
昨日は社労士連合会の「事務指定講習」で夕方まで弁天町にいたので、
帰り道、桜橋はサンケイブリーゼの「米寿記念 桂米朝展」へ寄ってみた。
ブリーゼに行くのは初めて。
サンケイホールも大き過ぎて好きなホールではなかったので、
1,2回しか行ったことがない。
桜橋ボウルの上に作り直したのか、と思っていたら移転しているんだな。
さらに西に向かって歩いていくと、小洒落た建物があった。
目当ては展示と、
諸々で取り上げられている「米朝アンドロイド」。
どちらも無料だが、
米朝アンドロイドは整理券を配布しており、
20分に1回「ご開帳」がある、という感じ。
17時過ぎに行ったが、あまり混んでいる、という程でもない。
整理券だけ受け取っておいて、先に展示へ。
「病床日記」が見つかった、という話を聞いており、これが今回の目玉かな。
見せている部分では、特に演芸に関する記載はなかったように思う。
また出版されるのが楽しみ。
暖簾やレコード、賞状といったものは、尼崎の展示物とあまり変わらない。
弟子からのお祝いコメントを流しており、これは今回撮ったものだと思うが、
特に興味もないので、あまり丁寧に見なかった。
個人的に興味深かったのは、
一つは米朝が師米團治に指摘されたことを付けていたメモ。
2つの「ケチの小咄」(おそらく、「始末の極意」のマクラに振ったのだろう)について
同じ人物設定にしてはいけない、その違いを意識せよ、といったことが記されていた。
もう一つは、各ネタ毎の1枚物で、
そのネタを誰から習ったか、演出をどうするか、といったことが記されたもの。
なるほどなあ、と思いつつ、
これを公開しているということは、もう米朝が人前でネタをすることはないのだろうな、
と改めて思いつつ。
30分程度で、ざっと見たいものは見られた。
その後いよいよ「米朝アンドロイド」へ。
小ホールの一部が区切られており、その中でしばらく待つ。
出囃子が流れ、幕が開くと米朝アンドロイドが既に座っている。
もう少し人間らしいかと思っていたが、そこまでではなかった。
顔付きはかなりよく似ているし、表情も細かく動いている。
ただ、目の動きは不自然だと思った。
人は左に振ると目も真ん中より少し左にいくし、右に振ると右にいくのだろうが、
常に真ん中に固定されている感じ。
あと、指が固定されている。仕方がないと言えば仕方がないのかな。
動きで言えば、人間は緩急をつけて動いているものなのだ、と気付いた。
動き始めはゆっくりだが、中間部分では速く、
最後はまたゆっくりになる、といった緩急がつく。
それに対して、アンドロイドは同じペースで動いていた。
そのあたり、まだ限界があるのだろう。
ただ、動きがなければ、表情といい、
確かに人間と間違えられてもおかしくないレベルだと思う。
ネタは「看板の一」で壺皿を振る動きなどが出てくるが、
やはりこの緩急のなさなど、
人間には無意識に出来ていることがまだ出来ていない、と感じた。
見世物としては面白かった。