先週土曜は動楽亭昼席へ。
今月2回目。
6月はあまり魅かれないので恐らく行かないだろうから、
5月に2回行ってもいいかな、と思いつつ。
「普請ほめ」(優々):△
ごく普通に。元気なのは悪くない。
上下を振る時の間が、若干クサい気がする。
「転失気」(雀五郎):△
「知ったかぶり」といった話からネタへ。
最初の和尚と医者の会話の中で、
地で「転失気がおならのことである」とバラしてしまう。
最初に花屋さんに行った時にウケを取り易いだろうし、分かりやすいかも知れないが、
個人的にはこれは野暮だし、
後で珍念が振り返って「他の人も意味が分からないまま言っていた」と
気付く場面でのウケが小さくなるから、
良いとは思えない。
医者に「おならのことじゃ」と言われた時の珍念の「へ」の言い方が不自然。
もう少し「返事」としての意味合いを強めた方が良いだろう。
「転失気」を訊ねられた人の反応などはきっちりしていたと思うし、
フラのようなものが個人的には嫌いでないのだが、
テキストとしては少し不満。
「火焔太鼓」(坊枝):△+
本来小染の予定だったのだが、「鯉」で坊枝が上がってくる。
小染がまだ来ていない、ということで順番変更。
ネガティブなことをマクラでいろいろ喋り、ネタへ。
明るいと言えば言えなくもないのだが、
おかみさんの作り方が非常にクサくしんどい。不自然。
甚兵衛さん、丁稚など、ベースではきっちり人物造型しているので、
別におかみさんに奇声を出させたり、
妙な表情付けをせんでも良い、と思うのだが。
ギャグなどはごく普通。
侍が温和で良いと感じた。
「明烏」(文太):○-
指の色気の話を軽く振ってネタへ。
時次郎が、ちと女っぽい感じがする。
単に初心であり、行儀作法や動きは普通に男性で良いと思う。
源兵衛と太助は無茶苦茶悪いことをする訳でなく、
町内にちょくちょくいたであろう、
特に仕事もせずふらふらしつつ、何かにたかっている連中、という感じで
丁度良い雰囲気。
このネタ、設定を新町としているのだが、
新町に「見返り柳」とか「堀」とかあったのかな、と少し疑問に思った。
「お巫女頭」の持っていき方や「大門で止められる話」、
あるいは翌朝の後朝など、
全体に特にクサくする訳ではなく、
程好く伝わるレベルでやっていた。
源兵衛と太助が狂言回しであり軸になっている、という印象。
「浮世床」(小染):△+
順番が替わって仲入後に出てくる。
出番を知らず、家にいたら坊枝から電話があり、
この日と、今月のあと2回の出番を知ったらしい。
米朝事務所から受けた確定情報を
吉本が自分に伝えていないのでは、ということだった。
そのあたりから吉本のマネージメントについての色々を
同情も籠めつつ。
ネタは、如何にも演芸場向きのもの。
「火箸」と「講釈本」。
五郎に比べればあっさりしていて遥かに聞き易いが、
それでも不自然と言えば不自然なネタではある。
言っても仕方ないのだが、
やはり無筆のおやっさんの読み方が無筆に見えんな。
世を拗ねた感じ、ウケを取らんがための無茶な言い方以外の言い方は
良い雰囲気なのであるが。
「幸助餅」(染丸):○-
至近距離で見るのは久し振りかも。
歯が悪いのか病気の後遺症か、若干以前に比べて口跡がはっきりしない。
テキストは新町の吉田屋で金をもらうところなどは地で運び、
出たところで雷に会い、大関になったことを聞かされる。
店に上がらず、その場で祝儀を渡してしまう。
店に上がるよりあっさりして良い。
昔から贔屓にしていた相撲取りが「大関になった」喜びを
もう少し出した方が良いかな、と思いつつ、
「出世して欲しいから」贔屓にする訳でない、
単に相撲取りを贔屓にすることそのものが好きである、
という幸助の人物設定を押し通すのであれば
大関になった喜びをさほど前面に押し出す必要はないのかな、とも思いつつ。
雷に金を返してもらうよう道で叔父さんに言われ、
それを横で聞いていた雷にその場で「愛想尽かし」を言われる。
ここでの幸助の転換は、もう少しクサくやっても良いと思った。
その後はさらさらと。
餅屋の中での場面、少し分かりづらいかも知れない。
あと、全体にハメが拙い。
小さい音で統一されていればそれはそれで良いが、
「弾いて良いのか、弾いて悪いのか」不安なまま鳴っている印象。
どこで入るか、止めるか、もちと不明瞭だった。
米朝系の噺家が普段演らないハメの入るネタを動楽亭で掛けるのが、
たいがい冒険なのかも知れないな。
