昨日は動楽亭昼席へ。
早めに着いたので、ほとんど行ったことのない新世界をうろうろ。
開場10分くらい前に動楽亭に着いたが、あまり並んでいなかった。
さすがに平日昼間だからなあ。
結局30人に満たない入り。
「軽業」(弥太郎):△
特にマクラを振らずに入る。
声がまだ張れていないので、「もぎ取り」や軽業の口上などで映えない。
もう少しタタキをきちんとやって、
調子を上げられるようにした方が良いかも知れない。
「もぎ取り」は2つ。少し寂しい。
最低3つはやって欲しい。
会話での応答は(文太で聞き慣れているせいだが)少し無駄が多い感じ。
あと、上下が狂ったところがあったように思う。
軽業の部分は、丁寧にやっていた。
全体に、香具師の胡散臭さや商売慣れした感じが出ると楽しいと思う。
前座としては、そこまでやらなくても良いと思うが。
「たいこ腹」(歌之助):△
久し振りに見た。
マクラの喋り方やその際の体の動き・表情付けがセコ芸人のものになっていた。
勢朝みたい。
ネタはよくウケていたが、私の好みではないな。
まず、幇間がクサ過ぎる。
この人、顔の作り(口など)が大きくて良いのだが、
それが表情を大きく動かすし、
体の動きも大きいので、やけにクサく見える。
雀松と同じようにやっていると思うのだが、
幇間の動きとして違和感がある。
そのせいでもあると思うのだが、
色街で「遊び」でやっている感じが出なかった。
若旦那のベースの雰囲気は悪くないのだが、これも時に崩すところが気になる。
まあ、演っている内にこなれてくるとは思うが。
寄席の流れで言えば、よくウケており、
次につなげられる良いものであったと思う。
「阿弥陀池」(あさ吉):△-
この人も久し振りに見た。
喋りが不安定過ぎて、安心して笑っていられない。
若手のくせに変に作ってくるイヤらしい奴よりは好感が持てるが、
素人っぽいにも程がある。芸歴17年とは思えんな。
「たいこ腹」でできた笑う雰囲気を、
1軒目、2軒目で充分にウケず、
3軒目(ここは1軒目、2軒目の蓄積が必要)でほとんどウケないことで
台無しにしてしまった。
肺活量が小さい訳でもないと思うのだが、
息継ぎが入るのか、妙なところでぷつぷつ切れる。
そのあたりが不安を感じさせる一つの理由か。
科白は、まあ普通。
ところどころで抜けたギャグ(手が切れて腕ボロボロとか)、
意図的に抜いたギャグはあったようだ。
「遊山船」(雀三郎):△+
マクラは「暑い」という話。
何を言ってもウケる客が前にいて、私はちょっと冷めた。
ネタは喜六清八の絡みが安定しており、安心して聞けるのだが、
ちょっと乗り切れなかった感じ。
例の「袂に南京豆」にしても、
喜六の「でも入れない」と戻すところが少し覚め過ぎているように思った。
もう少し調子に乗って言う方が良いと思う。
ここに限らず、個々の応答ではウケているのだが、
あまり重なっていく感じではなく、
次第にウケが大きくなる、とまでは至らなかった。
全体に、ツッコミの科白が素に戻り過ぎているためか。
「牛ほめ」(出丸):△+
上手い下手で言うと別に上手い人ではないが、
楽しく聞ける。
最初に池田に行った時のスカタンで「木の鼻が出ている」なし。
今日の科白の流れだと、少し入れにくかったのかも知れない。
仕込時点の言い違いは少なめ。
「貧乏でぼろぼろ」とかなかった気がする。
「間をとって草履」とか、
手水鉢の場所を言うのに「ぐるっと回って」とか言っているあたり、
ともすれば説明的で鬱陶しく思うようなものだが
あまりそう感じなかった。
上手く登場人物の気に合わせられているのだろう。
最後は牛が尻尾を上げるが糞を垂れる場面はなく、
穴を見て「あそこにお札」となる流れ。
垂れたのを受けて「あの穴に」と言う方が自然だし、
別に排泄の下品さを気にすることもないと思うのだが。
「千両みかん」(千朝):△+
マクラは昔話。
私には分からんが、独特の雰囲気を作るもので悪くない。
ネタは、言うべき科白は言っているのだが、全体に薄い。
番頭の「死ぬ」恐怖、
みかん問屋を教えられた時の希望、
あった時の歓喜、
千両と聞き、相手の説明に納得した時の落胆、
といった感情があまり表現されていない。
番頭が振り回された挙句、最後の「ドロン」はごく自然だ、と
客を納得させる必要があると思うのだが、
そこまで番頭が振り回された感じがしない。
親旦那やみかん問屋の旦那などは悪くなく、
「商人道」の語りなど、それなりの雰囲気は出ていた。
それでもこの商人の経験や、
毎年千両を「暖簾に元入れした」と言い切れる腹の大きさは出せていないと思う。
千朝のニンではないのかも知れない。
値段から考えると良い会。
平日昼間で客足が悪いのは勿体ないな。
