小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

頭のなかに、妄言ウィルス

2020年05月03日 | 日記

▲閉鎖された防災広場。大地震が起きたら、たぶん混乱するだろう。

自室にいると、姿は見えないのだが遊園地で遊ぶ子どもたちの声が聞こえてくる。どこかの保育園から集団で来たり、近所の子供たちが入れ替り立替り遊びに来る。ところが最近、そんな子どもたちの元気で弾むような声が聞こえて来ない。家族と一緒に自粛しているんだろうか。

そういえば、新型コロナウィルスに子供が感染して、重症化する例が殆どないのは救われる。子供の免疫力が強くて、ウィルスの方から退散するのか(これを不活性化っていうらしい)。仮に感染しても無症状で済んだとして、親には二次感染するのか、しないのか。抗体はできるのか、ウィルス数は半減以下になるのか・・(分からないことを想定するのは不毛である、ホントに)。

感染状況を相対的に概観すると、感染者の8割は治り、2割ほどが重症化・致死するらしい。この差の決定要因は、今のところ解明できていない。

実直に自粛している小生は無事であるが、再流行、再々流行したときには、いつか感染するはずだ。そのとき抗体ができるか、重篤化して死ぬことになるのか。ジタバタしない覚悟はできている。

高年齢化するほど感染、発症率が高まるのはいうまでもない。それでも、基礎疾患がある、ないにかかわらず、同じ条件下でウィルスの増殖する量・速度がこれほど個人差がでるのは不思議だ。(ここだけの話、基礎疾患をもつ高齢者を狙って取りつくかのような、この「SARS–CoV–2」(※注)に、あの植松聖を思い出してしまうのは私だけか・・。社会の役に立たない、お荷物だからという勝手な理由で殺傷したあの男・・)。

とまれ、ウィルスはそうした意思をもつわけはない。人間に敵意があるわけでも、未必の故意すらもない。前にも書いたが、ウィルスは自然の一部であり、宿主を見つけたら基本的になにもしない。多くのウィルスは自然の中にいて、慎み深く生きている。

ただ、ごく一部のウィルスが突然、牙をむき暴れ出す。それは、ウィルスが人間に対して、私たちの限度を超えた成長への欲望や、「自然」を蹂躙することに対する警告だ、と解釈する学者もいる。そうであるか、否かは科学的根拠はないのだが、こういう視座、思想はたいへん重要なものとして考えたい。

 

ウィルスは生物ではなく、限りなく物質に近いもの(無生物)と定義されている。なぜなら、栄養を摂取しないし、老廃物を排泄しない。酸素も吸わない、炭酸ガスも出さない、代謝をしないらしい。鉱物みたいに結晶化することもあるらしい。

人間の進化、つまりDNAの突然変異にウィルスが関与しているという仮説もある。いずれにしても、ウィルスには存在理由や目的はあるのだろうか。ウィルスにも遺伝子があるのだから、そのゲノム解析はできているのか。宇宙からの飛来説、神の使者説、神そのもの説・・。

シベリアの永久凍土が溶け出して、3万年前の土壌から発見されたウィルス。カナダの永久凍土では、動物の死体からスペイン風邪と同じウィルスがみつかったらしい。つまり、ウィルスの遺伝子そのものに、老化(生体劣化)をプログラムしたゲノムはない、たぶん。

今回の新型コロナウィルスは、中国武漢で発生したけれど、そもそもは2003年のSARSの変異といわれ、蝙蝠(こうもり)が本来の自然宿主だったという。エボラ出血熱のウィルスも、アフリカの蝙蝠が宿主でそれが類人猿や人間に転移した。当時コンゴで5000頭のゴリラが一斉に感染死したことは最近知ったことだ。

蝙蝠は哺乳類だから、私たちに感染しやすいウィルスで、その遺伝子の構造は似通っているのかもしれない。

バットマンはいま何をしているのだろう。ジョーカーはプアホワイトで、たぶん保険に未加入だからPCR検査を受けられない。アメリカの検査料は高額なので、無保険の黒人・ヒスパニック系の貧困層は検査をためらうという。アメリカで感染死者数が多いのは、こういう構造的な問題があるからだ。(無保険者が新型コロナで入院治療を受ける場合、自己負担額は450~790万円だという。肺炎が重篤化し、人工呼吸器を着けようとすると、「払えないから」と拒否する患者がいるとか・・。)

 

ウィルスは物質ではない。でも、ウィルスは増殖するから、生物に近い。その増え方は不思議なやり方で、SF映画のエイリアンみたいだ。

ウィルスは単独では、自分を増やすことはできない。「SARS–CoV–2」は、人間の細胞のなかに入り込み、自らのRNAを人間の細胞に認識させる。細胞はそのRNA情報を読み込んで、ウィルスの複製をせっせと律義に作りだす。やがて複製ウィルスは100~1000万にも増殖し、細胞膜を突き破っていっせいに出てくる。

ウィルスはこの地球の自然の一員として、淡々として自らの遺伝情報を刻印しつづける。私たちの側の為政者からみれば、それは宣戦布告なのかもしれないが、何億年をまたぐ自然のいとなみともいえる。1万2,3千年前ぐらいから、開墾と農耕、定住と畜産をはじめた人類は、経済と科学の歩みを休むことはなかった。

しかしながら、この度のパンデミックによって、世界の経済システムはかなり改変されるに違いない。それは不可避的であり、ある種のパラダイムシフトを迫られると思う。殊に、アメリカと日本はかなり顕著なリスクマネジメントを強いられる。

今後、ウィルスの遺伝子の科学的な研究、分子生物学や感染医療の分野は優先される。一方、環境考古学とか人類歴史学など、新しい知見も注目され一般化されるはずだ。とはいえ、科学による実証性やテクノロジーの合理性をどんなに究めても、ウィルスの全貌が解明される蓋然性はないに等しい。

突飛な思いつきを、ここに披歴する。AIは「宗教」と一体化できる、と仮定する。そのときの整合する条件、変数は誰が設定するのか。自家撞着じゃないのか? まあいい。では、その背景のビッグデータの諸相を、どんな数量値として私たちに示してくれるのか、AIは? 

果たして、それらを人間自身が理解し検証できるものなのか。人間はウィルスを克服できるのか・・。 いやいや、それこそ妄想であり、人間の傲慢といえるものなのかもしれない。

この2,3週間、ウィルスのことばかり考えている。それ以外は、世界各国のYouTubeを見て過ごしている(たとえば、イタリアの「かんちゃん」の報告)。

外に出られないから「しょうがない」のだ。妄言多謝。

▲昨日ビデオニュースに巨大ウィルスの研究者、武村政春氏(東京理科大学理学部教授)が登場した。「この世界はウイルスでできている」ダイジェスト版

 

(※注)新型コロナウィルスの名称は、「SARS–CoV–2」2003年のサーズ流行のときの新型コロナの2番型ということだ。「COVID19」とは、このウィルスによる感染病の名称ということだ。

 

 

 


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