昨日は仕事後、例月の如く「らくご道」へ。
結局昨年7月に行き始めてから、丁度1年間皆勤した勘定になる。
落語もいろいろ工夫してくるので面白いのだが、
前説や対談が興味深くて通っている感じ。
前説(こごろう)
襲名の話と、
「こごろう」「南天」をめぐる話。
破壊的なウケをとる、という訳ではないが、
ちょっと捻った、良い話を聞かせてくれる。
この人の人間性が出て楽しい。
「提灯屋」(生喬)+地唄舞「こうもり」:○-
宝塚の話を軽く振り、
スケッチブックを取り出して「紋」についてのマクラ。
いろいろ薀蓄や裏話があって面白い。
これだけで一席もの。
あまり上方にはないネタなのだが、
後の対談で聞くと五郎らしい。
まあ、特に江戸と大きく違う訳でもない。
チラシを受け取ってそれが読めずに若い連中がうだうだ、というのは
江戸と共通なんだが、
個人的には別になくても良いのでは、と感じる。
紋の「なぞなぞ」的な部分に重点のある、
ちょっと小味なネタ、という程度で済ませれば良いと思う。
紋は「葵の紋」と「三枡」。
割と分かりやすい紋を使っていて良い。
サゲは「すっぽんにニワトリ」で、これは江戸と同じかな。
提灯屋が繰り返し引っ掛けられて損をし、
もう嫌になっている、という流れを見せる意味でも、
若い連中で3つやった方が良いと思う。
1席終わった後で「上方落語協会で地唄舞を習っている」話をして
「こうもり」を舞う。
確かに上方亭は毛氈も敷いていないし、
あまり高座も高くないので、
ちょっと踊って見せるには良い会場だな。
舞としては動きが大きい方だと思う。
「青菜」(こごろう):△+
マクラで生喬の奥さんが遊方の落語会を見に行っている話をする。
「自分の亭主がうどん屋なのに他のうどんを食べに行く」という形容
(この場で思いついた様子)が可笑しい。
ネタは、陽気で悪くないのだが、
全体にどこに主眼があるのか、よく分からない感じ。
結果、少しダラダラするように思った。
今年のやり初めに近いのか、細かいトチリもあったし。
最初に涼しげな雰囲気を地で説明する。
個人的にはあまり好きにはなれない。
このあたり、別に無理に言葉で表現する必要はないのかな、と思う。
植木屋さんが間違って切ってしまう表情付けを見せて
ウケをとっていた。
ところどころ、よく聞くギャグを抜いていたりした。
「小さい蘇鉄」とか。
枝雀は元々入れていないかな。
山葵を食べるところが少し唐突。
どんな心算で食べたのかがよく分からない。
「大名酒」「大名魚」「大名菜」で繰り返すところが
イマイチ伝わっていなかった様子。
ウケを取るには到っていなかった。
「鞍馬から牛若丸が出でまして」を聞いた植木屋さんに対して
「今の聞かれたんかいな」は違和感があるな。
そんな小声で言っている設定ではないし。
「聞こえたけど、そういう意味ではない」スタンスで話す方が自然だと思う。
帰宅しておかみさんとの絡み。
確かに暑苦しく激しいおかみさんなんだが、
どこか弾け切れていない感じがする。
「手付いているのは今だけか」みたいな科白は自然だし、
ウケてもいるのだが、
何か骨格がしっかりしていないと感じてしまった。
松ちゃんとの会話はまあまあ。
「青菜嫌い」できちんとウケていたので良かった。
「腐りかかったおから」にも上手くつなげていたと思う。
おかみさんが「九郎判官義経、義経」と2回言うのは、
元々植木屋さんがお店で聞いているのも2回だから、自然だろう。
「弁慶」の前の表情付けなどは、悪くなかったと思う。
対談「夕焼け日記」(生喬・こごろう)
襲名の話、
数日前の朝日新聞の京須の話
(たぶん「こんな噺家はもう出ませんな」に関する記事なのだろう)、
「芝居っぽい落語」について。
朝日の記事は見ていないし、
京須の本は買ってまだ読まずに積んであるのだが、
「上方落語」と「名人」について書かれた部分はちらっと見て、
私も違和感を持った覚えがある。
新聞で話す時はさらに要約しているだろうから、
上方落語を好むものには余計に頭にくる内容になっていたのだろう。
# 検索すると、九雀師の意見もありました。
Twitter - @katsurakujaku 今朝の朝日新聞に京須偕充さんのインタビューが載っています。
結局ネタの話はほとんどしなかったが、
これはこれで面白かった。
結局昨年7月に行き始めてから、丁度1年間皆勤した勘定になる。
落語もいろいろ工夫してくるので面白いのだが、
前説や対談が興味深くて通っている感じ。
前説(こごろう)
襲名の話と、
「こごろう」「南天」をめぐる話。
破壊的なウケをとる、という訳ではないが、
ちょっと捻った、良い話を聞かせてくれる。
この人の人間性が出て楽しい。
「提灯屋」(生喬)+地唄舞「こうもり」:○-
宝塚の話を軽く振り、
スケッチブックを取り出して「紋」についてのマクラ。
いろいろ薀蓄や裏話があって面白い。
これだけで一席もの。
あまり上方にはないネタなのだが、
後の対談で聞くと五郎らしい。
まあ、特に江戸と大きく違う訳でもない。
チラシを受け取ってそれが読めずに若い連中がうだうだ、というのは
江戸と共通なんだが、
個人的には別になくても良いのでは、と感じる。
紋の「なぞなぞ」的な部分に重点のある、
ちょっと小味なネタ、という程度で済ませれば良いと思う。
紋は「葵の紋」と「三枡」。
割と分かりやすい紋を使っていて良い。
サゲは「すっぽんにニワトリ」で、これは江戸と同じかな。
提灯屋が繰り返し引っ掛けられて損をし、
もう嫌になっている、という流れを見せる意味でも、
若い連中で3つやった方が良いと思う。
1席終わった後で「上方落語協会で地唄舞を習っている」話をして
「こうもり」を舞う。
確かに上方亭は毛氈も敷いていないし、
あまり高座も高くないので、
ちょっと踊って見せるには良い会場だな。
舞としては動きが大きい方だと思う。
「青菜」(こごろう):△+
マクラで生喬の奥さんが遊方の落語会を見に行っている話をする。
「自分の亭主がうどん屋なのに他のうどんを食べに行く」という形容
(この場で思いついた様子)が可笑しい。
ネタは、陽気で悪くないのだが、
全体にどこに主眼があるのか、よく分からない感じ。
結果、少しダラダラするように思った。
今年のやり初めに近いのか、細かいトチリもあったし。
最初に涼しげな雰囲気を地で説明する。
個人的にはあまり好きにはなれない。
このあたり、別に無理に言葉で表現する必要はないのかな、と思う。
植木屋さんが間違って切ってしまう表情付けを見せて
ウケをとっていた。
ところどころ、よく聞くギャグを抜いていたりした。
「小さい蘇鉄」とか。
枝雀は元々入れていないかな。
山葵を食べるところが少し唐突。
どんな心算で食べたのかがよく分からない。
「大名酒」「大名魚」「大名菜」で繰り返すところが
イマイチ伝わっていなかった様子。
ウケを取るには到っていなかった。
「鞍馬から牛若丸が出でまして」を聞いた植木屋さんに対して
「今の聞かれたんかいな」は違和感があるな。
そんな小声で言っている設定ではないし。
「聞こえたけど、そういう意味ではない」スタンスで話す方が自然だと思う。
帰宅しておかみさんとの絡み。
確かに暑苦しく激しいおかみさんなんだが、
どこか弾け切れていない感じがする。
「手付いているのは今だけか」みたいな科白は自然だし、
ウケてもいるのだが、
何か骨格がしっかりしていないと感じてしまった。
松ちゃんとの会話はまあまあ。
「青菜嫌い」できちんとウケていたので良かった。
「腐りかかったおから」にも上手くつなげていたと思う。
おかみさんが「九郎判官義経、義経」と2回言うのは、
元々植木屋さんがお店で聞いているのも2回だから、自然だろう。
「弁慶」の前の表情付けなどは、悪くなかったと思う。
対談「夕焼け日記」(生喬・こごろう)
襲名の話、
数日前の朝日新聞の京須の話
(たぶん「こんな噺家はもう出ませんな」に関する記事なのだろう)、
「芝居っぽい落語」について。
朝日の記事は見ていないし、
京須の本は買ってまだ読まずに積んであるのだが、
「上方落語」と「名人」について書かれた部分はちらっと見て、
私も違和感を持った覚えがある。
新聞で話す時はさらに要約しているだろうから、
上方落語を好むものには余計に頭にくる内容になっていたのだろう。
# 検索すると、九雀師の意見もありました。
Twitter - @katsurakujaku 今朝の朝日新聞に京須偕充さんのインタビューが載っています。
結局ネタの話はほとんどしなかったが、
これはこれで面白かった。