Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

砂丘館と周辺散策~新潟の芸術文化の香り

2015-11-13 | アート
砂丘館は新潟駅を北上し、信濃川を越え日本海近くのドッペリ坂という坂を登った簡素な住宅地に位置する。



元は砂丘だったという土地に日銀支店長宅が建ち、30代もの支店長が暮らした大きな館というわけで、どことなく威厳がただよう。





中に入ると迷ってしまうほど部屋はあちこちに配置され、古風な庭の紅葉が美しい。



平成12年から一般公開され、平成17年から芸術、文化施設として新潟絵屋・新潟ビルサービス特定共同企業体による管理・運営が始まった。



伝統的な日本家屋の落ち着いた部屋で、美術作品を観ながら、その延長に窓越しに赤と黄色に色付いた木々が目に入ってくる。







ここまで極上の芸術と伝統の融合が味わえるのは初めてで、心穏やかになる至福のひととき。
いっぺんで砂丘館のファンになってしまった。
大倉館長の話では、コンサートやダンスなどのパフォーマンス、お茶会、読書会などの市民の文化活動に開放され、絵の前の畳の広間でヨガ教室もあるというからびっくり。
最近は時々コスプレの若者たちも撮影に来るらしい。
大倉さんにいろいろ砂丘館の説明を受け、砂丘館を満喫後、大急ぎで周辺を散策。
大倉さんからの詳しい取材内容はUS新聞に書く。
周辺の様子を前日と合わせて紹介しよう。

砂丘館の横のあいづ通りを抜けると途中公園があり、目の前が日本海。





日本海見たかったんだ…
これでこの辺りの土地は砂丘だったと実感。

砂丘館の近所には「安吾 風の館」があり、新潟出身の坂口安吾の所蔵資料を展示してある。







すぐ近くの神社で坂口安吾の石碑も見つけ喜んで、文学ゼミ2つも取っている長男に報告したら、「おおっ、坂口安吾ね!『堕落論』読んだわ」(これは早稲田のNHKテレビのロシア語講座の貝澤ゼミなのか、TBSの「王様のブランチ」の市川真人ゼミでか?真人先生、安吾読ませそうだよね…) ワタシも『堕落論』読みたくなったわ!



館長の大倉さんの案内で新潟市美術館もすぐだった。



川村清雄という日本近代絵画の先駆者の展覧会が開催されていた。



勝海舟のお気に入りの画家で歴代将軍や福沢諭吉などの肖像画を油絵で描いていて、なかなか面白い。



真ん前の公園を抜けると旧齋藤家別邸という大きな館があり、こちらもお庭が砂丘館より広かった。





というわけで、文化の香りのする地域をほんのちょっと急ぎ足で回っただけだったが、新潟の文化の土壌の深さを感じられた。
大倉さん、ありがとうございました。