毎度マニアックに前回の続き…今回取上げる回が多いんで、なるたけ短く纏めんと。(汗)
★第67話 君去りし後 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…ファン大賞獲得作品。
「或る日、ラムがあたるの前から姿を消した。机の上に、己のマスコット人形を残して――」
原作でも反響の大きかった話ですが、アニメは更に展開をドラマティックにしている。
特に反響呼んだのが、原作には無い「しのぶとあたるの会話」シーン。
ラムが居なくなって落込むあたるを、しのぶは公園に呼び出す。
し「来てくれないかと思った…」
あ「何言ってんだよ~!…ラムに掻き回されっ放しだったけど…これで漸く2人は元の鞘に戻れるって訳だ♪」
し「……本当に、そう思ってる?」
――あたるのポケットから覗くラム人形を見詰るしのぶ…彼女の視線に気付くあたる。
し「……何か私に出来る事、有る…?」
あ「………いいよ、気にしなくて…。」
し「………あたる君…」
あ「……俺……帰る。」
し「…………うん。」
こんな感じの会話なんですが…実に深いな~と。
あたるとしのぶの関係って、かなり不可解なんですよ。(笑)
原作では面堂に憧れつつも中盤まであたる寄りで、思いを残してるんだかどうだか曖昧なまま、何時しか自然消滅って感じ。
アニメでは当初からあたるとラムが仲好いんですが、19話からは完全に恋人関係となり、この回以降は正しく夫婦として描かれるようになる。
そしてしのぶはこの回以降、何かにつけ「あの2人が別れるもんか」と口にし出す。
原作では曖昧だった、「三角関係の終焉」を描いてる訳ですな。
言ってみりゃ「キャラ関係の捏造」なんですが(笑)…独自の人間関係を構築し、それをシリーズ上で貫き通した事で、原作とは別個の世界を創り上げた力技は、褒められて良いんじゃないかと。
…無粋にもオチを言っちゃえば、ラムはちゃんと戻って来ます。
しかし盗聴マイク仕掛けとくって、えらく性質悪いよな~と思う。(笑)
・第68話 ラムちゃんのクラス会 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△
…退屈を持余して教室を飛び回るテンちゃんが可愛い、あたる達が温泉先生に「差別だ!!」と詰寄るシーンが劇画タッチで迫力(笑)、ラムの乱れた髪を整える仕草が可愛い…等々、絵は綺麗で見所が沢山。この頃丁度アニメうる星は1周年を迎えたって事で、今迄のゲストキャラが賑やかに出演しとりました。お話の方は…誕生日会なら兎も角、クラス会ぐらいで内緒にする必要が有ったのだろうか?と謎に感じなくもない…まぁ1周年祝って事で。(苦笑)
・第69話 買い食いするものよっといで! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合△
…「大傑作になり損ねた回」とファンから呼ばれてる話。中盤までは『007』ノリでハチャメチャ極まり、非常に面白いんですが…特に中盤はマニアックな作画で評判の西島克彦氏が担当した事で、より遊びの傾向が強まってる。響子さんが煙草屋の店員してたり、作者が通り過ぎてったり、他ルーミック作品が映画上映告知用看板に出演してたり。(笑)しかしラスト7分前から突如作画が崩れて、折角のアクションシーンなのに全く盛上らなかった…残念。
★第70話 戦りつ!化石のへき地の謎 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…か~わぐっち~ひろしが~♪洞窟には~いる~♪(中略)こんな大発見を~しながら~♪決~っして学界には発表~しな~い~♪か~わぐちひ~ろしの奥床しさ~に~♪ぼ~くら~はお~もわず♪涙す~る♪
水曜スペシャルのヤラセをパロって暴露する。(笑)
実は当時、裏でマジモンの水曜スペシャルを放送していたり…大丈夫だったのだろうか?(大笑)
作画に、今じゃ有名なイラストレーター、いのまたむつみ氏が参加してたりと、色々メモリアルな回。
見せ場はチェリーVS化石鳥による大暴走。(原画:森山ゆうじ氏)
通り過ぎた後、一拍置いて爆発という、音速超えの表現が素晴しいかと。(爆笑)
・第71話 クラマ姫 新たなる挑戦! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△
…原作通りにした事で、原作の?な点もそのまま引き継いでしまったと言うか。(汗)漫画はコマ続きで話が展開して行くから、コマから外れれば描かないで済むけど、アニメにはそれが出来ない。決められた時間内、ずっと映像を流さなきゃだから、「描かない」で済ませられないんですな。原作では人知れず蚊帳の外だった「しのぶ」の扱いに苦労した結果、突然冷めたり燃上ったり、頗る行動が不自然になってしまってるのが…。(汗)救いは作画が美しい事でした。
・第72話 恐怖の虫歯WARS! 脚本○ 演出○ 作画× マニア度○ 総合△
…『地上最後の男』っつったっけ?己以外の全員が吸血鬼になっちゃって、襲い来るその群れを相手に、孤軍奮闘する主人公の話。…恐らくはそのSF小説をパロったのかな~と。オチには笑いつつも戦慄した…恐いよ、マジで。(汗)作画は後半凄まじい程荒れてたけど、だからこそ異様な迫力が出たのかもしれない…か?(汗)
・第73話 ザ・面堂兄妹! 脚本○ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△
