月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

『ポケット図鑑 日本のキノコ262』

2014-01-14 21:06:41 | キノコ本
『ポケット図鑑 日本のキノコ262』 柳沢まきよし 著

2009年発行の比較的新しいポケット図鑑で、文一総合出版からの出版。「哺乳類の足跡」「イモムシ」「海辺の漂着物」「雑草の芽生え」「淡水産エビ・カニ」など、スキマ狙いで魅力的な生き物関連ハンドブックをたくさん送り出している出版社だ。

ハンドブックは本屋でチラ見することがあるんだけど、どれもけっこう出来がよくて舌を巻く。そしてこのキノコ図鑑も例にもれず。おそらくポケットきのこ図鑑ではトップクラス(ていうよりトップ)だと思う。

著者の柳沢まきよし氏はフリーの写真家。当然ながら写真はうまく、印刷もきれいに仕上がっている。しかも、傘の裏側や断面、乳液などの色や変色性など、それぞれの特徴がきっちりわかる小さな黒バック写真が各キノコに2、3枚ずつ付けられており、非の打ちどころがない。


解説は情報量重視。限られたスペースを可能な限り有効活用している。ただ、専門用語が多いため、完全な初心者が使うのは苦労するかもしれない。

著者は長野出身ということもあり、キノコのセレクションは東日本ベース。ターゲットがキノコ狩りをする人に設定されているようなので、妥当かと思う。タイトルにもあるように、掲載種数は262と、コンパクト図鑑としては多め。携帯用ならこの数字でも十分だと思うが、堅くて食えないサルノコシカケ系(カワラタケやコフキサルノコシカケなど)のキノコをほぼ全て削っているので、その数字以上に充実度を感じる。


分類の難しいホウキタケを「ハナホウキタケの仲間」「コガネホウキタケの仲間」とするなど、正直申告が信条らしい。

キノコ知識もある程度のレベルになると、「コンパクト図鑑なんて役に立たないしジャマ」みたいに思うこともあるが、この図鑑ならば中級者でも十分に使えると思う。普段いかないフィールドに携帯すると威力を発揮しそうだ。

巻末には採り方食べ方コーナーが設けられているが、分量的にはちょびっと。本編がいいのでこれで十分でしょ。


ふむ。主だった食用キノコ・毒キノコは見開き2ページで。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