渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

【田中英道の文化散歩】「鹿島神宮 なぜ三大神宮の二つが関東にあったのか」東北大学 名誉教授 文学博士 田中 英道

2022年05月27日 | open

【田中英道の文化散歩】
「鹿島神宮 なぜ三大神宮の二つが
関東にあったのか」
東北大学 名誉教授 文学博士 田中 英道



大学の先生の話なので大学での
諸教授たちの講義と全く同じ話し
ぶりなのだ
が、田中教授は文献
史学の枠を
超えて現地調査を重
要視した
学術界の嚆矢ともいえ
る存在だ。

保守派の学者だが、従前の傾向
とは異なるアプローチで古代史
に取り組んでおり、注目される。
「伊勢神宮は重要ではない」と
まで言い切ってしまう。
しかし、前史時代の古代におい

て、実は外来渡来系ヤマト一族
のみならず重要な神紋が日本に
あった筈であるという視点は、
あながち一蹴することはできな
い。
ただ、田中教授が提唱する日本の
古代王権とユダヤとのつながりの
部分については、現在の学術会で
はトンデモ奇天烈説として排除さ
れている事は確かだ。

製鐵技術を持つ地場は関東東日本

だった。西国は銅剣だった。
それも田中教授は解き明かしていく。

大学での1時限の講義よりもかなり
短い67分の動画だが、興味深く
視聴する事ができた。

ただ、田中教授は「LGBTは頭が
おかしい障碍者。頭がおかしい人
たちが社会問題であるかのように
言ってるだけ」とまで言う保守
反動右翼である。
フランクフルト学派についても、
破壊活動であると批判する。
国粋主義者たちは誰もがこうした
差別排外意識を旨とするのは、残念
なところであり、彼ら国家主義者
たちの限界性でもあろう。
だがそれは、擬似「共産主義」国家
群の権力者とそれの臣民たちとも
共通する資質であるといえる。
そこにこそ、「民と共にあるのか、
そうではなく権力者に追従して
人民を分断・排撃するのか」の根
源的な人的思想性が問われる。
無論、田中教授は後者である。

その偏頗性は当然にして同じ国粋
主義系の三島由紀夫の思想性とは
相容れない。
三島は性を超越していたからだ。
田中教授にみられるナチスが採った
障がい者や他民族排撃、同性愛者
撲滅思想は三島には存在しない。
それに拘泥するのは瑣末な事である
と三島は知っていた。
ある意味、田中教授よりも、遥かに
大きな宇宙観を三島由紀夫は獲得し
ていた。
選民主義者養成機関である同じ東大
卒でも、その思想的な広さには両者
はかなりの差がある。


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