…完璧に腐った弁当の描写が巧い!落ちながら糸引き続ける刺身に、ひたすら笑った。(爆笑)…所で「牛車」は「ぎゅうしゃ」じゃなく「ぎっしゃ」と読むんじゃ…いや細かい事気にして申し訳無いけど。(汗)原作を良く纏めていて、話は面白かったんだけど、何とな~くテンポが悪く感じられたのは残念でした。
★第74話 階段に猫がおんねん 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…コタツネコの過去シーン、セピアカラーが雰囲気醸してる。
作監を担当した山崎和男氏は、動物を描くのが巧いと思う。
コタツネコはこの方が描いたものが1番味が出てるかと。
個人的な好みですが、あたるもこの方の描いたものが、1番好きでした…ちょっとくたびれた、情けない感じになるんだけどね。(照笑)
・第75話 タヌキは恩返しできるか!? 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…うる星版『日本昔話』、背景まで真似て徹底してるのが偉い。(笑)しかも残酷と言われてる、元の『カチカチ山』で行く辺りがマニアック。…ただ『カチカチ山』まで出したのは、如何にも時間稼ぎと思えなくも無い…あたる爺の投球フォームは見事だったけど。(笑)ミニキャラが可愛い。特に兎耳テンちゃんが可愛かったv
★第76話 決死の亜空間アルバイト 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○
…前半、あたるが亜空間で『あしゅら湯』を探して廻る件は、つげ義春氏の漫画『ねじ式』のパロディーです。(笑)
つげ義春氏は1970年代、学生運動烈しい頃に人気を呼んだ漫画家さんで、そのシュールな世界観は今もって他漫画のネタにされてたり。(例:ゆうきまさみ氏の『究極超人あ~る』)
あまりにマニアック過ぎて「訳解らん」との苦情が舞込んだそうですが(放送当時は自分も解らんかった)、訳解らないながらもアニメで此処までシュールさを表現したのは凄いと思う。
後半は「女湯描かせたら日本一」と名高いアニメーター西島克彦氏が、好き勝手やってくれちゃってます。(笑)
作画△付けてますが、この女湯のシーンだけは、西島氏の魂篭ってて凄い事になってるのでした。(笑)
・第77話 ラムちゃん主催大忘年会! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…アラビアンラムが可愛かった。話の性質上パロディのてんこ盛りで楽しかったけど…今一盛り上りに欠けたまま終った気もしなくはない。特にラストのドタバタ部分、絵に迫力が感じられなかったのは残念。中盤の暴走も二番煎じという事も合せて、52話でのクチナシ暴走程インパクト無かったのが残念。
・第79話 命かけます授業中! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合△
…どうやらこの時期、映画第1作目の制作に追われてたらしく、TVの方に皺寄せが来てるのを感じました。前半なんか、ぶっちゃけ「作画誤魔化し」でしょう。(笑)でも牛丼仮面には笑ったです。こんだけ牛丼に拘るアニメは、うる星(前半)とキン肉マンくらいじゃねーかと。(笑)原作以上にぶっ飛んだオチにも大笑い、「キ~~~……ンコォォ~~~~~……ン…♪」と弱々しく鐘の音を響かせながら、よろめいて倒れる校舎の表現が素敵だ。(笑)
★第80話 夫婦げんか食うか食われるか!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…副題「男はつらいよ」ですか。(笑)
新婚の頃見た夢はシャボン玉の様に掻き消され、可愛かったあのコは今じゃ逞しい母親に。
父親達の悲哀が画面から伝わり、涙無くしては観れません…ってこれ、本当に『うる星』か!?(面白かったけどね)(笑)
所で「エビフライも満足に食べられない位、あたるの家は貧乏なのか?」と、現代の目で見れば不思議に思うかもしれませんが……昔は今程冷凍シリーズも豊かでなく、食のバリエーションに乏しかったのですよ。(笑)
★第81話 ミス雪の女王キッスを奪え! 脚本○ 演出○ 作画○(好みによる) マニア度△ 総合○
…原作には無い、スキー旅行に行く迄の過程を、良く膨らましてると思う。
特に4人組の心理描写が巧い。
ただしのぶの、まるで悪役の様な扱いがちょっとね…。(汗)
これに限らず、アニメでしのぶは、どうにも嫌らしく表現される事が多く、観ていて不憫だった。
絵は非常に癖の強いものなのですが、下手じゃあないんですよね~。
あたるがスキーで滑ってるシーンが格好良い。
★第82話 恐怖の聖バレンタインデー 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…テンちゃん受難編、過激な幼女「真子ちゃん」に愛を迫られ絶体絶命大ピンチの巻…でもお母さん見ると、将来美人になりそうな気がするんだが。(笑)
高橋資祐氏が描く、流れる様な動きが素晴しい。
三輪車とは思えない爆走っぷりだよ。(爆笑)
ラストのあたるとラムのキスシーンは、当時ファンの間でかなり反響を呼んでた事を覚えている。
脈絡全く無いんだけどね~、演出が巧いのよ~。
「子供まで作っといて…鬼の様なパパね!」
「わい、鬼やんか!」
子供達の微笑ましい会話には笑った。(笑)
・第84話 面堂家仮面ぶとう会 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…モブシーンでのお遊びが凄い。ザクやらE.T.やら色々出してたな~と。(笑)ただ、色々出てた割には、あまり迫力感じられずに、ダラダラ展開だった様な…。あたるVS面堂家機動歩兵部隊のトコ、チェリーで逃げずに(あれはあれで壮絶だったけど)ぶつけちゃって欲しかったよ。ブルース・リーの『死亡遊戯』パロも今一徹底されず、肩透かしで終ったのが残念でした。
