瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

君と一緒に(ルナミ編―その4―)

2009年10月11日 15時20分10秒 | 君と一緒に(ワンピ長編)
前回の続きです。】




結局長崎空港に着陸するまで、飛行機はグラグラ揺れっ放しだった。
ジェットコースターに乗ってる気分で俺は楽しかったんだけど、ナミは顔面そーはく状態で死ぬほど恐かったらしい。
降りてもショックが治まらず、俺の腕をつかんだまま離さなかった。

「もう嫌だ!すっかりトラウマよ!暫く飛行機乗りたくない!」
「んな事言ったって、帰りにまた乗るんだろ?」
「それ思うと今から憂鬱だわ…嗚呼、東京まで電車でノンストップで行けたら良いのに…!」
「大丈夫だって!俺、運良いし♪一緒に居れば落ちねーさ!事実あんだけ揺れても落っこちなかったろ?」
「根拠無い慰めは止めて!地球に重力が働いてる限り、上に在る物体は下に落ちるのが自然の法則、即ち全ての飛行機は落ちて当り前の物なんだから!」
「まー無事に着いたんだし、良いじゃねーか」
「無事で済んだからこそ言える事よ!…ドリンクサービスも無いなんて経験…初めてだわ、私…」

涙目になったナミがつぶやく、それを聞いた俺ははたと思い出した。
機内サービスにもらうはずの飲物をもらってねェ事を!
揺れてて危ねーから配らねーとか何とか、着陸した時にアナウンスで謝ってたけど、だったら降りる時にカップに入れて渡しゃ良いじゃねーか。
サービスするつもりが有ったなら、根性入れてなしとげろよ!
ちきしょー、ちきしょー、ちきしょー!

「帰りの飛行機乗った時、行きで飲めなかった分合せて、倍は飲んでやる!!」
「まったくあんたはどうしてそんなに意地汚いの!!」

到着ロビーを通る途中で宣言した俺の頭を、ナミがバチィン!!と思い切り叩いた。

「普段飲めない、拘りのドリンクって訳でもないでしょォ!?」
「けどもらえるはずだった物がもらえねーと、すっげー損した気分になるじゃんか!」

じんわり痛む後頭部をさすりつつ、俺はナミに不平をこぼした。
2人であーだこーだ言い合いながら、足は自然と前に進む。
気が付いたら階段を下りてて、一緒に降りたはずの乗客の姿は、1人も居なくなってた。
しゃべってる間に追い抜かれちまったらしい。

白いトンネルみてーな通路に出たら、両側にハウステンボスのポスターがベタベタ貼ってあった。
ピカピカ光る建物にクリスマスツリー、その前で男と女が乾杯してる写真。
そうだ、今はクリスマスシーズンなんだ。
眠かったからうろ覚えだけど、羽田にもでっけークリスマスツリーが飾ってあったのを思い出す。
ポスターを見てる内に早く行きたくてウズウズした俺は、ナミの腕を取って引っ張り駆け足で1階に下りた。

「ちょ!急いだら危ないっ…!」

階段からこけそうになったナミが文句を飛ばす、けど早く連れて行きたいんだよ俺は。
下りた前には貼り紙された柱が建ってて、右へ行けば高速船乗場、左へ行けばバス乗場が有るって、矢印が書いてあった。
どっち使ってもハウステンボスへ行けるらしい。
右に折れて進もうとした所で、ナミが急に足を止めた。

「バスで行くって決めたじゃない!」

反動でのけぞった俺に、ナミが恐い顔して言った。

「第一、予約しなくちゃ乗れないのよ!」
「予約した方が確実なだけで、当日乗船券買ってもOKって出てただろ?」

行く前に2人で行き方をネットで調べたから、それはナミも承知してる。
折角だから俺は船で行こうって主張したんだ。
バスなら近所でも乗れるけど、船に乗るのはめったに出来ねーから。
けどナミは船は絶対嫌だってゆずらなかった。

「高速船だと片道2千円もかかるじゃない!バスだったら片道1,100円、断然お得だわ!」
「往復利用すんなら、帰りは1,600円になるらしいぞ――」
「400円割引するから何!?結局はバスを往復使った方が1,400円安いでしょ!」


