秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ   SANE著

2007年09月14日 | Weblog
九月十三日
今朝、四国放送に娘の中学時代の同級生がミュージシャンとして出演していた。アカヌケテいた!あの男子は、こんなにカッコよかったんだ~と朝から感激して正座をしてテレビを見た。自己紹介で「三好市東祖谷出身です!」と大きな声で言っていた。あんたはエライ!私が出身地を口にできるのは、町の美容院でのみだ。
「今日はどちらからですか?」
「東祖谷からです…」「東祖谷って、かずら橋のところですか?」「イイエ、かずら橋からまだ剣山よりです」「……?」
スタッフが代わるたびに、同じ質問が私を襲う。
今日は、そんな美容院や、他の野暮用をかね、ついでに町の娘達のアパートを訪ねた。本日、臨時休日になった長女がアパートにいた。何故か部屋がすっきりと片付いてるように見えた。長女は部屋中の小さな観葉植物を集めて箱に並べていた。「何しとん?」「今日、地震がくるよ~去年テレビで霊能者が言ってたよ!」「なんで、観葉植物なん?」
「散らばったら、困るもん」
「それより食器棚とかテレビが危ないだろ」「そうなんかなあー?」娘は一瞬キョトンとしてそれでも箱を眺めている。ヤッパリ、主人の遺伝子再確認!どこかが、違う。焦点が違う。
娘達のサイトによると、絶対に本日地震が来ることになっているらしい。それにしても、観葉植物はないだろう?部屋も綺麗に掃除してるし、掃除と地震とどんな因果関係が在るんだろう。脳みそを見てみたい。本当に私の子?取り敢えず、私はキレイナ女子に成る為に美容院に行く事にした。娘が暇だから付いてきた。
娘は後ろの空いた椅子に座って、鏡ごしに私を見ている。観察されているようで変な感じがしたが、たまにはいいか~と鏡を見ていた。店員に言われるがまま、シャンプー台に移動する。シャンプー、完了!もとの場所に戻る。鏡ごしに娘が、ミエナクナッタ!「あれっ?」と思って後ろを見て軽く探した。「イナイ?」何気なく私の隣の隣を見ると、娘が座らされてすでに胸にケープを掛けられている。娘は椅子を軽く回転させながら、ニコニコしながら、座っていた。
「ハア…???」
早い話しが、娘はお客様と間違えられて椅子に座らされたようだった。オカシイ?と感じながら、店員さんに気の毒だと思って取り敢えず座っていたという。結局、空いていたので娘はそのままお客様になった。ふと、自動車販売店に入ってカタログをもらってタダのコーヒーを頂いては、ニコニコして座って店員の話しを聞き流していた、カタログ詐欺の主人を思いだした。家にはすべてのメーカーのカタログが揃っていた。店員さんの見積り書を見る度に私は胸が痛んだ……がコーヒーは美味しかった。私も詐欺の片棒でした。
店員さん、有難う!
夕方、仕事を終えた次女と焼肉店で夕食。次女は最近、長女の情報によると、彼氏にフラれかけているらしい。女を磨くと言って、バックを買って「レトロ調で、綺麗だろう~」と私に見せるが、どうみても、ゴミ捨て場からでてきた昭和初期のバックにしか見えなかった。娘のストレス解消で、日本のバックの在庫がひとつ減った。めちゃくちゃ、経済に貢献してる。
そんな次女を見ていて、私は悟った。若い頃は想い出が邪魔をして、前に進めなくなる。新しいステップがなかなか踏めない。必死で想い出を振り切ろうと、もがき苦しむ。
歳を重ねると、想い出を必死でひとつ、ひとつ啄む。カケラまで、必死で集めようとする。全ての記憶を、封じ込めようとする。それが歳をとるという事。いつの日か振り返り、マジックで塗り潰したくなるような恋は、してほしくない。娘達よ、頑張って下さい。
去年の今日、主人を連れて高松市内の病院に行った。私の長い一日が、あと一時間でひとつ終わる。
それにしても、古い機種の携帯電話で改行をいれてメールをするのは、編集に手間がかかる。が、私は、「いい人」!改行、頑張ります!読者の方々、有難うございます! 合掌
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする