象が転んだ

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「サイコパスインサイド」に見るサイコの脳と遺伝と環境”その10”〜何故サイコパスは存在するのか?

2018年06月18日 22時18分10秒 | サイコパス

 昨日、”長いお別れ”と”ハンズオブストーン”を読んで下さった方、どうも有難うです。ハンズオブストーンの場合、公開された当初、話題は呼んだんですが、作品自体の出来に賛否両論が湧き、レヴューもイマイチでしたが。
 よく見ると非常に良い出来の作品だったと思います。どうも、タイタニック病が世界中に蔓延ってるらしく、皆、映画感が麻痺してんですな。
 後、”タイタニックは駄作”はもっともっとアクセスしてくださいな。世界で拡げよう”タイタニックは駄作の和”ですね。


 さて本題に移ります。

 前回は前々回と同様に、サイコパシーの行動は自身の力で制御出来るか?という非常にややこしく感傷的な内容に終止したんですが。なかなか遺伝とか先天的な素因は、努力とか意志とかの、後天的要因では解決できないもんですね。サイコパシーも奥が深いと。

 そこで、今回は”何故サイコパスは存在するのか?”をテーマにします。

 サイコパスは、約2%の確率で存在すると言われてます。この2%とというのは、知能指数が130以上の人が占める割合ですかね。何かで聞いた事があるんですが。という事はある意味、選ばれた民でもあるんですかね。


 それに、このサイコパシーに見出される特性と関連対立遺伝子には、人間として幾分なりとも”好ましい”ものであるとも語ってる。何処が好ましいのか?

 というのも、進化は、このサイコパシーを拭い去るどころか支えてきたと。脳損傷や児童期の虐待もサイコの寄与因子であるから、サイコパシーはこれらマイナスの要因の不幸な結果ではあるのだが。 

 つまり、遺伝子とその関連するサイコ的特性とは、生存する為の何らかの利点を持ってる筈だと。


 しかし、この2%という”殺戮の遺伝子”の様な、特異遺伝子の含有率は広範囲に変動してるのに、人種を通じて一定なのだ。

 人間とは基本的に、利己的で貪欲で暴力的である。多くの人が仮面を被り、人生を上手く渡り、人から好かれ、愛され、受け入れられる。

 こうして私達は、他人を出し抜いて、性や富を利己的に追い求める事が出来るようになってるのだ。何と好都合でゲスな生き物か。人間である事は誇りか、それとも堕落か。誰もがサイコパスの素因子を持ってるというのか。


 しかしながら、大半の良心的な人は、感情に背いて正体を暴露する。これは、大多数の人がポーカーゲームに弱い事の証明でもある。しかし、サイコパスは自らの本意を隠す名人でもある。嘘をついても冷静でいられるのだ。つまり、ギャンブルに弱い人はサイコじゃないと。

 またサイコパスは、感動を覚える事がないので、彼らのクールな認知能力は、そのホットな情動的認知能力よりも、遥かに優れてるし、真に機能してる。故に、サイコパスは”空想的虚言”をでっち上げ、決して罪悪感や悔悟の念を示すことはない。


 その上、不安の欠如から他人にも利益を得てる。常人はストレスに晒されると、ストレスホルモン(コルチゾル=ステロイド系)が身体中を巡り、病気への免疫が弱くなるが、サイコパスはストレスを感じないが故、全人生において多くの病気を回避できるのだ。
 
 全くご結構な御身分です事。勝ち組にサイコ系が多いのも頷けますな。


 こうして、理論上ではあるが、サイコパスは他人を操作し、誰にも気づかれず、自分の望みの物を手に入れ、長命長寿の人生を快適に生きる事が可能となる。
 何と魅力的な生き方だし、生き物か。

 その上、彼らは女友達を見つけるにも苦労はしない。平気で嘘を付くサイコパスは、女を優しく扱う事に長けてる。感情がない為、偽りの愛情をごく自然に示す事が出来るのだ。こうしたサイコパス特有のクールな振る舞いが、感情的で感傷的な女にとって、病みつきになるのであろうか。  

 結婚詐欺もある意味、サイコパシー的犯罪と言えますね。

 
 そういったサイコパスを家族や身内は、必死で見守り、耐えようとするが。それは、愚かにも、彼らに僅かな共感が生まれるのを期待し、人柄や性格が変わるのではと、密かに期待してるからだ。

 勿論、彼らが変わる筈もない。サイコパスは自分を特別だと、思い込ませる仕方に通じてるのだ。彼らは人を捕まえ殴打するが、クールなフォローも忘れない。その上、サイコパスが敵を作っても、家族の忠誠心や共感が彼らを庇うのだ。


 全く、変幻自在なカリスマで、便利な生き物なんですな。内性サイコパスのファロンの言葉だから、凄く説得力がありますね。こうなると、著名人や有名人は全て、サイコパスに見えてしまいます。実際にそうなんでしょうね。

 長島さんも王さんも松井も、真性サイコとまでは言わないけど、内性サイコである確率が高そうですね。あまりにもテレビ受けが良すぎますもん。努力や環境もあるんでしょうが、あそこまで脚色されすぎると、やはりサイコじゃないかって疑っちゃう。


 では、完全なサイコパスと見切ってる相手には、どう対処するのか?それはとにかく弱みを曝け出さない事に尽きる。100人のパーティーなら、1、2人はサイコがいるはずだ。彼は人の弱みを絶え間なく探してる。常に同盟を求め、どんな些細な情報も利用する。
 
 彼らの犠牲相手は全員で、その中からヤワな餌食を、先ず食い物にし始める。好ましい男性との印象を与え、周りを次々と懐柔させていく。その上、次々と性格を変え、些細な事も利用する。
 しかし、やりすぎると、サイコパスとはいえ復讐されるのだ。特に誰にも気づかれない形で。

 ファロンは、サイコはやりすぎると復讐されると言ったが、どんな連中が復讐をするのだろうか。真性サイコパスに対抗できるのは内性サイコパスしかいない筈だが。


 サイコパスは強い指導者になりうる。戦士のDNAを持つ人々は、金融的判断に比較的良好な結果を出す。ファロンは前にも、サイコは金融や投資家に多いと言ってましたな。

 事実、実際の指導者はサイコパス同様に、チャンスを逃さない。実験を握ると、彼らは時期が不確かでも、新しい市場を開拓しようと乗り出すし、部下を鼓舞し、引き連れ、次の山を目指す。事実、これは集団の為になるかもしれないし、ならないかもしれないが。


 しかし、巨視的な視点からは、集団がチャンスを逃さない様にする事は、文明の進歩にとっては好都合ではある。多くの者たちが死に至るとはいえ、突然変異から、生物学的な進化が恩恵を受けてるように、一部の者たちがチャンスを掴み、文明を前進させてるからだ。

 つまり、サイコパスという冷酷な独裁者が、その突然変異系の恩恵により、チャンスを掴み、文明を進化させてると。ここまで来ると、頭が混乱しつつあるので、今日はここまでです。



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