はっきり言ってナミは超ケチだ。
でも嫌がってる理由はそれだけじゃない。


俺の顔につば飛ばす勢いで吠えたナミは、さっさと空港を出てバス乗場へ向っちまった。
へそを曲げたナミは面倒だからな、諦めて後を追おうとして、ふと右側に目をやる。
そこにはカステラとか角煮まんとか、美味そうなもんの名前を書いたのぼりを立ててる土産屋が並んでた。
寄りたくてつい足を止めて眺めてたら、外に出る自動ドアからナミの顔がのぞいて、「早く来なさい!!バス待ってんだからね!!」って怒鳴られた。
おっかねーんで急いで空港を出たら、ナミから「はい!」ってハウステンボスまでのキップを渡され、左奥に停まってたバスに連れて来られた。

俺が乗り込んだ所でちょうどドアが閉まり、バスが走り出す。
運転席の後ろに有った荷物置き場に、背負ってたリュックを置いた俺は、ナミと並んで左側後ろの窓際席に座った。
俺達以外には8人位しか客が居ねェ、正直少ねーと感じた。
1人1列独占出来るじゃんか。
「ハウステンボスって人気無ェーのかな?」ってナミに聞いたら、「そういう事を声に出して言わないの!」って、また頭を叩かれた。
ナミは直ぐに暴力ふるうから困る。

空港から離れたバスは、長くてでっかい橋を通って行く。
両側には海が広がってて興奮した。
天気は思ってたよりかは悪くなく、雲のすき間から時々太陽が見えた。
ただ風が強くて波が荒いのは心配だ。
雲の流れが速ェ、目で追ってたら、隣でナミのふき出す声が聞えた。
不思議に思い振り向いた俺の顔を見て、ますます笑い転げる。

「海に挟まれた景色を眺めてたら、着陸する時のあんたの様子思い出しちゃって…あんたったら不謹慎にも、『やべェ!!墜落するぞ!!』って叫ぶんだもん…恥ずかしいやら、おかしいやら…」

その言葉を聞いて、俺の頭にも記憶がよみがえる。
雲の下に降りて街が見えて来て、海面近くまで下がって来たのに、ちっとも空港が見えて来ねェ。
それでなくてもガタガタ揺れてたから、俺はてっきり海に墜落すんのかと焦ったんだ。
実は長崎空港は海上に在る空港だって、着陸してからナミが教えてくれた。

「けどナミだって、あの時はマジんなって青ざめてたじゃねーか!」
「状況が状況だったもの、一瞬本気にした事は認めるわ。無事着陸出来て心からホッとしたなァ…もうあんなスリルは懲り懲りv」

ムキになって返した俺に、ナミは余裕のウインクを飛ばす。
その笑顔が憎らしいほど可愛くて、俺はそれ以上反撃出来なかった。


ナミはメチャクチャ可愛い、近くで見慣れてて意識し忘れる事も有るけど、TVに出るアイドルよりもずっと可愛いと思う。
クラスの奴らは女に興味を持ち出した頃、たいていがアイドルにはまったけど、俺にはナミが居たから全然はまれなかった。


でっけー橋を渡り切ったバスは、街の中を通って行った。
街って言っても高いビルなんて無い、村って呼んだ方が正解かもしんねェ。
田舎道(「カントリーロードって表現して」ってナミから怒られたけど、意味は変んねーよなァ?)をしばらく走った後、左側に海が広がった。
バスは海岸に沿って走ってく。
同じく海岸に沿って線路がしかれてて、1度だけバスを追い越してく電車を見た。
煙を吐き出してたから汽車だったのかもしれねーけど…ビックリしてナミに言ったら、「まだ電化されてない線なのね」って答えた。

「列車で海岸沿いを走って行くのも素敵だろうなァ…」

ナミがうっとりした顔でつぶやく。
同じ事を考えてた俺は、ナミを両手で思っ切し抱きしめた。

ナミは今でも海が好きで居る、それが解って、とっても嬉しかったんだ。

2人顔を見合わせ、にっこり笑う。

海は時々建物や木に隠されたけど、走ってる間中ずっと窓から見えてた。
かすんで空に溶けてる水平線を、俺は夢中で眺めてたけど、いつの間にかナミの肩に寄りかかって眠っちまってたらしい。
揺さぶられて起された時には、ハウステンボス駅が横に見えていて、バスは左に折れ曲り、橋を渡ろうとしてる所だった。

