秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(別れと値切りとシシの道)

2010年11月30日 | Weblog
わたしは、
計算高いオバサンに、成長している…
どんなに、究極の失意のどん底に居ても、お金が絡むとなると、別人格の神様が、わたしに憑依して、勝手におくちが、喋りだす…


昨日、某動物霊園に、午後から娘達と集まった。
火葬を、して頂く為に。
土葬なんかして、
イノシシ君か、イノシシ姫に、掘り起こされたのでは、タマラナイ!
育ての母は、ゴンちゃんを、キッチリと供養しなければ、ならない大事な努めがある!

行きたい、目的の霊園は、決まっていた。
看板を見て、あそこって、なんか良さそう~と決めていた霊園!

ここで、ポイント!
最初から、お願いします~!なんて、電話で予約しては、いけません!値段を、決定付けられたら、もう、交渉成立のお約束!
定価があって、ないような、商売が世の中には、うじゃうじゃ存在する。
わたしは、とりあえず、電話をかけた。行く霊園を、決めているのに、電話をかけた。

『もしもし~あのぅ、ちょっと火葬費用をオシエテ、頂きたくて、数件、電話をかけているんですけど~』

優しそうな声の、オッチャンが、動物の重さで金額が変わるが、柴犬なら〇万〇千円かなあ~と言った。
『〇万〇千円ですねぇ…では、それならそちらにします。よろしくお願いします。』


そして、娘達と、現地に着いた。
やっぱり、優しそうな、オッチャンだった。
オッチャンは、パンフレットを出してくれて、
「これに印刷しとるように、目方で金額が決まってるんでわ~」
と、やっぱり、優しく、説明してくれた。


このシチュエーションで、別人格の神様が、わたしに憑依した…

『5キロ以内ですぅ~ほとんど、5キロはありませ~ん』

段ボールの中には、花とお菓子に飾られた、ゴンが眠っている!

その段ボールを、軽~く?持ち上げながら、久しぶりに、綺麗げえに腰痛を我慢して…微笑む・わたし!
オッチャンの瞳を、見詰めながら、
『ねっ、ねっ、5キロでしょう!』
と、段ボールを、揺する!
(ゴンよ!遺体を揺らしてごめんなさい…)
オッチャン、一言

「…ヘッ…そうじゃなあ~」

商談成立!

1時間の火葬時間。
車の中で、ゴンを見送った。三人で、煙突の小さな煙りを見ながら、見送った。

私は、ふと思いだした。
主人が、亡くなった直後も、行く葬斎場は、決めていたのに、
同じような、交渉をした…

『そちらは、迎えの寝台車、県外でも別料金取るんですか?』
「あ~、それは、サービスさせて頂きます!」

『それなら、お願いします!』


この、別人格神様は、きっと、九州の祖父の血なんだ!
どんなに、どんなに、哀しくても、交渉事は、コナシテしまう?


そして、今日。
夕方、ゴンを、主人のお墓が見上げられる、原っぱに、埋葬した。
鍬で土を掘る、ワタシ。横で見つめる88歳のオバサン!

掘るワタシ
オバサンが傍に、くっついて来るっ!

『掘らせや~!』
「ええよ~!膝も腰も痛いのに、自分で掘るから~!」
『ちょっと・貸してみぃ~!』
「かんまんけん!自分で掘るけんっ!」
『掘らしてくれぇや~』

オバサンは、ワタシから鍬を、奪い、
『グェグェ!』
と掛け声を発しながら、穴を掘っていた。

とても、楽しそうに見えた…?

オバサンが、そこがエエゾ!と言った場所に、穴を掘り、小石を敷き、骨壷に納めたゴンと、ゴンのお母さん犬の写真を、埋めた。
小さな墓石を乗せた。
お水を、かけた。
野生動物避けに、無駄かも知れないけれど、百均の蛇よけを、周りに撒いた。


帰り際、
振り向きながら、オバサンが、言った。

『明日、見とってやるわ…シシに掘られてないか…』
「なんで…?」

『あそこは、シシの道ぞよ~!シシ通るわの~』

オバサンは、何科を受診したら…いいんだろう…?

ゴンに 合掌!





























コメント (2)
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