秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ   SANE著

2007年09月21日 | Weblog
お勉強
夕方の6時30分、太陽も沈みかけているのに、空は明るい水色を残して半月の明かりが輝いている。雲はそれぞれの微妙なグレーの色を少しずつ崩しながら、ゆっくりと動いていく。毎日同じような時間、祖谷の景色に同じ色はない。枯れてしまったままアスファルトに落ちていく葉っぱを少し気の毒に感じながら、その上を「ゴン」と歩く。ゴンが、素早く反応して噛み付いたものは、ただの小石だった。夕方になると周りは白黒になる。それは飼い主も同じこと。ゴンに「アホっ」と言いながら、私は大きな葉っぱを蛙と勘違いしてジャンプした。
明日は「彼岸の入り」
「お彼岸って、何?お坊さんは呼ばなくていいん?」娘に春の彼岸にも聞かれた。というよりもしつこく質問された。このしつこーい、口説い性質は主人の遺伝子ではない。主人は口説い話しを嫌った。男は大体そんな生き物なのかも知れない。口説い男は大体周囲から敬遠される。世の男性の中には、女にあれこれと問い詰められた状況の時、大きな声、威嚇、もしくはチカラという武器を使って闘う。男は女よりもきっと芯の弱い生き物なのだ。だから神様がエールを送り「チカラ」というプレゼントを用意してくれたのだ。
「ナミダ」は女の武器という話しもあるけど、最近の男でもかなりナミダ脆い人がいる。女は、男より強い。はるかにしたたかで、強い。神様は男に子供を産む機能は与えていない。「腹が据わる」これはまさしく女の強力な武器。
なんで私はこんなにも話しがそれるんでしょう?彼岸の話しから男の悪口になるなんて、大変失礼しました。とにかく主人は、嫌になる位、考える事を嫌う人だった。たまには、じっくりと政治の話しでもしてみたくて、私がニュースを見ながら言う。
「国会議員って、多すぎることない?税金の無駄遣いじゃない?」
主人はメガネを磨きながらほんの少し、そう一瞬テレビの画面を見て、またメガネを磨きながら声をアゲル。
「国会議事堂の中にミサイル打って、みんな死んだらええんじゃー」
「…?ハテナ…?」
夫婦の政治論議は、一分で終わる。主人がニュースのコメンテーターでなくてよかったとツクヅク思う。一分では、番組が続かない。夫婦は、うまくできている。私は慎重派、主人は考えない、ヒタスラ考えない。私は良い妻だ!本当は主人は国会議事堂とは言わなかったのだ。正しくは「国会の箱ん中に」と言ったのだ。私は本当に良い妻だ。
娘達がしつこいのは、私譲りなのだ。リングの端まで相手を追い詰めて、答えを求め、隙を与えてはくれない。あー、懐かしい。引き算するのは面倒くさいから細かい年齢はパスして、とにかく若い頃の私にソックリ。だから若い頃の恋愛は木っ端みじんとなった。今のおばさん式「知恵」を提げて昔を生きていれば、言い寄られる相手をバンバン、断る事に、忙しかっただろう。ゴメンナサイね。だから、「お彼岸って何」と深く意味を質問されても、簡潔に答える事は出来ない。今は、宮の内の和尚の俳句の漢字を全て読めるように勉強します。 合掌
コメント
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