「到着する瞬間は、ちゃんと起きて、目に焼き付けたいでしょ?」

寝ぼけた目をゴシゴシこする俺の顔をのぞきこんでナミが笑う。
橋を渡ったバスは、また左に折れ曲って坂を上り、駐車場を抜けてバス停に到着した。
窓の向うには外国みたいな景色が広がってる。
青い屋根に赤茶色の壁したでっけー洋館を目にした俺は、停車するのを待たずに、誰よりも先に降りようと立ち上がった。






…大村線ハウステンボス~諫早間は未だ非電化だそうで、1度煙を吐きながら通る列車を見た時はかなり驚いた。(で、帰ってからネットで調べた訳だけど)
バスで行くにしろ船で行くにしろ、眺めは最高に良いです。
ただバスはハウステンボス直行ではなく、着く迄に3箇所の停留所に停まる。(降りる人、停留所で待ってる人が居なけりゃ通り過ぎる、但し川棚バスセンターって所だけは絶対停まる)
行きはともかく、帰りは疲れるから避けた方が無難。
けど船だと波が荒い時は欠航しちゃう事が有るんだよねえ。(汗)

クリスマスシーズンは中旬頃から混み始める(と思う)。
初旬で平日だと、ガラガラで哀しかった記憶が…けど今年は心配したファンが駆け付けたりして、例年より来場者が多い可能性は有る、てゆーかそうであって欲しい。(汗)
私はハウステンボスに行くなら絶対クリスマスシーズンだと考えて居るんだけどね。
間違い無く国内で最もイルミネーションが綺麗な場所ですよ。(観るポイントが多いから、混雑が分散するのも有難いし)

写真は08年クリスマスシーズンに行った頃、入国棟(陸路で来た場合の入口)を撮影した物。
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りんねについて

2009年10月10日 15時41分41秒 | 漫画&アニメ
何がって、留美子先生の新連載についての話なんですがね。


今週発売号分迄読んで、地味に面白いと思いつつ、ぶっちゃけ微妙と感じてる自分が居る。(汗)
面白くない訳じゃない、今のサンデー連載の中では、上位にランクインする面白さじゃないかと。(つったら他作品のファンの方には申し訳無いけど)

「貴方来世は鯖よ」
「鯖か…あれは味噌煮にすると美味い…」

無駄無くテンポ良く面白い会話は、留美子先生ならではのもの。
読んでて疲れないんだ。
絵も含めて取っ付き易いから、先生の漫画は廃れないのだろう。
ただまぁ…「うる星」描いてた頃のパワーを知ってるから、それに比較すると物足りないという感想も、正直な所持ってしまった。(汗)
若い頃のパワーそのまま作品にぶつけるなんて、誰にも出来るこっちゃないけどさ。

今作のヒーロー&ヒロインは、やけに個性薄く感じるんだけど、それは計算の内で作ってるんだろうか?
ヒーロー&ヒロイン共、特に目標を持ってない点が、作品全体に及んでる気がする。
未だ方向性定まってなく見えるんですよ。

「犬夜叉」と同じくオカルトっぽいジャンルでありながら、「犬夜叉」の様にはならないよう気を遣って進めてる――というのが、これまでの展開で自分が感じた空気だったり。

此処で敢えて少女漫画雑誌で描くっつうのも手じゃないかなと。
少年漫画に拘り持ってる先生には悪いけど、「犬夜叉」以降の先生の作品は、ストレートに少女漫画向きじゃないだろか?
てゆーか今の週刊少年サンデーその物が、少年向きなのか少女向きなのか、はたまた萌えオタク向けなのか、今一判断付かないんだが…。
「少年ジャンプ」で連載してる「バクマン」での台詞、「少年漫画雑誌のターゲットはあくまで少年」っつうのは、他少年漫画雑誌への皮肉に聞えなくもない。
微妙にオタク向けっつうのはサンデーの昔からのカラーだけどさ、今のサンデーってオタクから見てもヌルイんだよねえ。


