月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

たまむくえたけ

2021-10-18 01:19:24 | キノコ
雨が降ると、キノコが出る。

これは半分当たっているし、半分当たっていない。
必ずしもキノコの発生の引き金は雨だけではなく、たとえば地温だったり、あるいは栄養状態であったりするからだ。でもキノコの中で、割と雨に早く反応する種類もある。特に畑に生えるキノコなんかはそうだと思う。

畑に生えるキノコは、茶色くて小さい地味なものが多く、正直なところ、種類もわからないことが多い。でも「たま」には名前のわかるものがある。

タマムクエタケはそんなキノコの1つ。キノコを見る限りはほとんどなんの特徴もなく、調べるのにもほとんど取っ掛かりがないのだが、少し根本の地面をほじくって見るとわかる。地下から「タマ」が出てくるのだ。


見た目は木の実のような直径7〜8ミリの茶色の玉には白い菌糸が無数にからんでいて、それが菌類のものだとわかる。これは「菌核」と呼ばれるもので、ちょっと乱暴に言えば、植物で言うところの「イモ」にあたる。高温や低温、乾燥に耐えるためだろうか、こういう菌核を作るキノコは他にもいくつも知られている。

調べてみるとキノコはタマから直接出る感じてはなく、タマから伸びた菌糸の中からキノコを出している感じだ。同じような環境にキンカクイチメガサという名前のキノコも知られているが、そちらは柄がやや太く、ヒダが紫褐色を帯びるらしい。