その男、凶猛につき
夢の中で私は、昔勤めてた会社の上司と久しぶりの再会を果たしていた。
私はとても懐かしく嬉しく思ったが、その男はとても機嫌が悪そうだった。
何とか、話を合わせようとするもなかなか噛み合わない。そして終いには、”俺さまには最敬礼をしろ!”と凄む。
私は青くなった。
少しは贔屓目にしてくれてた上司だったから、そんな強引な一面があるとは思いもよらなかった。
”昔は上司だったけど、今は一対一の平等な関係です。せっかく会ったのに急にそんな事言われても・・・”
戸惑う私を尻目に、男は更に言い放つ。
”昔はペコペコしてただろ!だったら今でも出来るはずだぁ。土下座して最敬礼の挨拶をしろ!”
とても横柄で大柄の男だった。
背丈は私よりもやや小さかったが、筋肉ムキムキで今にも飛びかかってきそうな、凶猛しい雰囲気があった。
私はその男をよく見た。昔の上司とは似てるようで、似てはいなかった。
男は韓国の肉体派俳優のマ・ドンソク(写真)そのものだった(「この男強すぎ」も参照)。
勿論、上司はヤクザっぽい所はあったが、弱者や部下に対しては、とても理解が深かった。
しかし目の前にいる岩みたいな男は、全くの凶人に思えた。
言い合って、喧嘩にでもなったら私は殺される。不安と危機感が全身を駆け巡った。
私は黙ったまま、男の興奮が静まるのを待った。
しかし、男は私を罵り続けた。
私は我慢した。悔しいが、それ以外にその場を乗り切る方法はないと判断した。
男の破壊的な脅しは、次第に重く私にのしかかってくる。
土下座して謝ろうかなと思った瞬間、夢の舞台が変わった。
無言の怒り
私は、ある川のほとりで広い土地を耕していた。私も含め、皆うつむき加減で何も喋らず、気落ちした無表情のまま田畑を耕していた。
その時、監督らしき男が大声で何かを叫んだ。
”作業が遅い。全然進んでないじゃないかぁ〜もっと気合を入れろ!明日の朝までに、この一体の土地を耕し終えるんだ。わかったかぁ!”
ある作業員が精一杯の抵抗を示す。
”これ以上無理です。みんな疲労困憊だ。せめて休憩を!水も食事も取らずに頑張って、これじゃ死んでしまう”
男は丸太みたいな太い腕で、その作業員を殴り倒した。
作業員は力なく倒れ、ピクリとも動かなくなった。
私はずっとその男を見ていた。
やはり(マ・ドンソクによく似た)あの男だった。
男は私の視線に気付いたらしく、嫌味な薄笑いを浮かべながら、近付いてきた。
”何ジロジロ見てる。とっとと作業にかからんか、コラぁ〜!”
私の両膝は震え、大きなスコップ(剣先)を握る手も大きく震えた。
怒りと屈辱と土に塗れたスコップが、神様が与えてくれた”正義の剣”に思えた。
男は不貞腐れた様な薄笑いを浮かべ、私を侮蔑する様な曇った眼光で一瞥し、私に背を向け、去っていこうとした。
その瞬間、神に誘われるかの様に私はスコップを高々と頭上に持ち上げた。
そのスコップの尖った部分を男の頭の上に、満身の力を込めて振り落とそうとした。まるで、ギロチンが囚人の首を刎(は)ねるがごとく・・・
スコップの刃は男の首をハネる筈だった。いや、そのつもりだった。もっと言えば、男は首をハネられるべきだと思った。
しかし、そこで夢から覚めた。
悪は不滅なのだろうか?
私は性善説を信じる事が出来ない。
夢の中で私は、善を行使する事が出来なかった。何を罵られても、どんな屈辱を味わっても、耐えるだけで善は成し遂げられるのである。
若い頃は、そうした善に近い忍耐力が私にもあった。
しかし今では、夢の中の私のように耐えきれなくて、キれる時が偶にある。
勿論、”目には目を”が正義ではない事は十分に理解してるつもりだ。
もし、夢の中での私が男の首を見事にハネていたら、私は英雄に奉られたであろうか?
いや、振りかざしたスコップを男に遮られ、フルボコに殴られ、殺されてたであろうか?
いやそのまま振りかざす筈の”正義の剣”をぐっとしまい込み、何事もなかったかの様に、男に従ってた方が良かったのだろうか?
つまり、悪を行使し英雄になるか?悪が悪に遮られ、最悪の結果になるか?善を行使し、仕方なく悪に従うか?
