躑躅(ツツジ科ツツジ属)。常緑または落葉性低木の欧米では落葉性の種が多く野生20種以上、園芸品種は数百種以上にのぼる。山野に自生し、また観賞のため庭園に植えられる。花は漏斗状の合弁花で先が5~8裂し、晩春から初夏にかけて紅、紺、紫白、絞りなど多彩な色が見られる。開花するが蕊が長く突き出るのが特徴。ツツジ花(筒状花)の略、花が次々咲くのでツツジキサキギ(続咲木」「ゆううつ)ほかツツジの名の由来は諸説ある。「花ヲしぞ思ふ本保の赤つゝじ 守 武」「躑躅生けてその陰に干鱈割る女 芭 蕉」「さしのぞく窓につつじの日あしかな 丈 草」「餅ほめて這入る屋のつつじかな 許 六」「躑躅咲くうしろや闇き石灯篭 桃 隣」「旅籠屋の夕うくれなゐにつつじかな 菨 太」「花稀れに老いて木高きつつじかな 太 祇」「つつじ野やあらぬと所に麦畑 蕪 村」「つつじ咲きて片山里の飯白し 蕪 村」「つつじ咲いて石移したる嬉しさよ 蕪 村」「盛りなる花曼荼羅の躑躅かな 高浜虚子」「紫の映山紅(つつじ)となりぬ夕月夜 泉 鏡花」うつうつと大獄の昼躑躅咲く 飯田蛇笏」「庭芝に小まはりぬ花つつじ 芥川龍之介」「花びらのうすしと思ふ白つつじ 高野素十」「日の昏れてこの家の躑躅いやな色 三橋高女」「吾子の瞳に緋躑躅宿るむらさきに 中村草田男」「山つゝじ照る只中に田を墾く 飯田龍太」「牛放つ蓮華つつじの火の海へ 青柳志解樹}「椅子向けてれんげつつじや高峰晴 伊藤敬子」「大つつじ絢爛として沼暮れる 松本夜詩夫」「鬱の日の沸点にゐて緋の躑躅 石 寒太」「あざれあを店に飾りてはきもの屋 青柳はじめ」「つつじ散る池面に言葉置くように 菅沼菖蓉」。(躑躅草洗い晒の色となり ケイスケ)。