｢サイレント･ハウス｣に見る､エリザベス･オルセンの圧巻の演技力(更新)

　映画自体は､どこにでも目にする様な単なるホラー作品ではあった。
　事実､専門家の評価も5点満点中3点ほどである。
　一人称視点のゲームのキャラを背後から映した様な撮影方法で､ワンカットで撮影されてる点はハリウッドにしては地味だが､不思議と新鮮味を覚えた。
　勿論､不満も沢山あった。
　エリザベス･オルセンの演技ばかりが目立ちすぎて､他の登場人物の存在がとても曖昧で非常に薄い。お陰でシナリオを理解するのに時間が掛かった。

　一言で言えば､小さい頃に父親から性的虐待を受け､心を病んだ女性が大人になり､父親に復讐するというシンプルな展開だ。
　ウルグアイの小さな村で実際に起こった事件を元にした｢SHOT(ショット)｣のハリウッドリメイク版。
　90分ずっとカメラの前に居続ける､エリザベス･オルセンの感情表現豊かな､繊細で質の高い演技力は見事だったが。それ以上に､彼女の演技のバランス感覚と多種多様な存在感には圧倒された。

　全てが高い次元で整っている。顔､胸､腰､下半身と肉体だけを見ても申し分ない。
　ハリウッド女優にしてはスリムでやや小柄に見えるが､168cmの身長でも顔はとても小さく性格は穏やかだし､頭からつま先まで全てが整ってるから､コンパクト見映るのだろうか(追記)。
　その上､｢オールドボーイ｣(2013)で魅せたヌードは圧巻だった。小ぶりだが豊満なバストは育ちの良さすら感じさせる。まさに脱いでも凄いスーパーガールなのだ。

どんな美女も老いには敵わない？

　子役としてファッションデザイナーとしても成功を収めた双子のオルセン姉妹(アシュレ−とメアリー)は知ってはいたが､その妹がエリザベスとは・・・
　しかし彼女も子役として僅か4歳でデビューしてたんですね。
　そんなエリザベス･オルセンですが､前々から気にはなってた女優さんでもあった。

　可愛いけど､よく見ると非常に整った顔立ちで､スッピンでも美人だろうって感じさせる。犯したいと思う程の露骨で陳腐な色気はないが､ずっと一緒にいたいと思わせる心地良い魅惑が漂う。
　韓国の美人女優ソン･イェジンもかなりの演技派だが､彼女も全く負けちゃいない。特に､繊細かつ大胆でかつ多彩な感情表現は圧巻の一言だ。
　でも､この作品が彼女の映画デビューとは､少し衝撃を覚えた。気まぐれな女性の持つ､ありとあらゆる表情をフィルム上で高質に再現できる彼女の表現力は､神からの贈り物と言わざるを得ない。
　ぜひ､2人の共演を見てみたいもんだ。

　そんな彼女も今年で31になる。
　悲しいかな､彼女の天賦の才を持ってしても双子の姉と同様に､30を過ぎると老化と劣化は免れない。美女の賞味期限と消費期限は悲しいほど短いのだ。
　｢サイレント･ハウス｣(2011)は､彼女が22歳の時の作品である。個人的には｢ウインド･リバー｣(2017)の時の彼女が一番よかった。

　多分､彼女は今がピークかもしれない。しかし､子役としての活動はそこそこにして､勉学にも励み､お陰で今では双子の姉たちを凌ぐ活躍ぶりだ。性格はとても真面目で協調性もあり､演技にかける情熱は半端ないそうだが､本当の勝負はこれからだ。
　年をとってオバサンになってからが､女性の女優の本当の戦いが続く。
　エリザベス･オルセンのオバサンになってからの活躍がどんなものなのか？じっくりと拝ませてもらいたいもんだ。

　でもこうして書いてる内に､彼女の魅力も時代に薄れていく。結局､アメリカ白人系美女って飽きられる為に存在するのだろうか？
　捨てられる為に美女が存在するとしたら？これもまた美女の儚い運命なのかもしれない。