あっちゃんとおねしょのかみさま 一年 藤井貴子
きのう、あっちゃんのおかあさんが、おねしょのふとんをほしていたから、わたしが、
「どうしたの。」
といったら、あっちゃんのおかあさんがいった。
「あっちゃんがおねしょしたのよ。」
ていった。そして、あっちゃんが、いった。
「ぼくしてないよ、おねしょのかみさまが、あっちゃんのおふとんにはいってきて、おねしょをしたの。」
わたしは、あっちゃんのこのはなしをしんじています。
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「わたしは、あっちゃんのこのはなしをしんじています」という貴ちゃんのかわいらしさにほっこりしますよね。
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お父さんのことば 三年 島下房子
夜、お父さんは、いつも同じことばでしゃべる。まだごはんのしたくができていない時には、すぐに
「めし。」
という。お母さんがほかのことをしててもいう。わたしはどうしてだろうと思う。
こんどは、お父さんがおふろに入りたかったからすぐに
「ふろ。」
という。手つだってやっても、つぎからつぎへとお母さんにたのむ。お母さんが、
「人にたのまんと自分でし。」
とお父さんに言う。
お父さんは、おふろから出たら、すぐにふとんに入る。それまでにふとんをひいてなかったら、大きい声で
「ふとん。」
という。ねるときは、少しだけテレビを見る。ねむくなったらお母さんに
「でんき。」
という。
お父さんはそれだけのことばしか知らないのかな?
わたしはいつも思う。
お父さんは昼まだけはちゃんとしゃべってるんかな。どないしてるんやろ。
お母さんごくろうさま。
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思わず笑ってしまいます。ほほえましい家族の笑い声まで聞こえてきます。
父ちゃん昼間はしっかりしゃべって仕事がんばってまっせ!
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私ってどんなイメージ? 五年 穂乃佳
私ってどんなイメージなのかなあと時々思う時があります。
なぜそんな事を考えるかというと…。
二組の米山先生は生徒の名前を下の名前で呼んだりしています。例えば龍田さんだと「じゅり」って呼んだりしていました。でも私を呼ぶときはなぜか「出口さん」やほかにも米山先生は、給食のワゴンを運んでいくときに、
「出口さんお通りください。」
などと言われたりします。
米山先生以外には、じゅくの先生にも一度だけ、テスト返しの時、生徒の名前をおもしろおかしく変えて呼んだことがありました。
まりえちゃんなら「マリエッティー」
みさきちゃんなら「みちゃき」
私はなんて呼んでくれるのだろうと楽しみに待っていたら、やっぱり「出口さん」でした。「ほのかちゃん」ぐらい言えんかー!と思いました。お母さんに話したら、
「かたくて、いじりにくい性格なんかなぁ」と言われてショックをうけましたが、私は私のキャラでこれからも生きていきます!!
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「ショックをうけましたが、私は私のキャラでこれからも生きていきます!!」。この爽やかな明るさが素敵!子どもがすくっと育つ瞬間です。
子どもの作文は、おもしろい。読んであげてください。なにわ作文の会『教室で読みたい綴り方』の注文先は土佐(090・1952・0671)。
(とさ・いくこ和歌山大学講師)