今月2回目。
6月はあまり魅かれないので恐らく行かないだろうから、
5月に2回行ってもいいかな、と思いつつ。
「普請ほめ」(優々):△
ごく普通に。元気なのは悪くない。
上下を振る時の間が、若干クサい気がする。
「転失気」(雀五郎):△
「知ったかぶり」といった話からネタへ。
最初の和尚と医者の会話の中で、
地で「転失気がおならのことである」とバラしてしまう。
最初に花屋さんに行った時にウケを取り易いだろうし、分かりやすいかも知れないが、
個人的にはこれは野暮だし、
後で珍念が振り返って「他の人も意味が分からないまま言っていた」と
気付く場面でのウケが小さくなるから、
良いとは思えない。
医者に「おならのことじゃ」と言われた時の珍念の「へ」の言い方が不自然。
もう少し「返事」としての意味合いを強めた方が良いだろう。
「転失気」を訊ねられた人の反応などはきっちりしていたと思うし、
フラのようなものが個人的には嫌いでないのだが、
テキストとしては少し不満。
「火焔太鼓」(坊枝):△+
本来小染の予定だったのだが、「鯉」で坊枝が上がってくる。
小染がまだ来ていない、ということで順番変更。
ネガティブなことをマクラでいろいろ喋り、ネタへ。
明るいと言えば言えなくもないのだが、
おかみさんの作り方が非常にクサくしんどい。不自然。
甚兵衛さん、丁稚など、ベースではきっちり人物造型しているので、
別におかみさんに奇声を出させたり、
妙な表情付けをせんでも良い、と思うのだが。
ギャグなどはごく普通。
侍が温和で良いと感じた。
「明烏」(文太):○-
指の色気の話を軽く振ってネタへ。
時次郎が、ちと女っぽい感じがする。
単に初心であり、行儀作法や動きは普通に男性で良いと思う。
源兵衛と太助は無茶苦茶悪いことをする訳でなく、
町内にちょくちょくいたであろう、
特に仕事もせずふらふらしつつ、何かにたかっている連中、という感じで
丁度良い雰囲気。
このネタ、設定を新町としているのだが、
新町に「見返り柳」とか「堀」とかあったのかな、と少し疑問に思った。
「お巫女頭」の持っていき方や「大門で止められる話」、
あるいは翌朝の後朝など、
全体に特にクサくする訳ではなく、
程好く伝わるレベルでやっていた。
源兵衛と太助が狂言回しであり軸になっている、という印象。
「浮世床」(小染):△+
順番が替わって仲入後に出てくる。
出番を知らず、家にいたら坊枝から電話があり、
この日と、今月のあと2回の出番を知ったらしい。
米朝事務所から受けた確定情報を
吉本が自分に伝えていないのでは、ということだった。
そのあたりから吉本のマネージメントについての色々を
同情も籠めつつ。
ネタは、如何にも演芸場向きのもの。
「火箸」と「講釈本」。
五郎に比べればあっさりしていて遥かに聞き易いが、
それでも不自然と言えば不自然なネタではある。
言っても仕方ないのだが、
やはり無筆のおやっさんの読み方が無筆に見えんな。
世を拗ねた感じ、ウケを取らんがための無茶な言い方以外の言い方は
良い雰囲気なのであるが。
「幸助餅」(染丸):○-
至近距離で見るのは久し振りかも。
歯が悪いのか病気の後遺症か、若干以前に比べて口跡がはっきりしない。
テキストは新町の吉田屋で金をもらうところなどは地で運び、
出たところで雷に会い、大関になったことを聞かされる。
店に上がらず、その場で祝儀を渡してしまう。
店に上がるよりあっさりして良い。
昔から贔屓にしていた相撲取りが「大関になった」喜びを
もう少し出した方が良いかな、と思いつつ、
「出世して欲しいから」贔屓にする訳でない、
単に相撲取りを贔屓にすることそのものが好きである、
という幸助の人物設定を押し通すのであれば
大関になった喜びをさほど前面に押し出す必要はないのかな、とも思いつつ。
雷に金を返してもらうよう道で叔父さんに言われ、
それを横で聞いていた雷にその場で「愛想尽かし」を言われる。
ここでの幸助の転換は、もう少しクサくやっても良いと思った。
その後はさらさらと。
餅屋の中での場面、少し分かりづらいかも知れない。
あと、全体にハメが拙い。
小さい音で統一されていればそれはそれで良いが、
「弾いて良いのか、弾いて悪いのか」不安なまま鳴っている印象。
どこで入るか、止めるか、もちと不明瞭だった。
米朝系の噺家が普段演らないハメの入るネタを動楽亭で掛けるのが、
たいがい冒険なのかも知れないな。