26日まで、と考えると、意外に空いている日が少ないことに気付き、
昨日は松竹座に行ってきた。
12時頃に幕見席のチケットを入手。
歌舞伎座でよく幕見で見ていた身としては、
「2500円」という幕見料金はちと高い。
席は確かに悪くないのだけど、
若干、人気を良いことに暴利を貪っている感、なきにしもあらず。
本を読んだり、道頓堀をうろうろしたりして時間をつぶす。
夜の部1幕目「すし屋」。
愛之助のいがみの権太、染五郎の維盛、壱太郎のお里、
歌六吉弥の弥左衛門夫婦、といった顔ぶれ。
獅童が景時で付き合う。
愛之助の権太は流石。
上方風の演出かな。
母親に泣きつくところ、モドリの述懐など、
若干クサいかな、と感じるところはあったが、
まあ、分かりやすく作っていた。
若葉の内侍と六代の君(実は妻子)を引き連れてくるところ、
顔を上げさせるところ、引き立てられて見送るところ、
感情が籠っていて良かったと思う。
これまたクサいと言えば、クサいとも言えるが。
染五郎の弥助実は維盛は、まあ、普通。
弥左衛門に上に据えられて平家の御曹司に戻る際の
空気が変わり方が良い。
全体に行儀良く、特に突っ込まずに演っていて良かった。
歌六って今まであまり良い印象がなかったのだが、
弥左衛門は良かった。
帰ってきて首を鮨桶に詰めるまでの糸への乗り方など、
決して上手いとは思わないが、
武骨な年寄りの雰囲気はよく出ていた。
ただ、どのように重盛に恩があるのか、とふと疑問を持った。
きっちりしたところが強く、
ただの村人ではなく、以前は侍だったのかな、と感じてしまった。
若干「源平の争いとは何の関係もない市井の民が巻き込まれる悲劇」の要素が
弱まってしまった感じがする。
壱太郎は意識して見たのは初めてだが、
女形としての基本はまだ叩き込まれていないのかなあ。
クドキを初めとして、派手な動きや声音はそれっぽく作れているが、
ちょっとした手拭の扱い方や足捌きなどが女性的でない。
獅童の景時はどうってことはない。
顔を見せる程度の役。
ストーリーとして、「すし屋」はよく出来ていると感じる。
個人的には、「椎の木」から出すとさらによく分かると思うが。
弥左衛門が持ってきた偽首は
若葉の内侍を護って討たれた小金吾の首だったりする訳で。
もしかすると、権太が吹く一文笛も
「椎の木」で何か出てくる道具だったかも知れない。
また、景時が「頼朝の陣羽織」を渡すところから、
晋の豫譲の故事に因んでそれを切ろうとすると、
中から出家の用意が出てくるあたり、
よく出来た話だな、と思う。
値段は兎も角、まあ満足した。
昨日は松竹座に行ってきた。
12時頃に幕見席のチケットを入手。
歌舞伎座でよく幕見で見ていた身としては、
「2500円」という幕見料金はちと高い。
席は確かに悪くないのだけど、
若干、人気を良いことに暴利を貪っている感、なきにしもあらず。
本を読んだり、道頓堀をうろうろしたりして時間をつぶす。
夜の部1幕目「すし屋」。
愛之助のいがみの権太、染五郎の維盛、壱太郎のお里、
歌六吉弥の弥左衛門夫婦、といった顔ぶれ。
獅童が景時で付き合う。
愛之助の権太は流石。
上方風の演出かな。
母親に泣きつくところ、モドリの述懐など、
若干クサいかな、と感じるところはあったが、
まあ、分かりやすく作っていた。
若葉の内侍と六代の君(実は妻子)を引き連れてくるところ、
顔を上げさせるところ、引き立てられて見送るところ、
感情が籠っていて良かったと思う。
これまたクサいと言えば、クサいとも言えるが。
染五郎の弥助実は維盛は、まあ、普通。
弥左衛門に上に据えられて平家の御曹司に戻る際の
空気が変わり方が良い。
全体に行儀良く、特に突っ込まずに演っていて良かった。
歌六って今まであまり良い印象がなかったのだが、
弥左衛門は良かった。
帰ってきて首を鮨桶に詰めるまでの糸への乗り方など、
決して上手いとは思わないが、
武骨な年寄りの雰囲気はよく出ていた。
ただ、どのように重盛に恩があるのか、とふと疑問を持った。
きっちりしたところが強く、
ただの村人ではなく、以前は侍だったのかな、と感じてしまった。
若干「源平の争いとは何の関係もない市井の民が巻き込まれる悲劇」の要素が
弱まってしまった感じがする。
壱太郎は意識して見たのは初めてだが、
女形としての基本はまだ叩き込まれていないのかなあ。
クドキを初めとして、派手な動きや声音はそれっぽく作れているが、
ちょっとした手拭の扱い方や足捌きなどが女性的でない。
獅童の景時はどうってことはない。
顔を見せる程度の役。
ストーリーとして、「すし屋」はよく出来ていると感じる。
個人的には、「椎の木」から出すとさらによく分かると思うが。
弥左衛門が持ってきた偽首は
若葉の内侍を護って討たれた小金吾の首だったりする訳で。
もしかすると、権太が吹く一文笛も
「椎の木」で何か出てくる道具だったかも知れない。
また、景時が「頼朝の陣羽織」を渡すところから、
晋の豫譲の故事に因んでそれを切ろうとすると、
中から出家の用意が出てくるあたり、
よく出来た話だな、と思う。
値段は兎も角、まあ満足した。