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最後の最後までプランナーであった糸川精一さん。

2008年03月22日 | 丸ちゃんの喜怒哀楽へなへなジャーナル

 20日の祝日夜、小社から4点の本を出版された大阪読売広告社元会長の糸川精一さんのお通夜(公益社千里会館)に出席した。1938年横浜生まれの69歳、7年間の闘病生活の果て、まだ若くしての惜しまれるご逝去であった。

 60年安保闘争冷めやらぬ中、平和と自由、そして民主主義の理念を心の刻みこみ大学卒業後、大阪読売広告社に入社、仕事と労働組合活動両面で独創性あふれる活躍を示し、75年取締役企画制作局長に就任、以後常務、専務を歴任。1992年6月代表取締役社長、2001年6月取締役会長の任に。博物館学芸員、ショッピングセンター管理士の資格を取得、宣伝広告プランナーとして大阪キタのいわゆる阪急村、阪急3番街、8番街、ナビオ阪急、HEP FIVEなど人・若者が集まる街つくりをプロデュースしてきた。特に身近な仕事歴としては阪急の川の流れる地下街やHEPの赤い観覧車などがある。

 一方で糸川さんは、日本の民主勢力前進のために大きく尽力された方でもあった。宣伝広告プランナーという立場から数多くの選挙宣伝にご自身の職業能力を惜しみなく発揮され、また民主諸団体の機関紙宣伝活動や日本機関紙協会大阪府本部の機関紙学校、機関紙学園、機関紙コンクールをはじめ様々な研究会・講座の講師、審査員などを務められるなどさまざまな形で協力をいただいた。

 また小社からは、①『イベント企画入門』―あなたもイベントプロデューサー催し事百科の徹底的研究(1983年)、②『意見広告入門』―その実態&歴史&海外事情&出稿知識=実例133点 (1984年)、③『地域活性化イベント入門』(1986年)、④『キタの街おこし自分史』キタの街おこし自分史 団塊世代&ジュニアむけ広告戦略(2003年)の4点を刊行、特に『イベント企画入門』は増刷を重ね続けたロングセラー本となった。

 お通夜は、糸川さんが選挙参謀としてかかわった5年前の大阪市長選挙で候補者を務めた渡辺武さんによる故人の歩みの紹介で始まった。その中で渡辺さんは、生前糸川さんが、実は自身の葬儀の進め方まで遺言状のような形で書き遺しておいたことを紹介、事実、その内容に沿ってこのお通夜も営まれた。形式は無宗教の音楽葬にする。戒名は付けない。焼香はやめて献花にし、献花中はラヴェルの「ボレロ」をエンドレスで流す―――。糸川さんの友人のご子息がバイオリンを演奏、アメイジング・グレイスほか4曲が流れる中、各々が故人を偲ぶ時間がゆっくりと流れた。遺族を代表して喪主であるご長男が「父は自由と責任を私たちに教えてくれました」と挨拶されたのが印象的であった。
 まさに最後の最後までイベントプランナーであった糸川精一さんに合掌――。


 

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