象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

日本一のピッチャーは誰だ?(更新)〜君は鉄腕稲尾を知ってるか

2020年05月06日 15時42分50秒 | スポーツドキュメント

 ”日本一のバッターは誰だ?”では、世界のイチロー選手を抑え、落合博満さんをトップに挙げました。
 異論や反論もありそうなですが、実際に落合選手の打撃を見た衝撃は、今でも忘れません。まるで”バットに磁石がついてる”みたいでした。

 ノムさんの著書「プロ野球 最強のエースは誰か」では、”結論として右なら稲尾和久(西鉄)、左なら金田正一(国鉄•巨人)だ”と語っていた。
 私も全くの同感ですね。ただ最強と言えば、江川卓(巨人)を上げたいです(”江川の真実”も要Click)。
 でも最速と言えば、山口高志(阪急)か伊藤智仁(ヤクルト)。怪童と言えば、江夏豊(阪神)か尾崎行雄(東映)。怪物と言えば松坂大輔かな。
 ま、人によって色んな意見がありそうですが、資質からすれば、ダルビッシュ有(カブス)がこの一群に加わりそうですが。

 以下、ウィキを参考に”鉄腕”稲尾投手をサラッと紹介です。


稲尾和久という投手とは

 1937年、7人兄弟の末っ子に生まれ、漁師の父親の元、幼い頃から海に出されていた。稲尾和久は当時、”薄い板一枚隔てて、下は海。いつ命を落とすか分からない小舟に乗る毎日だったが、お陰でマウンドでも動じない度胸がついた”と語っている。
 強靭な下半身はこの漁によって培われたものと言われてるが、本人は”バランス感覚は養われたかも知れないけど、下半身のトレーニングにはあまりなってないよ”と否定してる。

 高校時代は1年秋に投手に転向、2年夏にはエースで4番を打つも全国的には全く無名の選手だった。
 南海ホークスが獲得に動いてると知り、西鉄も獲得に乗り出した。この時、南海とは一旦契約寸前まで話が進んだが、父•久作の”大阪に行くよりも、何かあればすぐに戻って来られる九州の方がいい”との言葉や、西鉄に高校の先輩河村がいた事もあり、西鉄入団を決意した。

 入団当初は注目された選手ではなく、監督の三原脩も”稲尾は打撃投手として獲得した”と公言した。
 事実、稲尾と同期の新人投手たちは皆、甲子園のスターばかりで、ストレートの速さに呆然とした。その時から、自分は制球で勝負するしかないと決意する。
 実際、島原キャンプでは中西太•豊田泰光•高倉照幸ら主力打者相手の打撃投手を務め、口の悪い豊田からは”手動式練習機”とも呼ばれた。

 この打撃投手の噂は当然、父親の耳に届き、直ぐに田舎へ帰ってくる様に説教された。しかし稲尾は、”3年やって駄目だったら”と父親を説得した。
 稲尾は各打者の打撃練習中に、4球に1球をアウトローぎりぎりの球を投げる事で制球力を磨いた。余りに制球が良いので、主力打者のお気に入りとなり、四六時中打撃投手の日々が続く。
 お陰でキャンプ後半になると、投手として成長した稲尾の前に、主力打者が打ち取られる場面が増えた為、中西と豊田が三原に”稲尾を使ってみてほしい”と進言したという。
 実は三原監督は、稲尾の資質を見抜いてたらしく、”制球を磨くには打撃投手が一番効果的だ”という事を既に悟っていた。

 同期のスーパールーキー達が、高校時代の登板過多の影響で次々と戦線離脱する中、稲尾にも登板のチャンスが訪れる。
 稲尾はオープン戦に登板するものの、スコアボードに”稲生”と間違って表示されるなど、全くの無名な存在であった。
 しかし、ここで結果を残し開幕を一軍で迎えた。開幕戦(対大映スターズ)で11−0と西鉄が大量リードで迎えた6回表から、河村の後を継いで2番手としてプロ初登板し、見事4回を無失点に抑えた。
 その後もしばらくは敗戦処理などで登板してたが、投手陣の相次ぐ故障から登板機会が増え、最終的には1年目から21勝6敗、パリーグ記録の防御率1.06という成績を残し、最優秀防御率と新人王のタイトルを獲得した。

 年間42勝は、スタルヒンと並ぶプロ野球記録だ。巨人との日本シリーズ(1958)では7連投(3連敗のあと4連勝)し、西鉄3連覇の原動力となり、”神様仏様稲尾様”の異名をとる。
 プロ入りから8年連続で20勝以上を挙げ、「鉄腕」の名をほしいままにしたが。この8年間のシーズン平均登板数は66試合で、平均投球回数は345イニング。
 この超登板過多が祟り、実働14年で276勝、防御率1.99で現役を終えた。
 本当は300勝を目指す予定だったが、”黒い霧事件”でエースと主力クラスを失い、チームを監督•整備する為に、引退を余儀なくされた。


