元総理大臣安倍晋三氏が、素性の知れぬ男の凶行によって斃れた。手製の銃からの2発目の凶弾、その6個のうちの1,2個が喉元に命中し、さらに心臓部付近に達したらしい。
選挙応援の演説中のことで、政治テロとの疑いが濃厚であったが、どうやら個人的かつ家庭内の事情がからんだ犯行とのこと。
さらに男は韓国のキリスト教系・新興宗教団体「統一教会」そのものに深い怨恨があり、その支援を受けていたらしい安部元首相にも同様の私怨を抱いていた、と供述しているらしい。
小生は当初、宗教団体ときいて例の「桜の会(日本会議)」系に関係する「生長の××」の何かだ思っていたが、なんと「統一教会」であることが分って驚愕した。
アメリカを筆頭に世界的にも様々な問題を起こす宗教団体から、なぜ安倍晋三のような権力者が支援を受けねばならないのか・・。いまでも、理解に苦しむ。
確かに、その団体が発行する雑誌の表紙に、安倍氏の写真が前面にでている号を見た。ネット上では、その両者との繋がりは、事情通には旧知のこととされていた。しかし、そのことの事実性というか、容易にその関連がしっかり結びつかない。つまり、禍々しさが存在し、今までに指摘されなかったのは不思議でならない(犯人の供述は、今後変わるだろうか‥)。
一方、巷間では、政治家が選挙応援のさなかに死に至ったというのは、政治家としての本懐を遂げたことであり、そのことは評価したいという声を散見した。小生は、犯人の犯行動機はいかにも、昨今に横行する無差別殺人のような身勝手なもので、少なくとも歴代の政治的テロ、暗殺事件の範疇からは大きなギャップがあり過ぎる、と思わざるをえない。
どう考えても犯人の行動は、政治思想に基づく行動原理、正当性を欠いている。小生は安部元首相の憤死だと認めつつも、ここに彼の冥福を祈ることにしたい。
前回の記事「冷える日本のポピュリズム」で、「日本の大衆は基本的に1親方日の丸、2寄らば大樹、3思考丸投げの三点セットで推移してきた」と自説を述べた。つまりそれは、「考えない、動かない、人任せ」のきわめて怜悧な大衆思想を、自分流にやや揶揄した表現であった。
自分の弱さを知る人々にとって、いちばん大切なこと、信頼にたる人とは、自分らの思惑を汲み取り、さらに泰然として強い言葉で意見・心情を発するリーダーの存在である。多少のヤバいこと、誇張や嘘があろうと、自己の思想や心情を貫き通す不惑の指導者ならば、大衆は掛け値なしに良しとするであろう。(プーチンを想定していない)
そういう意味でいえば、安倍晋三氏は在任期間中に、小泉元首相をかるく過去の人に追いやるほどの、日本大衆が認める「強いリーダー」であったのだと思う。もし、任期とか党内の人事などの事情がなければ、菅総理に後継をたのむ必要はなかったほどだ。安倍晋三氏自身も、なんらかの法政治的な事情がクリアできれば、再々度の総裁選に立候補する気概はあったかろうと思われる。
そうでなくとも実弟の岸防衛大臣を擁立するために、自民党の最大派閥形成に注力したであろう。
それにしても、元長州藩・山口県の佐藤・岸家の3代にわたる政治家としての奇怪、面妖なる生き様は凄い。戦中戦後にとどまらず、令和にいたるまで、この両家は日本の黒い背骨をきりきりさせている。ここでは深く立ち入らないが、岸伸介が暴漢に襲われ、その孫にあたる安倍晋三が凶弾で撃たれたことは、民主主義の話うんぬんよりも、かつての黒い霧がいまだに、日本の闇夜に漂っているのかもしれない。
くり返すが、「強いリーダー」がいなくなって、その喪失感をどう埋めていくのか・・。安倍氏の強いリーダーシップに心酔していた大衆は、その亡き後を誰に依拠していくのだろうか?
マスコミの社主、上層部たちは、故安倍晋三氏を「日本のポピュリズム=大衆」の代弁者と認め、また、その強い発言力と愛国・護国思想に共感を示したものが多い。今後、安倍氏亡き後の空白を埋める「強きリーダー」を誰に求めていくだろうか・・。
待望される人材は、実弟の岸防衛大臣だろうが、当の彼はそんな素振りはおくびにも出さない。但し、佐藤・岸家の人たちは、いつか豹変するというか、いつのまにか上品な衣を脱いで、頑丈な鎧姿で人々の前に現れる。それが、両家の常套・常道である。家訓なるものがあったら、是非ともお教えいただきたい。
殺風景な記事であるゆえに、最近散歩中にみとめた花、泰山木(タイサンボク)の写真をのせよう。
花言葉だと「 前途洋々、荘厳、威厳」の意味があるらしい。外国語ではマグノリアと呼ばれる。
同じ寺の境内にあった蓮の花も添えよう。
https://tanakaryusaku.jp/2022/07/00027381
氏の記事をフックに、いろいろ検索して自説を記事にしました。いつも、お気遣いいただき恐縮です。
また、お願いしますなんていったら図々しいですよね。では。