なぞと失礼色々ヌカシといて何だけど(汗)、本日は高橋留美子先生のハッピーバースデー。

留美子先生お誕生日おめでとう御座いま~す♪♪

元々先生は伏線を特に用意せず、自然と話が転がり出すのを待つタイプ。
「らんま」も「めぞん」も始まりは静かだった。
「りんね」もテンポがアップしてく可能性は大いに有るだろうと、これからも期待して読んでます。
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君と一緒に(ルナミ編―その3―)

2009年10月08日 22時40分40秒 | 君と一緒に(ワンピ長編)





次の日目を覚ましたら、俺は羽田空港にワープしてた。
しかもいつの間にか両手におにぎりが乗っている。
乗ってるからには食わねーともったいねーから、意識がもーろーとしてる頭でモシャモシャ食う。
隣の席にはナミが居て、俺の顔を見ながら、ぶつくさ文句をこぼしてた。
高い声が耳の奥まで入って来るんだけど、眠くて何を言われてるんだかさっぱり解んねェ。
ボケッと顔をながめてたら、飯がのどにつまった。
ゲホゲホむせる俺の背中を叩きながら、ナミがコーヒー牛乳のパックをよこす。
飲んでる内にようやく頭がさえて来て、じょーきょーがつかめた気がした。

そうだ、俺、これからナミと旅行すんだっけ。
そんでプロポーズすんだっけ。

だからナミと一緒に羽田空港行って…けどおかしいな?その前にモノレールとか乗ったはずなのに、ちっとも記憶が無ェぞ。
朝起きて着替えて飯食って家出た覚えも無ェ。
昨夜ゾロと別れた後、持ってく荷物をカバンにつめた覚えすら無ェ。
流石に焦って「カバン!!」と叫んだ俺の反対側を、ナミが不機嫌な顔で指差した。
見れば隣の席に俺愛用の赤いリュックが置いてある。
開けて中を確認したら、財布から着替えまで、全部つめてあった。

「御主人様の旅の仕度は全てこの私が整えておきましたわ」
「そうかーありがとうな、ナミ!助かったぜ!」
「屈託無く笑って言うな!!高校生にもなって人に荷作りして貰うなんて、恥を知りなさい!!」

素直に礼を言ったのに、ナミは短いオレンジの髪を逆立てて怒る。
脳天にかまされたチョップのおかげで、俺の頭はますますはっきりした。
つまりナミは俺に面倒かけさせられた事に腹を立てて、不機嫌で居たわけか。
合点がいってひざを叩く俺の横で、ナミはなおも小言を続ける。

「…自分から『当日は早朝4時起きだぞ!絶対遅刻すんなよ!』なんて念押ししといて、暗い内からお弁当作って迎えに行ってみれば、荷物を準備した様子すら無く、布団の上で寝こけてんだもの。
 赤ん坊の頃からの付き合いで知り尽くしてた積りだったけど、此処までずぼらで世話が焼ける奴だとは知らなかったわ!
 私はあんたのママじゃないっつーの!」
「ところでナミ、俺まだ朝メシ食ってねーんだけど」
「今あんたが貪り食ってた握り飯は幻覚かァー!?」

ナミのかん高い声がロビーに響いて、周りに座ってた大勢の奴らが、こっちに注目した。
ばつが悪くなったのか、ナミが大人しく座り直す。
その時ちょうど飛行機に乗れってアナウンスが流れた。
ロビーに居た奴らがいっせいに立ち上がって並ぶ、俺達もカバンを持って並んだ。
と、俺の前に並んで立ってたナミが、急に振り返って言った。

「あんたと結婚する女は苦労するわね」

クスクス笑って言った言葉に、俺は何だかすげー腹が立った。


他人事みたいに言ってんじゃねェ。
苦労すんのはおまえだぞ。
「ママじゃない」っつって、母ちゃんみてーな態度すんな。


言い返そうとしたけど、後ろから押されたせいで、思いついた言葉は飲みこんじまった。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




