先週金・土の午前・午後、
老人ホームさんにお願いして計6席、落語をやらせて頂いた。
大学卒業後、このような形で回るのは3回目だが、
夏に回るのは初めて。
暑がりで夏はあまり得意ではないのだが、
久し振りの浴衣で、これはこれで悪くなかった。
今回もネタ下ろししようかと思っていたのだが、
候補として考えていた「千早ふる」「寿限無」がどちらも今一つまとまらなかったので、
学生時代に演ったきりだった(それも、あまり丁寧に考えて作っていない)
「あくびの稽古」の手直しをメインにすることにした。
今回は、ある程度手近だがあまり行く機会のなかった奈良へ。
駅から近いところ、で探した結果、
奈良市内、京都の木津川市、
飛鳥、下市口と1軒ずつ。
どのホームさんも、今まで落語の訪問口演はあまりなかった様子。
初日は午前「十徳」と「浄瑠璃息子」、午後「あくびの稽古」。
楽日は午前「植木屋娘」と「浄瑠璃息子」、午後「あくびの稽古」。
都合、「十徳」と「植木屋娘」が1回ずつ、
「浄瑠璃息子」と「あくびの稽古」が2回ずつ、になった。
「十徳」は学生時代に最初に演ったネタで、
今でも前座では掛けてしまうことが多い。
今回は「これはしたり」で反応があったのが良かった。
ただ、その後「これはむたいな」「これはやあな」で反応が来なかったのは良くない。
ここは徐々にウケが大きくなるようにしたい。
程度問題だが、よっさんに「にたり」などをもう少しはっきり言わせるかな。
「植木屋娘」はまあまあ、というところ。
上下を振る時に、ごく僅かに私自身の意識に戻る瞬間が
出来てしまうことがあったように思う。
覗く場面、かみさんがお光の相手を聞き出すところは丁寧に描写できたかな。
「浄瑠璃息子」は好きなネタなんだが、
初日に演った時に「槍入れる」の仕込が飛んだ
(父親の独り喋りに「受けた、言うて喜んでんねやがな」を入れたからか、
そこから即「家入れることはなりませんぞ」に自然に流れてしまった)
ので、楽日にもう一度演っておいた。
「受けた、言うて喜んでんねやがな」を抜いた方が無意識では喋りやすい。
あと、最後の「木遣り」は若干軽めに、リズム良く運ぶことを心がけてみた。
これはこれで良いな。
「あくびの稽古」は今回のテーマだったのだが、
けっこう苦労していた。
南光ラインのが面白いのは分かっているのだが、
「おかまの真似をする」など、あまり入れたくない設定もあり、
江戸のものや圓都・文我などを聞いたり、
どのような気持ちで「あくびを習いに行くのか」を想定したりしていた。
結局このあたりは「女にもてたい」気持ちを入れる訳でもなく、
何となく「暇だから、変わった稽古に行ってみる」程度の作りでいくことにした。
また、「おかまの真似をする」ではなく、
単純に「1杯奢るから」付いていく、という形にしてみた。
1回目でやってみて、
最後の「あの2人アホやろ」の転換が伝わっていない感じを受けた。
技術的にダメな部分が大きいが、
上下がイマイチだったこと、
アホのあくびに対して先生が「お連れの方」に言及するのを外して
最後の転換の落差を大きくしようとしていたのが
お客さんが本当に忘れることにつながってしまったこと、も原因と考えた。
そのあたり、2回目には上下を見直したり、
途中で「お連れの方」への言及のある形に戻したり、
といった手を入れた。
それで伝わりやすくなったように思う。
他にも2回目では、「将棋のあくび、ハッ!」を強めたり、
キセルに見立てた扇子を吸う様子を濃く描いたりすることで、
ちょっと反応が出たように思う。
ただ、ネタ全体の雰囲気でのんびり笑ってもらう、という方向には
なかなかいかないなあ。
付いていく時の「1杯奢る」と、上がる時に「奢る」内容に差を付けるべきだろう。
このあたり、今後も引き続きいろいろ試してみたい。
全体としては天気に恵まれ、
楽しめた2日間でした。
老人ホームさんにお願いして計6席、落語をやらせて頂いた。
大学卒業後、このような形で回るのは3回目だが、
夏に回るのは初めて。
暑がりで夏はあまり得意ではないのだが、
久し振りの浴衣で、これはこれで悪くなかった。
今回もネタ下ろししようかと思っていたのだが、
候補として考えていた「千早ふる」「寿限無」がどちらも今一つまとまらなかったので、
学生時代に演ったきりだった(それも、あまり丁寧に考えて作っていない)
「あくびの稽古」の手直しをメインにすることにした。
今回は、ある程度手近だがあまり行く機会のなかった奈良へ。
駅から近いところ、で探した結果、
奈良市内、京都の木津川市、
飛鳥、下市口と1軒ずつ。
どのホームさんも、今まで落語の訪問口演はあまりなかった様子。
初日は午前「十徳」と「浄瑠璃息子」、午後「あくびの稽古」。
楽日は午前「植木屋娘」と「浄瑠璃息子」、午後「あくびの稽古」。
都合、「十徳」と「植木屋娘」が1回ずつ、
「浄瑠璃息子」と「あくびの稽古」が2回ずつ、になった。
「十徳」は学生時代に最初に演ったネタで、
今でも前座では掛けてしまうことが多い。
今回は「これはしたり」で反応があったのが良かった。
ただ、その後「これはむたいな」「これはやあな」で反応が来なかったのは良くない。
ここは徐々にウケが大きくなるようにしたい。
程度問題だが、よっさんに「にたり」などをもう少しはっきり言わせるかな。
「植木屋娘」はまあまあ、というところ。
上下を振る時に、ごく僅かに私自身の意識に戻る瞬間が
出来てしまうことがあったように思う。
覗く場面、かみさんがお光の相手を聞き出すところは丁寧に描写できたかな。
「浄瑠璃息子」は好きなネタなんだが、
初日に演った時に「槍入れる」の仕込が飛んだ
(父親の独り喋りに「受けた、言うて喜んでんねやがな」を入れたからか、
そこから即「家入れることはなりませんぞ」に自然に流れてしまった)
ので、楽日にもう一度演っておいた。
「受けた、言うて喜んでんねやがな」を抜いた方が無意識では喋りやすい。
あと、最後の「木遣り」は若干軽めに、リズム良く運ぶことを心がけてみた。
これはこれで良いな。
「あくびの稽古」は今回のテーマだったのだが、
けっこう苦労していた。
南光ラインのが面白いのは分かっているのだが、
「おかまの真似をする」など、あまり入れたくない設定もあり、
江戸のものや圓都・文我などを聞いたり、
どのような気持ちで「あくびを習いに行くのか」を想定したりしていた。
結局このあたりは「女にもてたい」気持ちを入れる訳でもなく、
何となく「暇だから、変わった稽古に行ってみる」程度の作りでいくことにした。
また、「おかまの真似をする」ではなく、
単純に「1杯奢るから」付いていく、という形にしてみた。
1回目でやってみて、
最後の「あの2人アホやろ」の転換が伝わっていない感じを受けた。
技術的にダメな部分が大きいが、
上下がイマイチだったこと、
アホのあくびに対して先生が「お連れの方」に言及するのを外して
最後の転換の落差を大きくしようとしていたのが
お客さんが本当に忘れることにつながってしまったこと、も原因と考えた。
そのあたり、2回目には上下を見直したり、
途中で「お連れの方」への言及のある形に戻したり、
といった手を入れた。
それで伝わりやすくなったように思う。
他にも2回目では、「将棋のあくび、ハッ!」を強めたり、
キセルに見立てた扇子を吸う様子を濃く描いたりすることで、
ちょっと反応が出たように思う。
ただ、ネタ全体の雰囲気でのんびり笑ってもらう、という方向には
なかなかいかないなあ。
付いていく時の「1杯奢る」と、上がる時に「奢る」内容に差を付けるべきだろう。
このあたり、今後も引き続きいろいろ試してみたい。
全体としては天気に恵まれ、
楽しめた2日間でした。