・第85話 宇宙かぜパニック! 脚本○ 演出△ 作画△ マニア度△ 総合○
…大体原作通りなんだけど、サクラさんとの絡みとか、巧く膨らましてたと思う。拗れてストライプがチェック模様になってしまうのには笑ったです。作監さんの修正が今一の回ですが、原画は良いんですよね~。(汗) あたる達男子がテンを探す場面など、ちゃんとワラワラ動かしてる辺り、偉いと感心してしまった。
★第86話 竜之介登場!海が好きっ!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…高橋資祐氏のダイナミックな作画が炸裂。
波飛沫迸り、さながらバイオレンス劇画の世界でした。
竜之介は「中弛みを感じてた頃、このキャラを生み出した事で、生き返った」と、原作者が後年のインタビューで答える程、お気に入りのキャラらしく。
確かにこのキャラ登場以降、うる星は第2段階アクション編に入った気がする。
「星になれ」っつって、キャラがぶっ飛ぶギャグがお約束化したし。(笑)
竜之介や『ひばり君(江口寿史氏作)』は、他漫画にまで波及した程の、画期的漫画キャラだったのですよ。
★第87話 さよならの季節 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…原作では今迄登場したキャラ達が、主役は誰か揉める「お遊び編」だったのを、良くぞこれだけの話に纏めたなぁと感心してしまう。
主役はメガネ、メガネの独壇場。
「あたるからラムを譲って貰えると誤解したメガネは大いに喜ぶ…が、そこに数々の陰謀が絡んで――」
屋根上での演説シーンに、千葉氏の演技の真骨頂を見ました。
この回で着用したメガネ自作の強化スーツは、映画4作目に渡るまで使用される事に……でもあれって、プロテクターとしてちゃんと役立ってるんだろうか?(笑)
ただこの回も、しのぶの扱いには「ちょっと…」と感じなくもなかった。
「普通の女の子」という設定故、「普通の(現実に居る)女の子の持つ嫌らしさ」を持たされてしまったのが、彼女の不憫さだと思う。
・第88話 ランちゃんのデート大作戦! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度△ 総合○
…絵が素晴しく綺麗。のっけから乙女の浪漫爆発なランちゃんドリームが凄可愛い。桜散る中、あたるとラムがボートで追っ駆けるシーンにも見蕩れた。とことん映像美に拘る山崎和男氏らしい演出が光る回。お話自体は原作通りで、まぁ普通の出来…こう書くと「原作通りじゃまずい訳?」と聞かれそうですが(汗)、うる星は(特に前半)ギャグ漫画なんで、原作通り過ぎると新鮮味が感じられないという難しさが有ると思う。ギャグって一発勝負だから…。
・第89話 はっぴいバースデーマイダーリン 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…些細な事から喧嘩してしまった2人。意地を張り合う内に溝は深まり、遂には周囲までも巻き込んで――と書くと、さながら少女漫画の世界。(笑)(とは言え原作最終回は、それこそこーゆーパターンだった訳だが…)や、悪いと言いたい訳じゃないですが。(焦笑)ただ、仲直りに持ってくまでの展開が、ちょっと安易過ぎた気がする…素直に謝れない意地っ張りが、他人の忠告を聞くとは思えないんだけど。作画の美しさに救われたな、と言うのが正直な感想。
・第91話 花ムコの名は竜之介 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合△
…初期に原画を描いてた平野俊弘氏が、『マクロス』を経て帰って来ました。しかも作監として。キャラの顔が悉くマクロス顔になってるのに笑った。お話の方は、大体原作通り。あたる役の古川登志夫氏の熱演が光ってます。この時の経験が『ドラゴンボール』のブルー将軍役で活かされた…のかも知れない。(笑)
★第92話 ビンづめレター海辺の怪! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度△ 総合○
…見せ場は民宿~入り江への大激走シーンかと。
歯磨きしたり髪セットしたりしながら走る3人には爆笑。
「恐怖の痴漢三面記事男」だったっけ?…ちょっと違う気もするけど(汗)…その言い回しにも笑った。
何だかんだ喧嘩しつつも、一緒に寝てるあたるとテンは仲が好いと思う。(笑)
★第93話 激烈登場!水乃小路トンちゃん!! 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…原作でのトンちゃんは格好だけの愚図男で、豪速球なぞ投げられない。
そんなツッコミする暇も無く押し切る様な作画パワーにやられた。(笑)
ピッチャー投げた!――打ったぁぁ!!センター前ヒットォォォ!!ランナー走る!!――ああ!!しかし一塁前で黒子が梯子構えてザッザッザッザッと迫る!!迫る!!迫るゥゥ!!――しかしランナー負けてない!!梯子次々打破りながら尚も進む!!そして一塁にタッチ!!――出来ない!!!黒子が一塁ベース抱えて逃亡!!ランナー必死に追い駆けるもタッチ出来ない!!――背後から別の黒子が投げ縄飛ばしてランナーの首に引っ掛けたァ~!!そのままランナーを投げ飛ばしィ~!!――ア~~ウツッ!!!
…解説するとこんな感じ…何処のアイアンリーガーか!?って言いたくなる様な。(笑)
問答無用の爆笑巨編でした。
・第94話 しのぶのシンデレラストーリー 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△
…あたるがちょっと情けなさ過ぎ。女の子を危険に曝す様な真似はしないのが奴なのに…と、観た当時怒ってた記憶が有る。(恥笑)ミステリードラマとして手堅く纏まってはいました。その手堅さが問題で、始めっから犯人が読めちゃったり等、ミステリーとしての底が浅いのがなぁ。(苦笑)それにタイトルで「シンデレラ」と付ける程、しのぶは話の中でメイン張ってないと思うのだ。ただ「利用されただけ」だもんね。ちなみにゲストキャラ一同はスタッフがモデルだそうな。(遊んでるな~)(笑)
★第95話 ラムちゃんの理由なき反抗 脚本○ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合○
…パロディのオンパレードでした。
「突然炎の如く」、「風と共に去りぬ」、「セーラー服と機関銃」、「マジンガーZ」、「サイボーグ009」、「青い山脈」…さあ、貴方は幾つ解るか!?(笑)
「パロディじゃネタ知らんと解らんだろう」と仰る向きも在ろうが…知らなくてもテンポが良いので、子供の自分は笑って観てた記憶が有る。
皆で力合せて映画作るというプロセスも楽しげで良かった。
オチはちょっとクサかったと思うけど…まぁでも原作のオチもクサかったからなぁ。(笑)
★第97話 怪談!柳のオジジ!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…映画2作目で校舎捜索するシーンと雰囲気似てるな~と感じた方は鋭い。
作画を担当したのが同じ山下氏なのですよ。
七不思議~校内巡回シーンまでかなりの怪奇タッチで、子供は本気で怯えるかも知れない。
あたるとメガネが仲の好い、珍しい回かと。
★第98話 そして誰もいなくなったっちゃ!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…原作者は激怒し、ファンは賛否両論真っ二つに分かれた問題作。(ファンの選ぶ人気投票では2位)
タイトル通り、アガサ・クリスティ作『そして誰もいなくなった』のパロディーでして、孤島に閉じ込められたメンバーが、マザーグースの詩通りに、1人、また1人と死んで行く展開には…自分もかなりショックを感じた。
ギャグで落とされると解っていても…ラムが死んだ辺りから、本っっ当にどうなるんだろうとドキドキしながら観てた覚えが。
それがあのオチだし…冗談じゃ済まされない程、人でなしな理由だと思う。(苦笑)
ただ、作品として見た場合、物凄くクオリティ高いかと。
場面構図、テンポが巧みで、最後まで惹き付けられる。
「キャラ死に話は卑怯」と言えど(笑)、クオリティだけで選ぶなら、文句無で1等賞だと思うのだ。
知合いのうる星ファンの男が、口を揃えてこう言うんですよ。(笑)
「あたるに裸を見られるかも知れないのに、浴室で死を演じたラムに感動した。
そこまであたるに心を許しているのかと…」
…はっきり描いてはいないけど、確かにそうなんですよね。
その後ラムはベッドの上に裸で寝かされ(布団は掛けてあります)、その手をあたるがしっかり握ってるという描写が有り…これは「あたるによって運ばれた」事を表してる訳ですから。
むしろ原作のうる星ファンでない、ミステリーマニアが観た方が、楽しめるかもしれない。
★第99話 火消しママ参上! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…打って変わって大体原作通りの明るいギャグ作品。(笑)
スイカが蒸発する描写が巧い。(笑)
この回のあたるの無敵さを観ちゃうと、前回正体の知れぬ殺人者に怯えるあたるは嘘だな~と感じなくもない…いや文句言いたい訳じゃないけど。(苦笑)
余談ですがテンちゃんの母親役の声優さんは、『かぼちゃワイン』でエルちゃん役を演じた横沢啓子氏です。(或いは『ラピュタ』のシータ役)
非常に可愛い声で人気の高かった方。
★第100話 ダーリンが死んじゃう!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…この回より、「アニメのランちゃんは黒魔術を嗜む」という設定が加えられました。(笑)
異世界シーンが幻想的…トランプの女王ならぬ「花札の女王」には笑った…後「巨大五郎」。(笑)
異世界シーンは言ってしまえば引伸ばしなんだけど、そう感じさせない辺りが偉い。
オチを、原作では途中で早々と明かしてるんだけど、アニメではラストに持って来ていた。
…此処に両者の考え方の違いが見える様で、興味深かったです。
…この間の脚本、エンディングクレジットを信じるなら、ほぼ伊藤和典氏1人で書いてた事になる。(真実なら凄いよ)
1人の脚本家が主立って書いてたから、キャラが変ったり展開がズレたりしなかったと言えるのでは。
押井氏がまた徹底した方で、脚本の出来が気に入らないと、遠慮無くリテイク出したり、自分で書き直したりしたそうだし。(笑)
アニメうる星の絶頂期。
原作とは全く違う世界観で展開し、ファンを別に作る様にもなっていた頃でした。
その事でこの後大問題が勃発するのですが…
…字数が足りないんでまた次回。(汗)
【続】
★第67話 君去りし後 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…ファン大賞獲得作品。
