【日本庭園を知って楽しむ】4-51 日本庭園の分類2 枯山水式庭園 その名称と分類
若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。
*
旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。
*
日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。
下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。
*
■■4 三分類法による日本庭園の鑑賞法
既述の通り、ここでは、日本庭園を自然風景式庭園、枯山水庭園、露地庭園という三分類を核にしてご紹介します。
すでに紹介済みであった内容と重複することもありますが、その三分類をさらに細分化したり、切り口を変えたりして、初心者なりの鑑賞法をご紹介します。専門家の先生方には侮蔑されるかも知れませんが、私なりの分類法をご紹介して参ります。
なお、本章でのご紹介は、コトバンク、Wikipediaや上述の宮元健次氏等々を参考にし、宮元健次氏の分類法をもとに、初心者が独断と偏見に基づいた内容です。また、当ブログですでに紹介した内容を繰り返し掲載することもあります。勝手ながら、正式な情報は、読者の皆さんのお考えに基づいてお探し下さると幸いです。
*
■4-51 日本庭園の分類2 枯山水式庭園 その名称と分類
既述の通り、日本庭園は「池泉庭園」「枯山水」「露地」の基本様式に区分されます。
枯山水(かれさんすい)庭園とは、水を用いずに岩や砂などで山水を表現した日本庭園の様式の一つで、しばしば「石庭(せきてい)」とも呼ばれます。しかし、このような様式が確立されたのは室町時代中期と考えられ、その定義に当てはまらない枯山水庭園も多くあります。
書き言葉としては、乾山水、唐山水、枯水形、から泉水、干川庭、古山水、仮山水などがあります。その読み方も、カレセンスイ、コザンスイ、フルセンスイ、コセンズイ、フルセンズイなど、いろいろな読まれ方をします。今日の「枯山水(カレサンスイ)」という表現が一般化したのは大正時代以降と言われています。
枯山水庭園は、水を使わないため面積の広狭を選びませんので、屋内や屋上にも作られ、身近になっています。近代的な建築にも馴染みやすく、日本らしい雰囲気を醸し出してくれます。そのため、現代においても人気が高い様式の一つといえます。
*
私のような初心者には、龍安寺の方丈庭園(石庭)をイメージしますが、近年では、枯山水庭園を、さらに細かく分類するようです。
現代を代表する作庭家のひとり、重森三玲は「前期式、後期式」に分けることを提唱しています。
枯山水という言葉は、平安時代に書かれた日本最古の庭園書で初めて定義され、池も遣水(やりみず)もない所に、自然の景観を見立てた石組みで作庭されました。主に山の斜面など傾斜に作られることが多く、京都・西方寺(苔寺)に代表されるように、これを「前期式枯山水」と呼んでいます。
広く枯山水の定義のように言われている「平坦な土地に水を用いず石や砂を主として構成された、山水風景を象徴的に表現した庭園」と言い替えてもよいでしょう。
それに対して「後期式枯山水」とは、現代で表現される「水を表現する砂」の枯山水庭園を指します。これは、応仁の乱(1467年)の後に、経済疲弊により大規模な池泉庭園が困難となりました。その結果、枯山水が流行し、前期式のような起伏を持たない枯山水庭園が多く造られるようになったのです。
11世紀ごろに成立したとされる『作庭記』では、枯山水は独立した庭園様式ではなく、池を中心とした池泉庭園などにおいて築山や野道に作られた石組部分を指していると記述されています。重森完途氏氏の前期式がこれに相当します。
*
いっぽう、日本庭園研究会会長の吉河功は、次のように分類しています。
*
① 平庭式枯山水
ほぼ平らな敷地で、苔を除く植栽のない石庭のことで、京都の龍安寺や円通寺に代表される庭園です。
*
② 準平庭式枯山水
平庭式が基本ですが、その一部に低い築山を持つ形の枯山水庭園を指します。京都・真如堂や、鴨倉の長寿寺が、この分類に属します。
*
③ 築山式枯山水
重森三玲の分類による前期式枯山水が。この分類に近いといえます。京都・慈照寺(銀閣寺)や天龍寺の曹源池庭園が、その代表的な庭園です。
*
④ 枯池式枯山水
水の無い池泉、いわゆる枯池を造っている枯山水庭園で、旧徳島城表御殿庭園や滋賀県米原市の青岸寺などが、その代表的な庭園です。
*
⑤ 枯流れ式枯山水
白砂などを用いて枯流れを表現した枯山水庭園を指します。京都大徳寺の大仙院枯山水庭園が好例ですが、他にもしばしば見られます。
*
初心者の私には、吉河氏の分類は、枯山水庭園を見るときの視点として捉えると、枯山水庭園を理解するときに大いに参考になるように思えます。
*
(【Wikipedia】、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)
*
■ 日本を代表する庭園
都道府県別
リスト http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm
- 写真・旅行
- 【カシャリ!ひとり旅】 北海道
- 【カシャリ! ひとり旅】 青森
- 【カシャリ! ひとり旅】 岩手
- 【カシャリ! ひとり旅】 秋田
- 【カシャリ!ひとり旅】 福島
- 【カシャリ!ひとり旅】 宮城県
- 【カシャリ!ひとり旅】 山形県
- 【カシャリ!ひとり旅】 茨城
- 【カシャリ!ひとり旅】 埼玉
- 【カシャリ!ひとり旅】 群馬県
- 【カシャリ!ひとり旅】 神奈川県
- 【カシャリ!ひとり旅】 東京散歩
- 【カシャリ!ひとり旅】 静岡県
- 【カシャリ!ひとり旅】 山梨県
- 【カシャリ!ひとり旅】 兵庫
- 【カシャリ!ひとり旅】 京都
- 【カシャリ!ひとり旅】 北陸
- 【カシャリ!ひとり旅】 九州
*
ユーチューブで視る 【カシャリ!庭園めぐりの旅】
写真集は、下記URLよりご覧いただくことができます。
静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm
【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています