【狂言の奉納は感染拡大防止のため中止に!】
春日大社の摂社水谷(みずや)神社で5日、例祭の鎮花祭が執り行われた。水谷神社は若草山と春日山の間を流れる水谷川のほとりに鎮座し、祭神として素戔鳴命などを祀る。鎮花祭では神前に桜の花を供え、新型コロナウイルスの早期終息などを願う祝詞を奏上。この後、巫女4人が雅楽に合わせて古くから伝わる社伝神楽を奉納した。
本殿の手前にはイブキ(ビャクシン)の巨樹。ほとんど枯れ死状態で斜めに傾いているが、樹高は12.5m、幹周りは6.5mほどもあるそうだ。空洞になったその真ん中から杉の幹が直立、古くから「水谷神社の寄生木(やどりぎ)」として知れ渡っているそうだ。鎮花祭は午前10時に始まり、ほぼ1時間で終了した。この後、例年なら午後1時から春日大社禰宜座による大蔵流の狂言が奉納される。
少々間が空くため、神楽を見届けた後、万葉集に登場する草花を集めた万葉植物園へ。ぐるっと一周したが、同園自慢のフジの花はまだ芽吹き始めたばかり。この後、なお時間があるので東大寺の二月堂に向かった。その途中にある水谷神社に再び差し掛かったところ、本殿の向かって右側に立て看板が。そこには2行にわたってこう書かれていた。「新型コロナウイルス感染拡大防止のため 本年の水谷狂言奉納は中止となりました」