ノムさんから見た稲尾

 野村克也は、稲尾の変化球による絶妙な左右への揺さぶりとその完璧な制球力を絶賛し、”技巧派”投手の代表格として稲尾の名前をあげる。
 直球については、”稲尾のストレートは当てられない程ではないが、凡打や三振させられてしまうのはその球質に原因がある。
 球速や球威が最後まで衰えない。いわゆる<球がホップする>球質なのだ。球速は145キロ程度だが、手元でよく伸び、体感速度が速い。だから差し込まれる”
と語る。
 また、内角・外角/高め・低め/速い・遅い/ストライク・ボール/のこの4ペアの使い方。
 ”稲尾は唯一、この4ペアを使いこなしたピッチャーで、球がびっくりするほど速いとかじゃない。彼から学ぶ事は多かったけど、ピッチングはスピードよりコントロールだって教えられたよ”とも述べている。

 現在では一般的な投球術となってる、相手打者を打ち取る球から遡って配球を組み立てる”逆算のピッチング”を編み出したのも稲尾だ。これを会得したのは、1958年の日本シリーズ第6戦の長嶋茂雄との対決だった。
 ”長嶋は何も考えず、感性で体が投球に反応してる”と気づいた稲尾は、長嶋の体の微妙な動きから瞬時に狙い球を読みとり、球種を変更するという作戦で押さえ込む事に成功した。
 数学て言えば、帰納法や背理法なのだろうか。

 因みに、地元の九州大学が”プロの投手の集中力と精神力”を調査する為、稲尾を含む西鉄投手陣に、捕手の構える所に正確に続けてボールを投げ込む事ができるか?という実験をした。今で言う”ストラックアウト”である。
 稲尾は外角低め、外角高め、内角低め・・・と、何十球も連続してランプが点灯した所に、精確にボールを投げ込み続けた。この制球力を見て他の投手は”やっていられるか”と呆れはて、実験の参加を辞退したという。
 これもまた、”ボールと会話する”と言われた、”鉄腕稲尾伝説”の凄みでもある。
 落合のバットに磁石がついてるのなら、稲尾が投げる球にも磁石がついてたという事になる(笑)。伝説とはそういうもんであろうか。

 こうしてみると、天才とは不利で不遇な環境でも、それをチャンスとして捉え、大きく羽ばたく。 今、世界中はコロナ渦で不遇のどん底ですが、これをチャンスと捉える”神様仏様”の稲尾投手みたいな救世主が登場する事を望むばかりです。



6 コメント

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禿エロさんへ(笑) (象が転んだ)
2020-05-07 12:53:46
無症状感染者を忘れてました。
全く私としたことがうっかりです。

でもオラやっぱ野球が見てぇ〜
福岡がだめなら、四国でやればええ
おら絶対に観に行くべ
坊っちゃんスタジアムもマスカットスタジアムもメジャーレベルだよ。

ああ野球が見てえ

そこで一句
実るほど 巨乳が垂れる 池田(エライザ)かな
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コロナ無症状感染者忘れてませんか~ (禿エロ)
2020-05-07 12:33:44
転象さんに座布団3枚
うまい俳句やね~
福岡は危ないどっせ~
ウチラは田舎だから未だしも
油断は禁物でっせ~
今のうちに
喘息吸入薬を調達しとかんと~

天高く禿光りいく五月晴れ
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mainichiblogさん (象が転んだ)
2020-05-06 23:29:17
えええ?稲尾投手を知ってんですかぁ?
という事はない筈だけど
コロナが5月一杯で完全収束すれば、プロ野球の6月開催も期待しますね。
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Unknown (mainichiblog)
2020-05-06 21:27:09
懐かしいなあ
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イナゴさんへ (象が転んだ)
2020-05-06 19:54:21
プロ野球もコロナ渦の少ない地方球場でやればいいと思うけど。
kounhnさんの所もコロナは少ないでしょ?
福岡県もここ4日で僅かに3人。このままで行けば5月中には完全に収束するんではとも思う。
コロナ感染と言っても実質、東京都と第二派の恐れがある北海道だけだもんね。
東京都を除く、地方球場で6月開催というのはどうかな?

ここで一句
実るほど 頭を垂れる 稲尾かな
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野球無くても世の中回っとる (イナゴ)
2020-05-06 17:26:41
プロ野球も夏の甲子園も中止
テレビも新聞も
スポーツコーナーネタが無く
困ってるけど
ワシらは全然かまへんで~
今迄がオカシ過ぎやったんや~
何処も彼処も巨人大鵬玉子焼き
巨人大鵬は無くても
玉子さえあれば
生きていけるんや~
イナゴもあれば尚いいがナ~
それと極真空手がありゃー
もっとエエがナ~
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