秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

さよならゴン   (SA-NE)

2010年11月28日 | Weblog
主人との22年の結婚生活の中で、三日間だけ、口をきかなかった時があった。
友人から、純粋の柴犬を二頭、かりてきて、暫くの間飼い、交尾をさせて、生まれた犬を、飼う。
主人は、何でも思いつけば、勝手に行動に、うつしていた。
病弱だったから、そのわがまま病も含め、私は結構、寛大な妻だった。
そんな私でも、
《動物を飼う》
という主人の思い付きには、正直、呆れた。
病院に通わなければならなかった身体なのに、いつ、入院しなければいけないか、わからないような日常なのに…
《動物を飼う》
それは、私の負担が、増すだけの事だと、解っていたから、
私は、反対の意見を貫き、主人と無駄と解っていながら、口をきかなかった。

18年前の、1月9日の冬の正午。
子犬が四頭、産まれた。
モグラみたいな、大きさで、ヌメヌメしていた…
お母さん犬が、舐めながら綺麗にしてあげていた。
主人が、言った。
『あんまり、近づいたらいかんぞ!親犬は、神経、高ぶっとんぞ!』

少し、距離を置いて、娘達と、
《新しい生命》
をじっと、見つめていた。
兄弟犬達は、飼い主のもとに、それぞれに、引き取られた。


あれから、18年。
家族の時間の中に、いつも一緒にいた。

春…
夏…
秋…
冬…

季節の中で、
たわいのない時間の中で、何をするのも、一緒だった。生活の時間の、優しい香辛料みたいに、傍に居てくれた。

八年前に、熊が一頭、入る位の、小屋を建てた。
自由に、過ごせるように。
多分、主人は、壊す計算は、していない筈だから、
私は、また解体の真似事を、しなければならない…


二週間位前の、寒波の到来以来、歩けなくなった。
この、一週間は、視力も、全くなく、起き上がる事さえ、出来なかった。

昨日、静かな場所に、連れていき、20分位、日光浴させた。
元気な頃、来ていた、散歩道だった。
冬の匂いのする、最期の、散歩になった。

ゴンを看る為に、昨日、帰省した次女と共に、主人のお墓参りに出掛けた、2時間余りの時間…

家に帰ると、
ゴンは、玄関のゲージの中で、冷たくなっていた。
身体は、固くなってしまっていた。

四年前の
主人みたいだった…

まだ、私の身体には、涙の細胞が、残っている。
泣ける…
バンバン…泣ける。


ゴン…
ありがとう。
お前が居たから、頑張れたよ。
一人では、なかったよ。

『生ききる』
という、
『チカラ』
を君は見事に、私に遺してくれました。

ゴン…
多分、目尻の垂れた、前の飼い主が、近くに迎えに来ていると、思うから、
目一杯、甘えるといいよ。

ありがとう
さようなら
私達の家族の一人
カッチョよかった、
愛する
柴犬 ゴン!
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奥祖谷初冬点描

2010年11月28日 | Weblog
まもなく雪を被るであろう祖谷の山々と山麓の冬枯れ風景 










































































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