに展開されています。学歴や職歴など、過去の知識や情報がそのまま活かせる機会は、年々減少してきています。
 一方で、成長過程やビジネスを通じての経験は、それを礎として、現在でも、将来にも活かせるでしょう。しかし、使い方次第では、陳腐化してしまい、かえって新しい時代の足かせにもなりかねません。
 このような経営環境の急速な変化の時代ですので、ビジネスパーソンも、過去の延長線上での発想では、生き続け、成長していくことは困難でしょう。
 新しい時代の生き方について、原点に戻って、考えてみませんか?

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

■ 経営コンサルタントを長くやって行ける秘訣 b22

 このブログをお読みの皆様の中には、私が1970年代から経営コンサルタントとして活動していることはご存知と思います。

 しばしば「経営コンサルタントを永くやっていける秘訣は何ですか?」という質問を受けます。

 3つの要素がありますが、そのひとつが「内助の功と家庭円満に感謝する」という感謝の気持ちを大切にすることです。

 では、あとの2つは?

 その答を知りたい方は「料金を払ってください」です。<笑い>

 私が経営士・コンサルタントとして走り始めた頃、ある先輩から「独立コンサルタントとしてやってゆくには、“営業力”だ!」と言われました。

 いかに受注をとることがむつかしいのかということです。

 しかし、一旦顧問契約をしたら、全力投球をして、その顧問先との契約を長く続けることです。

 成果が出て来れば、顧問先が新たな顧問先を紹介してくれます。

 難しい経営理論をぶちまけるのも良いでしょうが、中小企業が最も苦手なことは「あたり前」を実行することです。

 「あたり前のことがあたり前にできる」ようにするだけで、中小企業の業績は上がってゆきます。

 たとえば「5S」ですが、人として、企業としてあたり前のことではないですか。

 5Sという、難しい理論ではないこと、それができるだけでも、業績が上がるのです。

 経営士・コンサルタントの業務というのは、クライアントさんのあたり前”創り”の支援をし、それを持続的に実行できるようにし、成果に結び付けられるように寄り添うことです。

 「教えてやるのだ」という上から目線では、契約の継続は困難です。

 次の”あたり前”テーマを、提供し続ければ、顧問契約は、半自動的に延長されてゆくのです。

【小説】 竹根好助の経営コンサルタント起業
 私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に、後継者として会社を任せて数年になります。
 竹根は、業務報告に毎日のように私を訪れてくれます。二人とも下戸ですので、酒を酌み交わしながらではありませんが、昔話に時間を忘れて陥ってしまいます。それを私の友人が、書き下ろしで小説風に文章にしてくれています。
 原稿ができた分を、原則として、毎週金曜日に皆様にお届けします。
【最新号】
  【小説】竹根好助の経営コンサルタント起業6章 苦悩 5 かほりからの電話は?

【これまでお話】 バックナンバー
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/c39d85bcbaef8d346f607cef1ecfe950

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

  >> もっと見る

■バックナンバー   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/a8e7a72e1eada198f474d86d7aaf43db

 

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