早めに着いたので、ほとんど行ったことのない新世界をうろうろ。
開場10分くらい前に動楽亭に着いたが、あまり並んでいなかった。
さすがに平日昼間だからなあ。
結局30人に満たない入り。
「軽業」(弥太郎):△
特にマクラを振らずに入る。
声がまだ張れていないので、「もぎ取り」や軽業の口上などで映えない。
もう少しタタキをきちんとやって、
調子を上げられるようにした方が良いかも知れない。
「もぎ取り」は2つ。少し寂しい。
最低3つはやって欲しい。
会話での応答は(文太で聞き慣れているせいだが)少し無駄が多い感じ。
あと、上下が狂ったところがあったように思う。
軽業の部分は、丁寧にやっていた。
全体に、香具師の胡散臭さや商売慣れした感じが出ると楽しいと思う。
前座としては、そこまでやらなくても良いと思うが。
「たいこ腹」(歌之助):△
久し振りに見た。
マクラの喋り方やその際の体の動き・表情付けがセコ芸人のものになっていた。
勢朝みたい。
ネタはよくウケていたが、私の好みではないな。
まず、幇間がクサ過ぎる。
この人、顔の作り(口など)が大きくて良いのだが、
それが表情を大きく動かすし、
体の動きも大きいので、やけにクサく見える。
雀松と同じようにやっていると思うのだが、
幇間の動きとして違和感がある。
そのせいでもあると思うのだが、
色街で「遊び」でやっている感じが出なかった。
若旦那のベースの雰囲気は悪くないのだが、これも時に崩すところが気になる。
まあ、演っている内にこなれてくるとは思うが。
寄席の流れで言えば、よくウケており、
次につなげられる良いものであったと思う。
「阿弥陀池」(あさ吉):△-
この人も久し振りに見た。
喋りが不安定過ぎて、安心して笑っていられない。
若手のくせに変に作ってくるイヤらしい奴よりは好感が持てるが、
素人っぽいにも程がある。芸歴17年とは思えんな。
「たいこ腹」でできた笑う雰囲気を、
1軒目、2軒目で充分にウケず、
3軒目(ここは1軒目、2軒目の蓄積が必要)でほとんどウケないことで
台無しにしてしまった。
肺活量が小さい訳でもないと思うのだが、
息継ぎが入るのか、妙なところでぷつぷつ切れる。
そのあたりが不安を感じさせる一つの理由か。
科白は、まあ普通。
ところどころで抜けたギャグ(手が切れて腕ボロボロとか)、
意図的に抜いたギャグはあったようだ。
「遊山船」(雀三郎):△+
マクラは「暑い」という話。
何を言ってもウケる客が前にいて、私はちょっと冷めた。
ネタは喜六清八の絡みが安定しており、安心して聞けるのだが、
ちょっと乗り切れなかった感じ。
例の「袂に南京豆」にしても、
喜六の「でも入れない」と戻すところが少し覚め過ぎているように思った。
もう少し調子に乗って言う方が良いと思う。
ここに限らず、個々の応答ではウケているのだが、
あまり重なっていく感じではなく、
次第にウケが大きくなる、とまでは至らなかった。
全体に、ツッコミの科白が素に戻り過ぎているためか。
「牛ほめ」(出丸):△+
上手い下手で言うと別に上手い人ではないが、
楽しく聞ける。
最初に池田に行った時のスカタンで「木の鼻が出ている」なし。
今日の科白の流れだと、少し入れにくかったのかも知れない。
仕込時点の言い違いは少なめ。
「貧乏でぼろぼろ」とかなかった気がする。
「間をとって草履」とか、
手水鉢の場所を言うのに「ぐるっと回って」とか言っているあたり、
ともすれば説明的で鬱陶しく思うようなものだが
あまりそう感じなかった。
上手く登場人物の気に合わせられているのだろう。
最後は牛が尻尾を上げるが糞を垂れる場面はなく、
穴を見て「あそこにお札」となる流れ。
垂れたのを受けて「あの穴に」と言う方が自然だし、
別に排泄の下品さを気にすることもないと思うのだが。
「千両みかん」(千朝):△+
マクラは昔話。
私には分からんが、独特の雰囲気を作るもので悪くない。
ネタは、言うべき科白は言っているのだが、全体に薄い。
番頭の「死ぬ」恐怖、
みかん問屋を教えられた時の希望、
あった時の歓喜、
千両と聞き、相手の説明に納得した時の落胆、
といった感情があまり表現されていない。
番頭が振り回された挙句、最後の「ドロン」はごく自然だ、と
客を納得させる必要があると思うのだが、
そこまで番頭が振り回された感じがしない。
親旦那やみかん問屋の旦那などは悪くなく、
「商人道」の語りなど、それなりの雰囲気は出ていた。
それでもこの商人の経験や、
毎年千両を「暖簾に元入れした」と言い切れる腹の大きさは出せていないと思う。
千朝のニンではないのかも知れない。
値段から考えると良い会。
平日昼間で客足が悪いのは勿体ないな。