月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

ほんごうそう

2015-08-31 22:57:05 | 植物
ヒノキの下で見つかった小さな腐生植物・ホンゴウソウ。高さは2センチかそこら。

「腐生植物」とは光合成をせずに生きている植物のこと。緑色の葉っぱを持っていないので、キノコと間違えられる種類もある。

実は腐生植物の中にはキノコと縁の深いものが多く、たとえば有名なギンリョウソウは、ベニタケの仲間の菌糸から栄養をもらって(要はドロボー)生活していることが知られている。

このホンゴウソウも、キノコではないものの、やはり菌類(アーバスキュラー菌根菌、通称“A菌根菌”)から栄養をもらって生活している。「A菌根菌」なんて聞きなれないかもしれないが、実は地球の生態系を支える重要な菌類グループだ。草・木を問わず、地球上の陸上植物の8割がこの菌たちと菌根を作っている。彼らがいなければ大半の植物は弱るか、あるいは枯れ、緑の地球はあっさり崩壊するかもしれない。縁の下の力持ちだ。

スギやヒノキもキノコとは菌根を作らないが、A菌根はつくる。この小さなホンゴウソウは、どうやらそのA菌根にとりついて栄養をもらっているようだ。

A菌根はあんまり栄養を蓄える力がないからか、そこから栄養をもらっている植物は、とても小さい。