「或る日、ラムがあたるの前から姿を消した。机の上に、己のマスコット人形を残して――」
原作でも反響の大きかった話ですが、アニメは更に展開をドラマティックにしている。
特に反響呼んだのが、原作には無い「しのぶとあたるの会話」シーン。
ラムが居なくなって落込むあたるを、しのぶは公園に呼び出す。
し「来てくれないかと思った…」
あ「何言ってんだよ~!…ラムに掻き回されっ放しだったけど…これで漸く2人は元の鞘に戻れるって訳だ♪」
し「……本当に、そう思ってる?」
――あたるのポケットから覗くラム人形を見詰るしのぶ…彼女の視線に気付くあたる。
し「……何か私に出来る事、有る…?」
あ「………いいよ、気にしなくて…。」
し「………あたる君…」
あ「……俺……帰る。」
し「…………うん。」
こんな感じの会話なんですが…実に深いな~と。
あたるとしのぶの関係って、かなり不可解なんですよ。(笑)
原作では面堂に憧れつつも中盤まであたる寄りで、思いを残してるんだかどうだか曖昧なまま、何時しか自然消滅って感じ。
アニメでは当初からあたるとラムが仲好いんですが、19話からは完全に恋人関係となり、この回以降は正しく夫婦として描かれるようになる。
そしてしのぶはこの回以降、何かにつけ「あの2人が別れるもんか」と口にし出す。
原作では曖昧だった、「三角関係の終焉」を描いてる訳ですな。
言ってみりゃ「キャラ関係の捏造」なんですが(笑)…独自の人間関係を構築し、それをシリーズ上で貫き通した事で、原作とは別個の世界を創り上げた力技は、褒められて良いんじゃないかと。
…無粋にもオチを言っちゃえば、ラムはちゃんと戻って来ます。
しかし盗聴マイク仕掛けとくって、えらく性質悪いよな~と思う。(笑)
・第68話 ラムちゃんのクラス会 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△
…退屈を持余して教室を飛び回るテンちゃんが可愛い、あたる達が温泉先生に「差別だ!!」と詰寄るシーンが劇画タッチで迫力(笑)、ラムの乱れた髪を整える仕草が可愛い…等々、絵は綺麗で見所が沢山。この頃丁度アニメうる星は1周年を迎えたって事で、今迄のゲストキャラが賑やかに出演しとりました。お話の方は…誕生日会なら兎も角、クラス会ぐらいで内緒にする必要が有ったのだろうか?と謎に感じなくもない…まぁ1周年祝って事で。(苦笑)
・第69話 買い食いするものよっといで! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合△
…「大傑作になり損ねた回」とファンから呼ばれてる話。中盤までは『007』ノリでハチャメチャ極まり、非常に面白いんですが…特に中盤はマニアックな作画で評判の西島克彦氏が担当した事で、より遊びの傾向が強まってる。響子さんが煙草屋の店員してたり、作者が通り過ぎてったり、他ルーミック作品が映画上映告知用看板に出演してたり。(笑)しかしラスト7分前から突如作画が崩れて、折角のアクションシーンなのに全く盛上らなかった…残念。
★第70話 戦りつ!化石のへき地の謎 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…か~わぐっち~ひろしが~♪洞窟には~いる~♪(中略)こんな大発見を~しながら~♪決~っして学界には発表~しな~い~♪か~わぐちひ~ろしの奥床しさ~に~♪ぼ~くら~はお~もわず♪涙す~る♪
水曜スペシャルのヤラセをパロって暴露する。(笑)
実は当時、裏でマジモンの水曜スペシャルを放送していたり…大丈夫だったのだろうか?(大笑)
作画に、今じゃ有名なイラストレーター、いのまたむつみ氏が参加してたりと、色々メモリアルな回。
見せ場はチェリーVS化石鳥による大暴走。(原画:森山ゆうじ氏)
通り過ぎた後、一拍置いて爆発という、音速超えの表現が素晴しいかと。(爆笑)
・第71話 クラマ姫 新たなる挑戦! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△
…原作通りにした事で、原作の?な点もそのまま引き継いでしまったと言うか。(汗)漫画はコマ続きで話が展開して行くから、コマから外れれば描かないで済むけど、アニメにはそれが出来ない。決められた時間内、ずっと映像を流さなきゃだから、「描かない」で済ませられないんですな。原作では人知れず蚊帳の外だった「しのぶ」の扱いに苦労した結果、突然冷めたり燃上ったり、頗る行動が不自然になってしまってるのが…。(汗)救いは作画が美しい事でした。
・第72話 恐怖の虫歯WARS! 脚本○ 演出○ 作画× マニア度○ 総合△
…『地上最後の男』っつったっけ?己以外の全員が吸血鬼になっちゃって、襲い来るその群れを相手に、孤軍奮闘する主人公の話。…恐らくはそのSF小説をパロったのかな~と。オチには笑いつつも戦慄した…恐いよ、マジで。(汗)作画は後半凄まじい程荒れてたけど、だからこそ異様な迫力が出たのかもしれない…か?(汗)
・第73話 ザ・面堂兄妹! 脚本○ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△
…完璧に腐った弁当の描写が巧い!落ちながら糸引き続ける刺身に、ひたすら笑った。(爆笑)…所で「牛車」は「ぎゅうしゃ」じゃなく「ぎっしゃ」と読むんじゃ…いや細かい事気にして申し訳無いけど。(汗)原作を良く纏めていて、話は面白かったんだけど、何とな~くテンポが悪く感じられたのは残念でした。
★第74話 階段に猫がおんねん 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…コタツネコの過去シーン、セピアカラーが雰囲気醸してる。
作監を担当した山崎和男氏は、動物を描くのが巧いと思う。
コタツネコはこの方が描いたものが1番味が出てるかと。
個人的な好みですが、あたるもこの方の描いたものが、1番好きでした…ちょっとくたびれた、情けない感じになるんだけどね。(照笑)
・第75話 タヌキは恩返しできるか!? 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…うる星版『日本昔話』、背景まで真似て徹底してるのが偉い。(笑)しかも残酷と言われてる、元の『カチカチ山』で行く辺りがマニアック。…ただ『カチカチ山』まで出したのは、如何にも時間稼ぎと思えなくも無い…あたる爺の投球フォームは見事だったけど。(笑)ミニキャラが可愛い。特に兎耳テンちゃんが可愛かったv
★第76話 決死の亜空間アルバイト 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○
…前半、あたるが亜空間で『あしゅら湯』を探して廻る件は、つげ義春氏の漫画『ねじ式』のパロディーです。(笑)
つげ義春氏は1970年代、学生運動烈しい頃に人気を呼んだ漫画家さんで、そのシュールな世界観は今もって他漫画のネタにされてたり。(例:ゆうきまさみ氏の『究極超人あ~る』)
あまりにマニアック過ぎて「訳解らん」との苦情が舞込んだそうですが(放送当時は自分も解らんかった)、訳解らないながらもアニメで此処までシュールさを表現したのは凄いと思う。
後半は「女湯描かせたら日本一」と名高いアニメーター西島克彦氏が、好き勝手やってくれちゃってます。(笑)
作画△付けてますが、この女湯のシーンだけは、西島氏の魂篭ってて凄い事になってるのでした。(笑)
・第77話 ラムちゃん主催大忘年会! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…アラビアンラムが可愛かった。話の性質上パロディのてんこ盛りで楽しかったけど…今一盛り上りに欠けたまま終った気もしなくはない。特にラストのドタバタ部分、絵に迫力が感じられなかったのは残念。中盤の暴走も二番煎じという事も合せて、52話でのクチナシ暴走程インパクト無かったのが残念。
・第79話 命かけます授業中! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合△
…どうやらこの時期、映画第1作目の制作に追われてたらしく、TVの方に皺寄せが来てるのを感じました。前半なんか、ぶっちゃけ「作画誤魔化し」でしょう。(笑)でも牛丼仮面には笑ったです。こんだけ牛丼に拘るアニメは、うる星(前半)とキン肉マンくらいじゃねーかと。(笑)原作以上にぶっ飛んだオチにも大笑い、「キ~~~……ンコォォ~~~~~……ン…♪」と弱々しく鐘の音を響かせながら、よろめいて倒れる校舎の表現が素敵だ。(笑)
★第80話 夫婦げんか食うか食われるか!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…副題「男はつらいよ」ですか。(笑)
新婚の頃見た夢はシャボン玉の様に掻き消され、可愛かったあのコは今じゃ逞しい母親に。
父親達の悲哀が画面から伝わり、涙無くしては観れません…ってこれ、本当に『うる星』か!?(面白かったけどね)(笑)
所で「エビフライも満足に食べられない位、あたるの家は貧乏なのか?」と、現代の目で見れば不思議に思うかもしれませんが……昔は今程冷凍シリーズも豊かでなく、食のバリエーションに乏しかったのですよ。(笑)
★第81話 ミス雪の女王キッスを奪え! 脚本○ 演出○ 作画○(好みによる) マニア度△ 総合○
…原作には無い、スキー旅行に行く迄の過程を、良く膨らましてると思う。
特に4人組の心理描写が巧い。
ただしのぶの、まるで悪役の様な扱いがちょっとね…。(汗)
これに限らず、アニメでしのぶは、どうにも嫌らしく表現される事が多く、観ていて不憫だった。
絵は非常に癖の強いものなのですが、下手じゃあないんですよね~。
あたるがスキーで滑ってるシーンが格好良い。
★第82話 恐怖の聖バレンタインデー 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…テンちゃん受難編、過激な幼女「真子ちゃん」に愛を迫られ絶体絶命大ピンチの巻…でもお母さん見ると、将来美人になりそうな気がするんだが。(笑)
高橋資祐氏が描く、流れる様な動きが素晴しい。
三輪車とは思えない爆走っぷりだよ。(爆笑)
ラストのあたるとラムのキスシーンは、当時ファンの間でかなり反響を呼んでた事を覚えている。
脈絡全く無いんだけどね~、演出が巧いのよ~。
「子供まで作っといて…鬼の様なパパね!」
「わい、鬼やんか!」
子供達の微笑ましい会話には笑った。(笑)
・第84話 面堂家仮面ぶとう会 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…モブシーンでのお遊びが凄い。ザクやらE.T.やら色々出してたな~と。(笑)ただ、色々出てた割には、あまり迫力感じられずに、ダラダラ展開だった様な…。あたるVS面堂家機動歩兵部隊のトコ、チェリーで逃げずに(あれはあれで壮絶だったけど)ぶつけちゃって欲しかったよ。ブルース・リーの『死亡遊戯』パロも今一徹底されず、肩透かしで終ったのが残念でした。
・第85話 宇宙かぜパニック! 脚本○ 演出△ 作画△ マニア度△ 総合○
…大体原作通りなんだけど、サクラさんとの絡みとか、巧く膨らましてたと思う。拗れてストライプがチェック模様になってしまうのには笑ったです。作監さんの修正が今一の回ですが、原画は良いんですよね~。(汗) あたる達男子がテンを探す場面など、ちゃんとワラワラ動かしてる辺り、偉いと感心してしまった。
★第86話 竜之介登場!海が好きっ!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…高橋資祐氏のダイナミックな作画が炸裂。
波飛沫迸り、さながらバイオレンス劇画の世界でした。
竜之介は「中弛みを感じてた頃、このキャラを生み出した事で、生き返った」と、原作者が後年のインタビューで答える程、お気に入りのキャラらしく。
確かにこのキャラ登場以降、うる星は第2段階アクション編に入った気がする。
「星になれ」っつって、キャラがぶっ飛ぶギャグがお約束化したし。(笑)
竜之介や『ひばり君(江口寿史氏作)』は、他漫画にまで波及した程の、画期的漫画キャラだったのですよ。
★第87話 さよならの季節 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…原作では今迄登場したキャラ達が、主役は誰か揉める「お遊び編」だったのを、良くぞこれだけの話に纏めたなぁと感心してしまう。
主役はメガネ、メガネの独壇場。
「あたるからラムを譲って貰えると誤解したメガネは大いに喜ぶ…が、そこに数々の陰謀が絡んで――」
屋根上での演説シーンに、千葉氏の演技の真骨頂を見ました。
この回で着用したメガネ自作の強化スーツは、映画4作目に渡るまで使用される事に……でもあれって、プロテクターとしてちゃんと役立ってるんだろうか?(笑)
ただこの回も、しのぶの扱いには「ちょっと…」と感じなくもなかった。
「普通の女の子」という設定故、「普通の(現実に居る)女の子の持つ嫌らしさ」を持たされてしまったのが、彼女の不憫さだと思う。
・第88話 ランちゃんのデート大作戦! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度△ 総合○
…絵が素晴しく綺麗。のっけから乙女の浪漫爆発なランちゃんドリームが凄可愛い。桜散る中、あたるとラムがボートで追っ駆けるシーンにも見蕩れた。とことん映像美に拘る山崎和男氏らしい演出が光る回。お話自体は原作通りで、まぁ普通の出来…こう書くと「原作通りじゃまずい訳?」と聞かれそうですが(汗)、うる星は(特に前半)ギャグ漫画なんで、原作通り過ぎると新鮮味が感じられないという難しさが有ると思う。ギャグって一発勝負だから…。
・第89話 はっぴいバースデーマイダーリン 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…些細な事から喧嘩してしまった2人。意地を張り合う内に溝は深まり、遂には周囲までも巻き込んで――と書くと、さながら少女漫画の世界。(笑)(とは言え原作最終回は、それこそこーゆーパターンだった訳だが…)や、悪いと言いたい訳じゃないですが。(焦笑)ただ、仲直りに持ってくまでの展開が、ちょっと安易過ぎた気がする…素直に謝れない意地っ張りが、他人の忠告を聞くとは思えないんだけど。作画の美しさに救われたな、と言うのが正直な感想。
・第91話 花ムコの名は竜之介 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合△
…初期に原画を描いてた平野俊弘氏が、『マクロス』を経て帰って来ました。しかも作監として。キャラの顔が悉くマクロス顔になってるのに笑った。お話の方は、大体原作通り。あたる役の古川登志夫氏の熱演が光ってます。この時の経験が『ドラゴンボール』のブルー将軍役で活かされた…のかも知れない。(笑)
★第92話 ビンづめレター海辺の怪! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度△ 総合○
…見せ場は民宿~入り江への大激走シーンかと。
歯磨きしたり髪セットしたりしながら走る3人には爆笑。
「恐怖の痴漢三面記事男」だったっけ?…ちょっと違う気もするけど(汗)…その言い回しにも笑った。
何だかんだ喧嘩しつつも、一緒に寝てるあたるとテンは仲が好いと思う。(笑)
★第93話 激烈登場!水乃小路トンちゃん!! 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…原作でのトンちゃんは格好だけの愚図男で、豪速球なぞ投げられない。
そんなツッコミする暇も無く押し切る様な作画パワーにやられた。(笑)
ピッチャー投げた!――打ったぁぁ!!センター前ヒットォォォ!!ランナー走る!!――ああ!!しかし一塁前で黒子が梯子構えてザッザッザッザッと迫る!!迫る!!迫るゥゥ!!――しかしランナー負けてない!!梯子次々打破りながら尚も進む!!そして一塁にタッチ!!――出来ない!!!黒子が一塁ベース抱えて逃亡!!ランナー必死に追い駆けるもタッチ出来ない!!――背後から別の黒子が投げ縄飛ばしてランナーの首に引っ掛けたァ~!!そのままランナーを投げ飛ばしィ~!!――ア~~ウツッ!!!
…解説するとこんな感じ…何処のアイアンリーガーか!?って言いたくなる様な。(笑)
問答無用の爆笑巨編でした。
・第94話 しのぶのシンデレラストーリー 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△
…あたるがちょっと情けなさ過ぎ。女の子を危険に曝す様な真似はしないのが奴なのに…と、観た当時怒ってた記憶が有る。(恥笑)ミステリードラマとして手堅く纏まってはいました。その手堅さが問題で、始めっから犯人が読めちゃったり等、ミステリーとしての底が浅いのがなぁ。(苦笑)それにタイトルで「シンデレラ」と付ける程、しのぶは話の中でメイン張ってないと思うのだ。ただ「利用されただけ」だもんね。ちなみにゲストキャラ一同はスタッフがモデルだそうな。(遊んでるな~)(笑)
★第95話 ラムちゃんの理由なき反抗 脚本○ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合○
…パロディのオンパレードでした。
「突然炎の如く」、「風と共に去りぬ」、「セーラー服と機関銃」、「マジンガーZ」、「サイボーグ009」、「青い山脈」…さあ、貴方は幾つ解るか!?(笑)
「パロディじゃネタ知らんと解らんだろう」と仰る向きも在ろうが…知らなくてもテンポが良いので、子供の自分は笑って観てた記憶が有る。
皆で力合せて映画作るというプロセスも楽しげで良かった。
オチはちょっとクサかったと思うけど…まぁでも原作のオチもクサかったからなぁ。(笑)
★第97話 怪談!柳のオジジ!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…映画2作目で校舎捜索するシーンと雰囲気似てるな~と感じた方は鋭い。
作画を担当したのが同じ山下氏なのですよ。
七不思議~校内巡回シーンまでかなりの怪奇タッチで、子供は本気で怯えるかも知れない。
あたるとメガネが仲の好い、珍しい回かと。
★第98話 そして誰もいなくなったっちゃ!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…原作者は激怒し、ファンは賛否両論真っ二つに分かれた問題作。(ファンの選ぶ人気投票では2位)
タイトル通り、アガサ・クリスティ作『そして誰もいなくなった』のパロディーでして、孤島に閉じ込められたメンバーが、マザーグースの詩通りに、1人、また1人と死んで行く展開には…自分もかなりショックを感じた。
ギャグで落とされると解っていても…ラムが死んだ辺りから、本っっ当にどうなるんだろうとドキドキしながら観てた覚えが。
それがあのオチだし…冗談じゃ済まされない程、人でなしな理由だと思う。(苦笑)
ただ、作品として見た場合、物凄くクオリティ高いかと。
場面構図、テンポが巧みで、最後まで惹き付けられる。
「キャラ死に話は卑怯」と言えど(笑)、クオリティだけで選ぶなら、文句無で1等賞だと思うのだ。
知合いのうる星ファンの男が、口を揃えてこう言うんですよ。(笑)
「あたるに裸を見られるかも知れないのに、浴室で死を演じたラムに感動した。
そこまであたるに心を許しているのかと…」
…はっきり描いてはいないけど、確かにそうなんですよね。
その後ラムはベッドの上に裸で寝かされ(布団は掛けてあります)、その手をあたるがしっかり握ってるという描写が有り…これは「あたるによって運ばれた」事を表してる訳ですから。
むしろ原作のうる星ファンでない、ミステリーマニアが観た方が、楽しめるかもしれない。
★第99話 火消しママ参上! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…打って変わって大体原作通りの明るいギャグ作品。(笑)
スイカが蒸発する描写が巧い。(笑)
この回のあたるの無敵さを観ちゃうと、前回正体の知れぬ殺人者に怯えるあたるは嘘だな~と感じなくもない…いや文句言いたい訳じゃないけど。(苦笑)
余談ですがテンちゃんの母親役の声優さんは、『かぼちゃワイン』でエルちゃん役を演じた横沢啓子氏です。(或いは『ラピュタ』のシータ役)
非常に可愛い声で人気の高かった方。
★第100話 ダーリンが死んじゃう!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…この回より、「アニメのランちゃんは黒魔術を嗜む」という設定が加えられました。(笑)
異世界シーンが幻想的…トランプの女王ならぬ「花札の女王」には笑った…後「巨大五郎」。(笑)
異世界シーンは言ってしまえば引伸ばしなんだけど、そう感じさせない辺りが偉い。
オチを、原作では途中で早々と明かしてるんだけど、アニメではラストに持って来ていた。
…此処に両者の考え方の違いが見える様で、興味深かったです。
…この間の脚本、エンディングクレジットを信じるなら、ほぼ伊藤和典氏1人で書いてた事になる。(真実なら凄いよ)
1人の脚本家が主立って書いてたから、キャラが変ったり展開がズレたりしなかったと言えるのでは。
押井氏がまた徹底した方で、脚本の出来が気に入らないと、遠慮無くリテイク出したり、自分で書き直したりしたそうだし。(笑)
アニメうる星の絶頂期。
原作とは全く違う世界観で展開し、ファンを別に作る様にもなっていた頃でした。
その事でこの後大問題が勃発するのですが…
…字数が足りないんでまた次回。(汗)
【続】