「俺、窓際な!」

飛行機に乗った俺は、前に立ってるナミを押しのけて、窓際の席を確保した。

「別に取りゃしないわよ!」

俺の主張を聞いたナミが、ため息吐いて笑う。
構わずに、のぞき穴みたく小せェ窓にはりついて、外の景色をながめる。
夜だった空にはいつの間にか太陽が昇ってた。
滑走路から飛立ってく、俺達が乗ってるのとそっくりなジェット。
後少ししたらこのジェット機も飛立つんだ。
待ち切れなくって「ワクワクすんな♪」っつって、ナミに同意を求めようと振り向いたら、隣に置いてたリュックが消えてて、代りにナミが座ってた。
自分のカバンと一緒に、ナミが上のたなにしまってくれたらしい。
お礼を言おうとした俺の顔をジロリにらんで、ナミが皮肉っぽくつぶやいた。

「…こういう時、躾の行き届いた男なら、女性に窓際の席を譲って、鞄を仕舞って下さる配慮を見せるんだけどなァ」
「なんだ、おまえも窓際の席に座りたかったのか?だったらジャンケンして決めよーぜ!」
「そうじゃなくって、も少し大人の男らしくエスコートして欲しいってェの――」

言い合ってたそこにスチュワーデスが来て、シートベルトを締めるよう注意された。
2人して慌てて締める。
確認したスチュワーデスが去った後、ナミはもう1度ため息を吐いて笑った。

「ま、いいか。ルフィにそんな気配りされたら、鳥肌が立っちゃうもん」
「なら始めから言うなよ!第一エスコートなんてコート俺知らねーぞ!ペチコートの親せきか!?」
「だけどさ、言いたくなるじゃない?初めての2人っきりの旅行なのよ。彼女として少しは甘えさせてv」

俺の肩にもたれかかってナミが言う。
オレンジみたいな良いにおいがするほほは、赤く染まってた。
きっと俺の顔も赤くなってる。
胸ん中じわじわ嬉しさがこみ上げて来て、ナミの手をギュッと握った。
ナミの円くて茶色い瞳を見つめ、「しししっ♪」と声に出して笑う。
ナミもにっこり俺に笑い返した。


――『男』としてじゃなく、『弟』みたいな感覚で付き合ってんのかもしれねェぞ?


違うぞ、サンジ、俺達愛し合ってる。
だからずっと一緒に生きてくんだ。
俺にはナミが必要だからな。



ゴゴゴゴッってものすごい振動が伝わって、ついにジェット機が飛立つ。

一気に雲の上まで上昇した所で、機体は安定したみたいだった。
「すげェ、今日は快晴だ!」って言ったら、「雲の上だもん。当り前でしょ」ってナミに返された。
そうか当り前か、って事はパイロットは青空を人より沢山見てるんだなーって思ったら、うらやましくなった。

すっきりまぶしい青空の下、白い雲がずーっと広がってる。
まるで雪原だ、スキーが出来たら楽しいだろうな。
いや雪原だけじゃなく、海の波にも似て見えるぞ。
そういや「雲海」って言葉をどこかで聞いたっけ。

「なァ、ナミ!雲が広がってる景色って、海にも見えねェ!?」

窓にはりついたまま、ナミに声をかける。
ナミは隣で音楽を聴きながら、乗る前に借りた経済新聞を読んでた。

空の上にポッカリ浮んでる半月に気付く。
太陽が昇ってるのに、月も昇ってるって、なんか不思議だよなー。
昼と夜がくっ付いた空の下、真っ白い雲の海が広がってる。
空想の中で俺は雲の波にヨットを浮べ、風を受けて走ってた。

「楽しいだろうなー…空は海と同じで果てしないから、どこまでも行けるし…」

「ね、ねェ、ルフィ!真下を見て!富士山よ!」

想像の海を冒険してた俺を、ナミの声がさえぎった。
後ろから肩越しに、ナミが真下を指差してる。
見下ろしたそこには、雲の海から頭を突き出してる白い山が在った。

「ホントだ!富士山だ!上から見ると口開けてるみてェだな!」
「噴火口を見下ろすなんて、飛行機に乗らなきゃ出来ない、新鮮な体験よねェ!富士山に積ってる雪と雲が続いて、見分けが付かないのも面白い♪」

