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柳家小三治師死去

2021年10月17日 07時51分25秒 | 落語・講談・お笑い
柳家小三治さんが死去 人間国宝、江戸の古典落語継承する本格派:朝日新聞デジタル

柳家小三治師が亡くなった。81歳。
数日前まで高座を務め、その後の高座も予定されていたと云うから
現役のままの突然の死、と言えるだろう。

以下、つれづれに。

「小三治」は「小さん次」である。初代小三治が3代目(柳家としては初代になる)小さんを襲名している。
周囲は「小さん」の名を継いで欲しい、と思っていたものと思われるが、
こういった予定調和を嫌がり、面倒くさいと言ってしまうであろうこの人らしく、
襲名を避け続けた挙句、
師匠の不出来な息子に名跡を押し付けることに成功した、と思っている。
# 「芸のない実子による襲名」なんて、小三治の嫌がりそうなことなんだけど、
 自分が小さんにならないためにOKした、というところなのかな。

初めて見たのは「赤旗まつり」かなあ。
私自身が基本的に上方の人間なので、生で見たのは2,3回程度だと思う。

私が落語を聞き出した当時、
小三治師の落語は「きっちりしている」「ネタの良さをきちんと伝える」という印象だった。
変にアドリブをぐちゃぐちゃ入れる圓蔵のような人より、こういう高座の方が好きだったので、
特に追いかけた訳ではないが、好感を持って聞いていた。
そのあたり、骨格がしっかりしているので、
徐々に「落語に遊ぶ」境地に至ったのでは、と思う。

説明過多にせず想像に委ねる範囲が広いところも、好みであった。

高座はある種「古風」だが、実際には多趣味で当時の噺家の常識から離れていた人、というあたりのギャップが面白い。
そのあたりの結節点として、独特の「まくら」に繋がってきたのだと思う。

「落語家論」という本がある。
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元は、「民族芸能」等に掲載されたコラム。
けっこう、「落語」「噺家」についての伝統的な「マナー」を語りつつ、
自分の趣味嗜好の話もあり、
小三治師の人となりがダイレクトに見えて面白い。

そういや、私が最後に映画館でちゃんと見た映画って、
東中野で見た「小三治」かも知れない。10年以上前か。

晩年はほとんど聞いていないのでそれ以前になるが、
テープや放送などで印象に残っているネタを振り返ってみる。
 小言念仏
 あくび指南
 ちはやふる
 馬の田楽
 品川心中
 うなぎの幇間
 青菜
 やかんなめ
 二番煎じ
 禁酒番屋
 茶の湯
 かんしゃく
 初天神
そんなところかなあ。

合掌。

# これ、改めて気になっている。
 1枚2000円を切る、と考えると高くはないのだが…。


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