【神田神社への渡御行列は6年連続中止に!】
日本最古の神社の一つといわれる奈良県天理市の石上(いそのかみ)神宮で、6月30日「神剣渡御祭」が営まれた。末社神田(こうだ)神社へのお渡り(渡御行列)は梅雨空のため中止となり、一連の神事は全て国宝の拝殿内で執り行われた。
お渡りは神剣渡御祭の一番の見どころ。太鼓を「でんでん」と打ち鳴らしながら進むため「でんでん祭」とも呼ばれる。この日の天候は「雨のちくもり」で、神事が始まる午後1時ごろには薄日も差していた。だが「諸準備の都合もあって」結局中止に。これでお渡りは6年連続中止となった。(写真は拝殿に参進する宮司ら神職)
拝殿では雅楽が奏される中、まず「本宮祭」が営まれた。お祓いに続き、お供え物を捧げる献饌、祝詞奏上、玉串奉奠┄┄。
神事は粛々と進んだ。拝殿には多くの一般参拝者も自由に上がって参列し、厳かな神事を見守っていた。
拝殿前の境内にも多くの参拝者。神事の節々に神前に向かって低頭していた。
本宮祭が終わると、続いて「神田神社例祭」。拝殿内に設けられた遥拝所に神剣を供えて神事が執り行われた。
この後は五穀豊穣を祈る御田植神事。拝殿内を神田に見立て、作男と牛役が田起こしなどの所作をユーモラスに演じた。途中、お疲れ気味の牛役を、脇に控えていた早乙女が立ち上がって励ます一幕も。
田んぼが整うと、早乙女3人の登場。早苗を一つ一つ丁寧に並べていった。その苗は本物の稲。神事が終わると、参拝者たちは競って苗を手に取り持ち帰っていた。
この日は半年間の罪⋅穢れを祓い清める「夏越の大祓式」も夕方から行われた。
社務所前の参道には高さ2mほどの大きな茅の輪。神職らが古歌を唱えながら輪をくぐった。「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶといふなり」