先月末は「雀のおやど」へ。
いつものペースで開場30分前に行ったのだがガラガラ。
この日、ほかの場所でもけっこう落語会があるためだろう。
開場時間で、どうにか「つ離れ」。
結局30人程度の入り。
「強情灸」(小鯛):△+
「色々な人がいる」というマクラからネタへ。
出てくる若い2人の「女がいる」に対する反応が良い。
「女にもてたい」思いで恰好付けるところ。
特にそんな要素もなく「単に強情」もベースにあると思うが、
さらに女性の存在で加速する感じ。
熱がるところはまあまあ。
「どうやって見せるか」「言葉を聞かせるか」は考えられていたと思うし
面白かったが、
個人的には最初に皮がやける、次第に熱さが広がる、深くなる、といった
流れが演る上で確固としたベースになっている方が
見る側にとっても熱さが伝わり、その中でウケが取れるかな、と思う。
最終的に払いのけて涼しくなる部分は、イマイチ分かりづらかった。
全体には若い2人の活き活きした感じが良かった。
「牛の丸薬」(雀三郎):△+
子どもの頃の話をマクラに振ってネタへ。
「干鰯」「炬燵」「牛」「サギ」といったネタの要素について
全て何となく触れているところが凄い。
ネタは、まあ難しいネタ、というか、
特に面白く出来るネタではないな。
# 野辺ののどかさや騙しにかかる男の様子など、
文紅の印象が強い。
大和炬燵で丸薬を作るあたりはあまり映えなかった。
野辺でうだうだ言う場面はアホの存在感はあったが
もう少し春ののどかな陽が見える方が良いと思う。
その方が後の農村の穏やかな雰囲気につながるだろうな。
茶店、地主のあたりはまあまあ。
実際には持ってこない「干鰯を買ってもらう」ところから
「仕方なく」薬を売る、という流れが面白い。
今でも出来そうな詐欺。
「もう1円やる」でアホが喜ぶのは、まあ、別に悪くない。
ただこのネタ、登場人物を濃く描いたり克明に騙す場面をやるよりも、
春の穏やかな陽の下で近隣の農村に出かけて、
「詐欺」というより「ちょっとしたピクニック」気分でついでに金が儲かった、
くらいの雰囲気の方が温和に聞けて良いような気がする。
それでも良くなるか、と言うと、難しいネタだな。
「竹の水仙」(梅団治):○
「仕事をしていない」という話や鉄道写真の話。
だらしなく喋っているあたりがこの人らしく、
よくハマってウケていた。
特に甚五郎の浮世離れした、芸術家らしいところが出ていて良い。
宿屋の亭主の言葉を受けた時に、感情を強く出さないところが
描写のポイントなのかな。
おかみさん、宿屋の亭主などはまあまあ。
特にクサくせずに「(裏の竹薮で)わいをバラバラにする」で
ウケを取れるのは良い。
行列三重を入れて大名行列を通す。
確かに入れる必要はないが、入れても別に構わないと思う。
朝の雰囲気が弱くなるのは確かだが。
大槻玄蕃が入り、宿屋の亭主が甚五郎に値を聞いて戻る。
「ふんどしみたいに言うねやないがな」まで入れても良いと思う。
玄蕃が越中守に話して宿屋に引き返す。
「売り切れ」の札を入れてウケていた。
幸枝若はやっているが落語では(恐らく)あまり入れていないギャグで、
上手く消化していたかな。
ただ、「100両余分に持っていたのか?」という疑問を感じなくもない。
亭主が嫁さんの所へ行ってサゲになる。
「あのお方をどなたと心得る」「黄門様みたいに言うんやない」は、
個人的には少し野暮かな、と思う。
左甚五郎ものそのものが黄門漫遊記みたいなものなので、
この科白を入れるのはそのネタばらしのように感じる。
「刻んでくれた」は、まあまあ。
特に良いサゲとは思わないが、まあ、別に悪くないサゲか。
「悋気の独楽」(雀三郎):○
マクラは女性の話をして「お妾さんと本妻で髪の毛を抜き合う」話。
雀三郎が「髪の毛」の話をすると、話の内容以前でウケが来てしまうことがあって
逆に不利だな。
旦那が遅いことをおかみさんが心配している、
或いは店に出てしまうベースとなる本気度合いがベースにあるので、
クサ目に描かれているお竹も空滑りしない感じ。
歌ったりして濃くやっているが、きちんとウケていた。
丁稚や店の人は、まあ普通。
お妾さんの家で定吉が独楽を廻そうとするが、
別に要らないかなあ。
或いは「もう帰らない」ことを認識して独楽を廻しているような科白回しだったので、
不確定だと定吉が思うような科白にした方が良いかな。
独楽は1回中立に回し、2回目は贔屓目に回し、
3回目はお妾さんの独楽は床の間の上で回す、という設定。
定吉の独楽を回しながら楽しんでいる様子が良い。
最後は御寮人さんの独楽に弾かれて旦那の独楽がお妾さんの独楽にぶち当たる、というサゲ。
皮肉が効いていると言えば効いているが、
少し考え過ぎている感じもなくはない。
「お妾さんの独楽より前に、御寮人さんのに触っている」と言えなくもないし。
