最近日本ではソロキャンプなるものが
殊の外はやっているらしい。
でも、私は昔ながらの気の置けない友人
たちと火を囲んで語り合うマスキャンの
ほうが好きだなあ。
ソロキャンは否定しないけど、一人に
なりたいのなら、陸の孤島のような山に
入らないと無理だもの。
キャンプ場ではソロのつもりでも、囲い
を作って、ここ入るな、みたいな意識で
やってる人が今は多くてさ。
私有地じゃないのに、通路にサイト作って
通ろうとしたらヤンチャ的クレームつけ
るようなキャンプ素人さんばっかでさ。
何てのか、グランピングなんて物が出て
来て、キャンプが持つ社会性、社会共同体
についての学習性が捨象され始めた頃から
ソロなり家族キャンなりと称して変な連中
がドワっと増え始めた。
水場でも譲り合いもせず、挨拶さえしな
い。
まあ、社会全体の社会傾向なんでしょう
けどね。
キャンプ場には、社会的に不適合という
か、人間社会から逃げ出したい人たちが
溢れたから、キャンプ場での非常識な事
が全国的に今発生しているのでは。
人社会から逃げる事は、そこから得る
ものって無いんだよね。
人間は、北極で一人で生きてるのでは
ないのだから。
最近のキャンプブームに尋常ならざる違和
感を私が感じているのは、そこなのよ。
自己閉塞世界、殻に閉じこもる為にキャン
プを利用している人たちが異様に増えて
いる。
キャンプとは社会性を学ぶ教育の一環と
して存在していた、という人の歴史を踏み
にじってるんだよな。
違和感の理由はそれなのよ。
まだね、バイク乗りのほうが社会性ある
よ。
見知らぬ人でも、駐車したとこで出会った
ら「こんちは」て挨拶交わすもの。
若い人ではそれ出来る人少なくなったけ
ど。
それでも、多くのバイク乗りたちは、社会
性を持っている。
これね、理由分かってる。
バイク乗りは日本では歴史的に差別もされ
たし、乗り人たちはマイノリティだった
からだよ。
だから、乗り人同士は同族と見て親しく
しようとした、てのが歴史的な背景なの
ではないかなあ。
年寄りの二輪乗りほど挨拶するというの
は、多分そうした歴史の中を生きて来た
からだと思うよ。
この前ね、いつも行く峠で休んでいたら、
ウエストバッグを忘れて行った人がいた
のね。
それに気づいたから、かなりの時間、
高校生の子と30代の人と3人で「多分
戻って来るだろう」と番してたの。
そしたら、持ち主の人が戻って来て、
みてましたと言ったらえらく感激されて、
何度も辞退したけど、「ぜひコーヒーでも
飲んでください」と。
「いやあ、ほんと助かった。良い人たち
でよかったあ。ありがとう」と言うの。
別に良い人たちではなく、当たり前の
事しただけだから、返ってこちらが恐縮
してしまったのだけどさ。
ぜひにぜひにと仰るので、三人は缶コー
ヒーをご馳走になった。
実は、その人を私はその前の週に別な
峠で見かけていた。
キャンプに行く途中の峠で。
凄く乗れてる人で、うちらの車の前を
綺麗なハングオフで決めてコーナーを
抜けて行った。
その前に、峠にさしかかる時に、車詰まっ
てた渋滞気味の街中で後ろからバイクが
来たから、センターに寄って道を譲った
のよね。
車の同乗者もバイク乗りだったから、
「あの人乗れてるね」
「そだね。かなり年季入ってる。決まって
るね」
なんて、後ろにつけて感心して乗り方を
見ていた。
たまたま、翌週、おいらがいつも行く峠
でその人が忘れ物したという訳。
「いつもどちらを走ってらっしゃるんで
すか?」と尋ねたら、先週見た峠の名前
言ったので間違いない。
フォーム見た時、あれ?とは思ってたけ
ど。
そして、別にバイク乗りの仁義とか人情
とかで忘れ物バッグをみてた訳ではない。
戻って来なかったら、交番まで届けよう
と思っていた。
そういうのは、社会人として当たり前の
事だ。バイク乗りだからでもないし、
ましてやマナーなんて意味不明なもので
もない。
忘れ物ということでミスっちゃったけど、
それは持ち主の所に無事戻ったし、その人
が「ああ、あの峠に行って良かったな」と
思ってくれれば、地元民としてはそちらの
ほうが嬉しい。
で、キャンプの現状は「ニワカ」さんた
ちが身勝手な価値観持ち込んで出鱈目を
やってるから、今の現状はキャンプ場は
とんでもない事になっている。
荒らされまくり。
「俺たちの自由じゃないか。文句言うな」
てな感じで。
そして、それが進むと、神奈川であった
ように川で一家まるごと10数名も子ども
まで含めて濁流に流されて死んじゃう。
社会性持たない反社会的な「ソロ」(家族
単位であれ)行動取るからなんだよね。
今のキャンプの現状を見ると、人と関わり
たくないからキャンプ、ソロキャンプ、と
いう人たちは、どうなのかなあ、とか思
う。視座が。野外で営む視点が。
やってる事は、共同水場での譲り合いも
なく、通路にサイトを設けていてそこを
通るとヤンチャクレームつけたり、生木
を折ったり、直火禁止場所で炭を残した
り、自分たちだけのグループで夜中大騒
ぎしたり、ゴミは捨て放題とか、もうね
無茶苦茶。
今、現実はそれ。