肩にかぶさった姿勢のまま、ナミが俺の目を見て話し続ける。

「富士山上空は気流が強くて、国内で最も危険なフライト区域なんだって。この飛行機も揺れるかも…」

直後まるでねらいすましたみてーに、飛行機がストーンと下に落ちた。
墜落まではしねーけど、一瞬無重力を味わって、俺でもヒヤッとした。
ナミが背中に思い切りしがみつく。
どうせなら前に回って欲しいと、おしく感じた。
アナウンスで機長が「今日は風が強くて揺れるけど、安全に問題は有りません~」とか何とかしゃべる。
下に見える雲が段々とぶ厚くなってくように感じられた。
長崎は天気が悪いんだろうか?天気予報を見て来なかったから判んねーや。
海が荒れてたらヨットに乗る計画がオジャンになっちまう。
揺れる度にナミにしがみつかれて嬉しい反面、俺の胸には不安が雲みたくどんどん広がってった。




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たしぎのハッピーバースデー

2009年10月06日 19時00分58秒 | ワンピース
なのですよ、今日は。

お誕生日おめでと~~♪♪

海軍の活躍が目立つ昨今、たしぎの活躍場面も久し振りに観られるかなと期待している。
新技お披露目とか有るだろうか?
ゾロのライバルの1人である事は間違い無いのだから(だよねえ?)、そろそろ彼女ならではの剣技が観たいもの。
気合で阿修羅になる奴にも負けない、すんごいインパクトが欲しいよねえ。
バックに鬼子母神が立つくらいの……どんな技だよ。(汗)
つったら今週号で出て来ましたね~。
さて、新技は…?

アニメワンピの話――

こっちでは今、離れ々々になった仲間達のエピソードを放送してるんだけど、それがほのぼの面白かったり。

418話「仲間達の行方 天候の科学とからくり島」はナミさん&フランキー編だった。
原作でナミさんずっと出て来ないから…もう出ただけで興奮してしまったよ。(笑)
シャワーシーンしっかり有ったし。
しっかりお尻見せてたし。
ナミさん=お色気=シャワーシーンの公式ですか、アニメスタッフ。
これからもオリジナルストーリーの度に、シャワーシーンが有るんだろうな~と考えると、嬉しいような恥ずかしいような。(笑)
尾田先生も昔と較べてお尻を描くようになったしね。(笑)
パンツ解禁は間近だネ。(フィギュアは既に解禁してるが)
後半作画が明らかに手抜きだったのは、フランキー編になったからか?
正直過ぎるぜアニメーター。(笑)
けど紅茶ギャグには爆笑してしまった。
続編でこの展開が無かった事扱いにされ、元通りのフランキーが登場したら、更に笑っちゃうな~。
けどアニメワンピなら有り得そうだな~。(笑)

419話「仲間達の行方 巨鳥の島と桃色の楽園!」はチョッパー&サンジ編。
後半のサンジ編、原作以上に笑った!
ぶっちゃけこれに関しては原作以上に面白かったと思う。(まぁ原作は扉絵だけだったし)
やっぱりサンジみたいな感情表現豊かなキャラは、アニメに向いてて作り易いんだなと感じたです。

420話のロビンちゃん&ウソップ編、作画が館氏で、まるで映画を観てる気分だった。
ロビンちゃんらしい機転の利かせ方だったと思うし。
それにしても前半と後半で全然雰囲気違いましたな~。(笑)
てゆーかウソップ編、正味五分程しかなかったんじゃ??
テンポが良く面白かったです。
何よりロビンちゃんが色っぺ~v

此処でお知らせ――

予告してた通り、本日各ナミ誕会場様のブクマを集めた頁のカテを、「ワンピース」に変更させて頂きました。
その際企画終了された所はブクマを外させて頂きました。
も1つ、期間限定で公開してた自作品を、下ろさせて頂きました。(つっても全て四条さん所に置いて頂いてる物だし、未だ完全には下ろしてないんだけどね…)

ちなみに現在連載中の話については、多分今週~中旬に続きをUP予定。
月末はね~、仕事が忙しいので多分落ちると予め書いておく。(汗)
今新人さんが入って来て、教える役に就いちゃったもんで。(汗)
新人さんと言っても自分より会社に入ったのは先なんだけど…自分より上の年齢の人、ベテランに教える機会が増えたのも、不景気故の事かもしれん。