ほんの短い単純な夢だったが、色んな事を考えさせてくれる夢だった。
夢に出てきたマ・ドンソクは、映画で見るよりもずっとずっと憎たらしかった。
しかし、素手で殴り合って勝てる相手ではない。”目には目を”で刃迎えば、潰されるのは目に見えてる。
まるで神様が、善と悪の行使のどちらが効率がいいかを試してるような夢だった。
しかし、私は夢の中ではあるが、明確に悪を選択した。悪は悪同士で決着を付けようとしたのだ。
最後に〜善と悪
つまり、悪は悪同士で殺し合いをしてもらった方が効率がいい事になる。
善は行使される事で、悪に従うという負の側面もあるが、悪を遠ざける事は出来る。つまり善を行使し続ける事で、やがて悪は分断し、そして収束して、善が悪を覆い尽くす。
数学的に考えれば、善の行使が悪よりも効率がいいとなる。
しかし実際には、悪は姿形を変え、悪同士で結びつき1つの大きな権力となり、一方で社会の隅々に棲み付いては、しぶとく繁殖する。
やはり悪は、ギロチンの刃で切り落とすべきだろうか?
かつて、ルイ16世を処刑したフランスの革命家ロベスピエール(1758-1789)は、恐怖政治(テルール)を敷き、テロリズムの語源を作った。
もし彼が夢の中の私だったら、同じ様に震えた手でギロチンを持ち上げ、男の頭の上に振りかざしただろうか?
いや彼の最期と同様に、そのギロチンで自らの首が切り落とされたろうか?
そのロベスピエールだが、かのナポレオン・ボナパルトをもってして、”もし彼が処刑されなかったら、この世でも最も優れた人物になっただろう。私と彼が出会わなかった事を残念に思う”と言わしめた。
結局、どんなに優れた人間も悪を行使すれば、その悪に最後は淘汰されるのだろうか?
それとも善と悪は表裏一体で、”優れた悪”こそが善になりうるのだろうか?
”徳なき恐怖は忌まわしく、恐怖なき徳は無力である”というロベスピエールの言葉には、善と悪が共存してる事を示唆してる様に思えてならない。
今の大谷はスランプですね。
球場全体もざわついてましたし
良い時の大谷じゃないのはハッキリしてました。
表情も硬かったし
迷子になった子供のようでした。
少し休めば何とかなると高を括ってたんですが・・・
野球って難しいスポーツなんですね。
でも”44本&9勝”というMLB史上唯一の金字塔が消えるわけじゃないし
胸を張って残り18試合をプレーしてほしい。
ただ中6日でピッチリとローテを回してるけど
もう1日や2日余裕をもって空けてもって思う。
それと
ロベスピエールの件とても勉強になりました。
振り出しが早すぎて、全てに泳いでます。
いい時は引き付けて多少詰まってもフェンスオーバーしてたんですが、今は引っ張らないと飛んでくれない。
特に右上腕の筋肉が固くなりすぎて、力まない限りパワーを絞り出せないのかな。
来季の事を考えると、投手に専念し10勝した時点で休ませるのもありか。
でもここまで来ただから、50本は無理としても、”10勝&本塁打王”も取らせたいって気持ちも判るんですが・・・
実際は大衆寄りの政治家だったんですよね。
しかし元祖”恐怖政治”のルイ16世を追い詰め、ギロチンで処刑し、その頃から彼の人生も大きく変わっていきます。
ギロチンのはそのものは悪ですが、”正義の剣”という名の元で使えば、悪はなくなると思ったんでしょうか。
しかし悪は彼が思う以上にしぶといものでした。
転んだサン言うとおり、悪はどんな所にもしぶとく蔓延り、集団化して大きな権力となり、ギロチンによる処刑の数も増えました。
結果として、ギロチンという悪の行使は効率が悪すぎて、廃止になったんですが。
たとえ善を行使したとしても、同じ様に悪は蔓延り、中東のテロリスト対アメリカ政府みたいに、悪vs悪の戦争により多くの犠牲者が出ます。
つまり、悪と善という二項定理の考え方では効率が悪すぎるんでしょうね。
知れば知るほどに興味をそそります。
ルイ16世を処刑し、恐怖政治を終わらせたのは良かったんですが。まさか本人が恐怖政治の主になるとは思っても見なかったでしょう。
結局、悪とは何時の世も何処にでも蔓延るもので、時には結集し、時にはバラバラに分断し、捕える事の難しい得体のしれない化け物です。
そういう私の中にも悪は蔓延ってる訳で、他者を監視すると同様に、自分という得体の知れぬ化け物も常に監視する必要がありますね。
強打を見せ付けてた男が恐怖に怯える。
言われるように
右肩が張ってるからすぐに身体が開く。
無理に溜めようとすると振り遅れる。
ああ、どーしたらいい?
本塁打タイトルの競争による焦りやストレスもあるだろうし
でも今日は内安打が出たせいか、自分のスイングが出来てる様な気もします。
それに登板を回避したのも精神的には大きいのではないだろうか。
さっすが!転んださんの考察は鋭い。
ホームラン性の大ファールもあり
笑顔もよく出てましたし
完全復活も近いような気もします。
テーマが横道に逸れてきましたねぇ
それはともかく、引っ張る癖はまだ治ってませんが、感じとしては悪くないし、タイミングも合ってきてる。
ただ、右肩がまだ硬いのかな?
登板をもう1週間ほど空けて様子をみてみないと・・・
右腕に違和感があるというので、完全復活といって調子の乗ると怪我する事もあるので、注意が必要ですね。
それと、落ち込だ大谷が夢に出てきました。これも記事にしようと・・・よろしくです。