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水曜集会1000回が突きつける私たちの責任

2011年12月14日 | 丸ちゃんの喜怒哀楽へなへなジャーナル

 2007年の夏、初めて旧日本軍性暴力被害者たちが暮らす韓国の「ナヌムの家」を神戸女学院大学石川ゼミの学生たちと何人かの大人たちと訪れた。帰国後、被害者であるハルモニたちの証言を聴き交流したものとして、何かをしないわけにはいかないと、同行した仲間たちと「慰安婦」問題について考え、学習する取り組みを行ってきた。

 その間に新たに出会い、仲間に加わってくれた人たちの尽力で、先日の日曜日は奈良で80人を超す規模の学習会が成功した。そして今日は1000回目の水曜集会が日本でも全国各地で行われた。

 毎週水曜日、雨の日も風の日も被害者と支援者たちは日本政府に対して真の謝罪と補償を訴えてきたが、しかし日本政府の対応は「もう終わったこと」と冷徹そのもので、その態度はまるで高齢の被害者たちが早く亡くなることを待っているかのような印象さえ抱いてしまうほどに冷たい。

 今日、1000回の水曜集会が行われてきたその場所であるソウルの日本大使館前に被害者たちの思いを託した少女像が建立された。日本政府はさっそくその撤去を韓国政府に求めているが、さすがに韓国政府もこれには応じる姿勢はなく、日本政府に問題解決の責任があるとしてその解決を強く要求している。

 さて日本はこのような姿勢を続けながら、果たしてこれからのアジア社会でどのような展望を開いていくというのだろうか。そして肝心なことは、あのハルモニ(おばあちゃん)たちに苦しい思いをさせている日本政府を支えているのが、私たち一人ひとりの責任であるということだ。

 この日本政府の態度が変わらない限り、水曜集会は今後は少女像とともに1001回、1002回と続けて行われていく。

 韓国の被害者支援団体が今日の1000回水曜集会について声明を発表した。

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第1000回日本軍「慰安婦」問題解決のための定期水曜デモ声明

1992年1月8日、あの日から20年間、駐韓日本大使館前では寒波を突き破り、日本軍「慰安婦」問題の解決を求める声が響き渡った。その最初の叫びを1000回のたたかいへと引き継いできたわれわれは、日本軍「慰安婦」犯罪を全世界に告発し、被害者たちの人権回復と正義の実現を求めてきた。

1000回の水曜日は、戦争犯罪を告発して堂々と立ち上がった被害者たちの勇気と連帯してきた、世界中の平和を愛する人々の希望の歴史である。そして1000回の水曜日は、いかなる苦難にも負けることなく続けられてきた不屈の粘りが勝ち取った忍苦の涙である。しかし、あの固く閉ざされた日本大使館と、戦争暴力の世界で未だに苦痛を受ける数多の女性たちが存在するという現実は、私たちの叫びが1000回を超えてもなお、再び新たに力強く続けられねばならないことを物語っている。

女性の身体を戦争の道具として蹂躙した人倫に反する戦争犯罪が、責任者処罰と法的な問題解決に至っていない今日の現実は、人類の歴史に恥辱を残している。そして何よりも、人類の歴史の最も恥ずかしい記録を、最も長い期間にわたって残している戦犯国日本こそが、戦争と暴力の世紀を終わらせていない最大の犯罪国であることを、今この瞬間にも歴史は記録している。

日本軍「慰安婦」問題は、十代の少女に対する残忍な暴力であり、女性の身体と心を蹂躙した反人道的な戦争犯罪であり、人間の生を徹底的に踏みにじった最も悪辣な人権蹂躙であることを、今日の1000回水曜デモで私たちは今一度確認する。そして、植民地の民衆に対する極悪な民族差別であり、残忍非道な暴圧であったことを再度明らかにする。

真の謝罪と賠償はおろか、その真実すら否認する妄言と責任逃れを繰り返す日本政府の醜い振る舞いは、被害者らに対する第2の暴力であり、二重の苦痛を加えるに等しい行為である。戦場に引っ張られて行った少女たちが白髪の老女になってなお、名誉と人権の回復がなされないままこの世を去っている不当な現実、被害者たちを1000回も街頭に立たせてきた責任を、戦犯国日本に厳しく問う。

日本政府は、20年間叫び続けてきた日本軍「慰安婦」被害者たちの声に耳を傾け、これまで明確な国際法的な判断の下に採択されてきた国連やILOの勧告、各国の国会や地方議会の決議、世界の平和を愛する人々の要求を直ちに受け入れなければならない。徹底した真相究明と共に、公式謝罪と法的賠償など問題解決のための行政的、立法的解決措置を早急に履行しなければならない。

日本軍「慰安婦」問題の解決は、正しい過去精算による韓日外交の平和的で発展的な下地になるであろうし、引いては日本政府が東アジアと世界平和の実現において、きちんとした役割を果たす道であることは明らかである。このように明らかな歴史的かつ法的な責任を、これ以上知らぬふりをしたり、拒否したりすることは日本政府自らが最低限の良心もない戦犯国であることを再び認める行為である。

猛暑と極寒の中で毎週水曜日、戦争犯罪による被害を自ら告発してきた被害者たちの苦痛から目をそらしてきた韓国政府にも厳しく責任を問う。日本軍「慰安婦」問題を解決する主体として、また触媒として、その役割を果たすべきところ、韓国政府は徹底的に無視し放置してきた。韓国政府も正しい過去精算を遅らせるもう一つの障害物となり、被害者らの苦痛を加重するさらなる人権蹂躙をはたらいた。韓国政府は、具体的かつ積極的な外交政策を樹立し、周辺国と国際社会の支援を引き出し、日本軍「慰安婦」被害者がこれ以上、街頭に放置されることがないようにしなければならない。

1000回の水曜デモに込められた粘り強い平和愛好の精神を込めて、今日この場に建てられた平和碑と共に、これまで「日本軍『慰安婦』被害者に正義の回復を!」と共に叫んできた世界の平和を愛する人々がみな、一堂に会した。ここに立っているわれわれ全員は、戦犯国日本政府が日本軍「慰安婦」問題を正しく解決するその日まで、連帯の手を放すことなく、1001回、1002回を越えて水曜デモを続けていくことを宣言する。日本政府は、水曜デモが回を重ねるごとに一層重い責任と歴史の審判が待っていることをしっかりと直視しなければならない。

今日、歴史的な1000回目の水曜デモを迎え、われわれは次のように要求する。

―日本政府は、日本軍「慰安婦」犯罪の真相を徹底的に糾明し、被害者に公式謝罪せよ!

―日本政府は、国際法に則って、被害者に法的に賠償し、二度とこのような犯罪が再発しないよう明確な措置を履行せよ!

―日本政府は、日本軍「慰安婦」問題を教科書に明確に記述し、現在と未来世代が正しい歴史を学ぶ権利を保障し、引いては人権と平和の価値を実現させることを率先しておこなえ!

―被害者たちに1000回の街頭闘争を続けさせた韓国政府の無責任と傍観はこれ以上許されない。韓国政府は、憲法裁判所の判決をより謙虚に受け止め、二国間協議の実現、引いては問題解決のための外交的努力を尽くせ!

―日本軍「慰安婦」被害者たちの正義実現から目を背けてきた各国政府と国際社会にも責任を問う。戦犯の不処罰と戦争犯罪に対する幇助は、日本軍「慰安婦」のような恐ろしい犯罪の再発を誘発するものである。国際社会は戦争と女性への暴力を中断させるため積極的に努力せよ!

2011年12月14日
第1000回日本軍「慰安婦」問題解決のための定期水曜デモ参加者と世界の平和を愛する市民一同

 

 

 

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