シルバーウィーク中、田舎に墓参りに行って来ました。



↑田舎の庭に生ってた柿。



↑収穫した柿。
葡萄も生ってたので、持って帰って食べました。



↑田舎で飼ってる豆柴のチビ。
半年振りに帰って来たら、すっかり顔を忘れられていた。
近付くと警戒して逃げちゃうんだぜ~。
撫でるのを楽しみに帰って来たというに…薄情な。(寂)



↑お土産に買って来た「武甲山」と言う饅頭。
小振りでさっぱりした甘味の白餡を、しっとりした皮で包んでいて超美味。
見掛け栗饅頭っぽいけど、味的には福岡銘菓「ひよ子」に近い気がする。
「ひよ子」が好きな人なら嵌る味でしょう。



↑売ってるのは西武秩父駅の近くに建つ老舗和菓子屋「清月」。
商売っ気の無い主人が細々と続けてる店で、継ぐ人も居ないようなので、恐らく近い内に廃れてしまうでしょう。
美味しいのに…凄く、凄く美味しいのに……。



↑店の横に喫茶店を併設しとります。
1974年開店したという喫茶もアンティークで好い雰囲気、けど未だ入った事は無い。
店主が御存命な内に、是非行きたいと考えている。



↑帰り高速道路の途中で寄った三芳SA(上り)…で観た夕焼け空。
フリーズドライした果物を混ぜ込んだソフトクリーム「ミラクルソフト」が美味しかった。
トイレも新しく綺麗だったし、面白い土産も売ってたし、今度はゆっくり寄りたい。



そういや以前この記事で紹介した宿が全焼してしまったらしい。
不幸中の幸いで全員無事だったのは、座敷童子の御加護のお陰と考えるべきか……

……何時か宿泊したいと思ってただけに悲しい。
祀ってるお堂は無事だったらしいし、宿には何とか立ち直って欲しいんだけど……火事は恐いね……。
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秋に初夏の薔薇5

2009年10月03日 16時44分33秒 | ハウステンボス初夏の旅行記
今年の冬、ハウステンボスに行く日が決まりました!
12/3~12/5で2泊3日…最初はアフタヌーンティー狙いで11/29~12/1に行く計画立ててたんだけど、今年のアフタヌーンティー11/28(土)で終了らしい。
会員誌のファミリエには11/29(日)迄って書いてあったんです。
なのにHPを確認したら、~11/28(土)迄って有る。
(→http://www.huistenbosch.co.jp/event/photo/index.php?contest_id=3)
「一体どっちなんじゃ!?」と思い、総合インフォメーションに電話して訊いたら、「当初は11/29迄だった所、団体の予約が入った為、11/28迄に切り上げる事になった」んだそうな。
去年迄は行く3週前に予約しても間に合ったのに…今年は例年に較べて満員御礼状態らしい。
それだけ人気が浸透した証で目出度いとは思う、しかし残念だ~。
そんな訳で諦めてクリスマスイベントが始まる12/4付近に行く事にしたのです。

来年の今頃は必ずリベンジを果たす!――なぞと決意した所で前回の続きです。
今回は泊ったホテルの紹介編ですよ~。



プチ・パピヨンに寄った後、今回宿泊の予約を入れた、「ホテル・ヨーロッパ」に向いました。
丁度プチ・パピヨンの裏っ側に、このホテルが在ったり。
その2でも紹介した通り、園内でも最高級のリゾートホテルで御座います。
他園内ホテルと比較して、お値段が約1万円位お高い。
何でもオランダ、アムステルダムで百年以上の伝統を誇る、「ホテル・デル・ヨーロッパ」をモデルにして建てたんだそうな。
目立つ外観からか、よく映画やドラマの舞台に使われてます。
「ミンボーの女」、「ホテル」、「富豪刑事」、「笑うミカエル」、「神はサイコロを振らない」等々…タイトル間違えてたら御免なさい。(調べろよってか?)(汗)
内海を持つ外観は成る程規格外、日本旅館の中で似たタイプを探すなら、池を囲む様に建つ伊豆修善寺の旅館「あさば」が近いかも。
身の程を知らず2度泊った事が有るけど、「あさば」も良い宿でした。
池の中心に能舞台が造られてるんですぜ、旦那。
(参考にさせて貰った記事→http://www7a.biglobe.ne.jp/~umayu/page156.html)

