リーマンの謎に関しては、しつこい程に”無限級数”というのが登場します。ある意味、現代数学のトリックにも似たものでしょうか。
そこでもう一度、”無限級数の和”というものをおさらいします。
無限級数の和とは、数列{aₙ}にて、∑ₙ[1→∞]an=a₁+a₂+a₃+・・・+aₙ+・・・で表される事は何度も書きましたが。実はですね、これは"+で結んだ単なる式”であり、無数の項を全て足し合わせた”極値ではない”のです。
つまり、数学的には無数の足し算をやる方法は定義出来ない。では、数学的には無限級数の和を、どう定義するのか?
そこでまず、Sₙ=a₁+a₂+a₃+・・・+aₙという有限項の部分和を作り、lim(1→∞)Sₙ=Sに収束する時、無限級数の和=∑[1→∞]aₙ=Sと定義する。
つまり、無限級数の和とは、数列から部分和を作り、その部分和の極限(値)の事で、言い換えれば、(無数項の足し算はできないが)部分和を無限に拡張し、全ての項を足した極値として、定義してるだけの事ですね。
お陰で、部分和を変更する事で級数の和が様々に定義できる。それらを一般に総和法と呼ぶが、”収束する部分和の定義”に他ならない。
アーベル総和法や振動アーベル総和法で、新たに定義される”新しい和”とは、”収束する様に部分和を変更した無限級数”に過ぎませんでした。そして、その新しい無限級数を使って、発散する筈の無限級数の極値を求めます。
この新しく定義したこの無限級数を公式に落とし込み、インチキじゃない事を証明するのですが。数学が常に、証明がついて回るのも、仮定(過程じゃなく)というのが前提になってる訳です。
あまり、ピンと来ないのですが。宇宙空間を例に取ると。宇宙という不確かな空間に対し、太陽系というある大きさに収束する部分空間を例に取り、この太陽系という空間を、無限に拡張した空間群が収束すれば、宇宙という無限空間もある大きさに収束するという訳で。実際、収束するのか膨張するのかは、証明されてませんが・・・
この宇宙空間というのは、N次元空間をイメージするのにも重宝します。先ず、地球の周りを月が回ってるのを、1次元と考えると、地球が太陽の周りを回る太陽系は2次元。太陽系が銀河系の中心を回るのを3次元・・・
すると、一気にN次元までイメージが拡張出来る。つまり、N次元とは、(Nー1)次元空間がN次元の中心を回ってる世界ですね。実際はもっと複雑なんですが・・
”無限級数の和”という定義を改めて確認すると、”総和法”という見事なトリックの罠が見え隠れしますが。全ては直感と思考を鍛える為のツールかもしれません。
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