いつものペースで開場30分前に行ったのだがガラガラ。
この日、ほかの場所でもけっこう落語会があるためだろう。
開場時間で、どうにか「つ離れ」。
結局30人程度の入り。
「強情灸」(小鯛):△+
「色々な人がいる」というマクラからネタへ。
出てくる若い2人の「女がいる」に対する反応が良い。
「女にもてたい」思いで恰好付けるところ。
特にそんな要素もなく「単に強情」もベースにあると思うが、
さらに女性の存在で加速する感じ。
熱がるところはまあまあ。
「どうやって見せるか」「言葉を聞かせるか」は考えられていたと思うし
面白かったが、
個人的には最初に皮がやける、次第に熱さが広がる、深くなる、といった
流れが演る上で確固としたベースになっている方が
見る側にとっても熱さが伝わり、その中でウケが取れるかな、と思う。
最終的に払いのけて涼しくなる部分は、イマイチ分かりづらかった。
全体には若い2人の活き活きした感じが良かった。
「牛の丸薬」(雀三郎):△+
子どもの頃の話をマクラに振ってネタへ。
「干鰯」「炬燵」「牛」「サギ」といったネタの要素について
全て何となく触れているところが凄い。
ネタは、まあ難しいネタ、というか、
特に面白く出来るネタではないな。
# 野辺ののどかさや騙しにかかる男の様子など、
文紅の印象が強い。
大和炬燵で丸薬を作るあたりはあまり映えなかった。
野辺でうだうだ言う場面はアホの存在感はあったが
もう少し春ののどかな陽が見える方が良いと思う。
その方が後の農村の穏やかな雰囲気につながるだろうな。
茶店、地主のあたりはまあまあ。
実際には持ってこない「干鰯を買ってもらう」ところから
「仕方なく」薬を売る、という流れが面白い。
今でも出来そうな詐欺。
「もう1円やる」でアホが喜ぶのは、まあ、別に悪くない。
ただこのネタ、登場人物を濃く描いたり克明に騙す場面をやるよりも、
春の穏やかな陽の下で近隣の農村に出かけて、
「詐欺」というより「ちょっとしたピクニック」気分でついでに金が儲かった、
くらいの雰囲気の方が温和に聞けて良いような気がする。
それでも良くなるか、と言うと、難しいネタだな。
「竹の水仙」(梅団治):○
「仕事をしていない」という話や鉄道写真の話。
だらしなく喋っているあたりがこの人らしく、
よくハマってウケていた。
特に甚五郎の浮世離れした、芸術家らしいところが出ていて良い。
宿屋の亭主の言葉を受けた時に、感情を強く出さないところが
描写のポイントなのかな。
おかみさん、宿屋の亭主などはまあまあ。
特にクサくせずに「(裏の竹薮で)わいをバラバラにする」で
ウケを取れるのは良い。
行列三重を入れて大名行列を通す。
確かに入れる必要はないが、入れても別に構わないと思う。
朝の雰囲気が弱くなるのは確かだが。
大槻玄蕃が入り、宿屋の亭主が甚五郎に値を聞いて戻る。
「ふんどしみたいに言うねやないがな」まで入れても良いと思う。
玄蕃が越中守に話して宿屋に引き返す。
「売り切れ」の札を入れてウケていた。
幸枝若はやっているが落語では(恐らく)あまり入れていないギャグで、
上手く消化していたかな。
ただ、「100両余分に持っていたのか?」という疑問を感じなくもない。
亭主が嫁さんの所へ行ってサゲになる。
「あのお方をどなたと心得る」「黄門様みたいに言うんやない」は、
個人的には少し野暮かな、と思う。
左甚五郎ものそのものが黄門漫遊記みたいなものなので、
この科白を入れるのはそのネタばらしのように感じる。
「刻んでくれた」は、まあまあ。
特に良いサゲとは思わないが、まあ、別に悪くないサゲか。
「悋気の独楽」(雀三郎):○
マクラは女性の話をして「お妾さんと本妻で髪の毛を抜き合う」話。
雀三郎が「髪の毛」の話をすると、話の内容以前でウケが来てしまうことがあって
逆に不利だな。
旦那が遅いことをおかみさんが心配している、
或いは店に出てしまうベースとなる本気度合いがベースにあるので、
クサ目に描かれているお竹も空滑りしない感じ。
歌ったりして濃くやっているが、きちんとウケていた。
丁稚や店の人は、まあ普通。
お妾さんの家で定吉が独楽を廻そうとするが、
別に要らないかなあ。
或いは「もう帰らない」ことを認識して独楽を廻しているような科白回しだったので、
不確定だと定吉が思うような科白にした方が良いかな。
独楽は1回中立に回し、2回目は贔屓目に回し、
3回目はお妾さんの独楽は床の間の上で回す、という設定。
定吉の独楽を回しながら楽しんでいる様子が良い。
最後は御寮人さんの独楽に弾かれて旦那の独楽がお妾さんの独楽にぶち当たる、というサゲ。
皮肉が効いていると言えば効いているが、
少し考え過ぎている感じもなくはない。
「お妾さんの独楽より前に、御寮人さんのに触っている」と言えなくもないし。