閑話休題、ホテル・ヨーロッパに話を戻して。

外観だけでなく此処は至れり尽くせりのサービスが凄い。
此処に泊まってるってだけで、特典も数多く受けられるし。
現在ルームサービス&ウェルカムドリンク等は、此処でしかやってないし。
混雑してる時や疲れた時には、ルームサービスは非常に有難いのです。
夜のショー会場に最も近いという立地もナイスである。
此処に泊まり慣れると、他場内ホテルに泊った時、多少の不便を感じるかもしれない。

一方で前にも書いたけど、サービス良過ぎて放っといてくれない点を、嫌がる人も居るでしょう。
後、オランダの有名デザイナーが関ったせいか、日本人には落ち着かない点が部屋に有る…それは次回に語る予定。
部屋を重視する人なら、ホテル・アムステルダムか、フォレストヴィラの方が向いてるかもしれない。
但しこの比較はスタンダードルームに限ります…自分何処も高い部屋には未だ泊った事無いんで。(汗)

ウェルカムドリンクは大体15~17時の間にサービスされます。(チェックインが15時~なので)
寒い時季ならホットチョコレート、暑い時季ならミックスジュース(?)が振舞われる。
記事上の写真がこの時私らが飲んだドリンク。(マンネリな写真で御免↑)
部屋への案内を待つ人達に、ホテルスタッフが大きな硝子ボールから小さなグラスへ、おたまで丁寧に注いで渡して下さる。
一口で飲み干してしまう量なのが残念に思える美味しさですよ。
「メリーポピンズ」が話の中で子供達に飲ませる不思議な飲物を再現するなら、こんな感じの味かもなぁと想像してしまうほどに。(我ながらメルヘンな頭で呆れてしまうが…)

ウェルカムドリンクをちびちび味わってる間に、案内のスタッフがやって来ました。
スタッフを先頭に部屋へと参ります。
フロント前には続々と客が列を作って部屋の案内を待っていました。



↑フロントから見て奥のエレベーターを使って行きました。
こっち側には泊った事が無かったんで、なんだか新鮮な気持ち。



↑途中に在る裏口、和食処「吉翠亭」への連絡通路でもあります。
「吉翠亭」についてもまた今度。



↑エレベーター前に置いてあった、綺麗な花と豪奢なソファ。
後ろのカーテンにも注目したい所です。



↑案内された階は4階、これまたエレベーターホールに置いてあった、座るのが勿体無く感じられるソファ。(座ったけど)
猫脚ですよ、奥さん。



↑廊下も広々、両手を伸ばしても当たりません。
仁王立ちも御構い無し、何時仁王様がお泊りになられても大丈夫です。
そして毎度の事ながら泊った部屋は果てでした。(笑)



↑ヨーロッパの鍵はフォレストヴィラと同じくクラシックな鍵。
但しフォレストヴィラとは違い、出る時はオートロックで閉まります。
ちなみにホテル・アムステルダムはカードキー。
それぞれホテルカラーに合った鍵デザインで面白い。
キータッグに入ってる紋章も此処らしい。



↑逆光になっちゃって見難いですが(汗)、泊った部屋の窓際はこんな感じ。



↑ベッドはこんな感じ。



↑ソファはこんな感じ、座ると腰が沈みます。
貴婦人のドレスの如く裾にフリルの付いた家具が、このホテルの格調高い雰囲気を如実に表現していますね。



↑ライトもアール・ヌーヴォー調です。(アール・ヌーヴォーよく知らんで言ってるけど)
全ての調度品がヨーロピアンで統一されています。
壁には飾られた額縁絵はオランダの風景を描いた物でした。



↑窓から丁度ドム・トールンを眺められる位置。
この日は気温が高く、しかし風は爽やかに吹いていたという、絶好の行楽日和。
青空にすうっと長く引かれた飛行機雲が、清々しい気持ちにしてくれました。



↑見下ろせばポンツーン(船着場)、到着したカナル・クルーザーから降りた客の数人が、ホテルスタッフに頼んで記念撮影してるのが見えました。
スタンダードの割りに結構広めで、良い部屋に泊まれたと思う。

次回は更に細かく部屋をチェック!
そこには(知らない人が聞いたら)驚くような秘密が隠されていた!



コメント (2)
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