前回では、マーロウにすっかり骨抜きにされたダーレムでしたが。このままスンナリと行く筈もないですよね。そこで再び魔性の女(カミーユ)の登場です。
男は女をとるか?マーロウにつくか?それとも?
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マーロウが去った後、男は放心状態になった。
男は闇に埋もれ、陰鬱に震えた。
整理した筈の気持ちが落ち着かないのだ。
夜は静かに忍び寄り、
落日の侘しさは男を無口にさせた。
そして一人ベッドに顔を埋め、何かを呟く。
あの男が、西海岸随一の探偵か
寸分のスキも狂いもない、全てが完璧だ
小説で描かれたそのままのマーロウだ
オレは何も言えなかった
言いたい事は、山ほどあったのに
結局オレは、あいつの前ではポチ同然なのか?
でも、今のオレに何が出来るってんだ?
全てのカードはあの探偵が握ってる
オレは、まな板の上のマグロか?
いや腐ったサバか?
つまり、亡霊ホテルの狭い一室の中で
全てが過ぎ去るのを待つだけか?
今のオレには、それでも出来過ぎなのか?
男は一人自問自答し、苦笑いする。
これは黄昏の旅路を過ぎる、死の戦慄か?
オレはこのまま死の縁を漂うのか?
その時、例の若い女(カミーユ)が慌てて入ってきた。
ちょっと、開けてよ、早く、早くったら
あのマーロウって人、私の事を何か聞いてなかった?
もし何か聞いたら、絶対に言わないでよ
私がアンタに言ったこと
ねえ、絶対に約束してよ、言わないって
男は、再び女に愛撫を求めた。
女の甘い声は、男の心を揺らした。
男は訳がわからないまま、女を抱き寄せた。
得体の知れない虚しさと侘しさが、
男を欲情の世界へと包み込む。
女を強引にベッドに押し倒し、
力任せに唇を合わせた。
肉に震えが走った。
無言の濃厚な口づけの後、
女の暖かい生々しい吐息が、
男の思考を、そして思案を支配した。
今のオレは全くの抜け殻さ
アンタの言う通り、
人生を踏み外した社会の沈殿物さ
今の俺は、アンタを抱き寄せる事しか能のない
哀しくも無能な親父なんだ
何でも言う事を聞くさ、誰の言う事でも聞くさ
何でもいいから言ってくれ
今の俺は君が必要なんだ
身も心も汚れた、女の若い裸体が必要なんだ
俺はそういう男なんだよ
君が思う以上の情けない男さ
無言の濃厚な口づけの後、
若い豊満な胸体が男の唇を支配した。
男も無我夢中で、女の2つの乳房を弄った。
白く柔らかな肉の塊が男を支配する。
ここにて男は、完全に女の奴隷になったのだ。
なに弱気言ってんのよ、貴方らしくないわね
私たちはチームだと言ったでしょ?
最初から結びつくべき運命だったのよ
それがわからないの?
私も貴方も同類なのよ
現代のホモサピエンスというわけね
あのマーロウなんか目じゃないわ
小説で持て囃され、いい気になってるだけよ
私と貴方が組めば、何も怖いものはないわ
何も心配することはないの
ねえそうでしょ?私に何か不足がある?
この白く豊穣な肉体に、何か不満でもある?
男は女の下腿をまさぐり、荒々しく支配した。
女も何の抵抗も反抗もなく、
男の荒みきった激しい欲情に応えた。
息切れする程の短く荒々しい格闘の後、
乱暴で不器用な性交が、
ぶしつけな性器の出し入れが、
男を盲目にした。
愛人のレオニーの事が一瞬蘇ったが、
それどころじゃなかった。
今の彼が頼れる女と言えば、
目の前でわざとらしく喘いでる女だけだ。
ああ、君の言う通りだ、カミーユ
俺が間違ってた、俺達はチームなんだよな
今の俺に必要なのは君だけだ
そう、マーロウなんて目じゃないさ
所詮、小説の中でのヒーローに過ぎんさ
最初から君を信用してればと後悔してる
俺が悪かった、許してくれカミーユ
女は男を優しくいたわった。
欲情した男の”それ”を優雅に愛撫する。
偽善的に見えなくもなかったが、
白い精液が、女の柔かな白い肉体の上に
男の全てとなり、勢いよく飛び散った。
男はすぐさま頂点に達した。
抜け殻になった男に、女は優しく耳元で囁く。
とにかく今の貴方は単なる獲物に過ぎないわ
アタイ以外は誰も信用しないことね
これだけは約束よ、絶対よ
特にマーロウは要注意ね
実を言うと、アイツは私も狙ってるの
私のヤバイ橋渡りを、
アイツが利用しようとしてるの
サツとグルになって、
私から”組織”の情報を抜き取る魂胆なのよ
貴方だって奴を信用したら、利用されるだけよ
組織も警察も探偵も、
そして司法も、裏では全て繋がってるのよ
わかったら、私の言うように動いて頂戴
でないと、貴方は全てを失うわ、家族も娘も
そして、ワ・タ・シも
男は静かに頷く。
ああ、カミーユ、君の言うとおりだ
アンタは裏の世界を知り抜いてる
レオニーが俺に言わなかった事も知り抜いてる
俺だってまんざら間抜けじゃない
アンタを最初に見た時、何かを閃いたんだ
アンタはただ者じゃないってね
そして、今それがわかった
アンタは”虚構の海”を自在に泳げる女なんだ
アンタは虚構の海の中で溺れようとしてる、
この俺を救い出す”女神”なのさ
女は優しく微笑む。
なにバカなこと言ってんのよ
この世に神も仏も存在しないわ
存在するのは、善という虚構と悪という実像だけよ
悪こそが世の中を支配するホモデウスなの
私達は虚構の海を自在に泳ぐホモデウス
警察も法律もお金も、全て虚構なのよ
貴方は家族の為、愛人の為、会社の為に、
全てを犠牲にしてきたのよ
その犠牲が全て虚構だとしたら?
私達のこれまでの苦悩と徒労が
全て虚構だとしたら?
それこそが新しい時代の始まりよ
私達の時代の始まりなのよ
私達はホモデウスとなり、悪をも見下ろすの
ねえ、まんざら悪くない話でしょ?
男は大笑いした。
若いだけの肉体だけが取り柄だと思ってた。
この女にこれほどの悪知恵があるとは、
カミーユという名の魔性の女、
一体この女は何者なのか?
君は案外賢いんだな
脳みそがシリコンで出来てると思ってたが
胸も天然だし、オツムもアソコも最高だよ
では、新しい時代の為に、
俺たちの時代の為に、まず何をするんだい?
俺達はチームだろ?
女は一転、真剣な表情で男を見つめる。
とにかくあのマーロウの前では、
大人しくしてんのよ、絶対にね
そして、私が言った事は絶対に喋ってはだめよ
私だって、アイツに弱みを握られてんだから
アイツは私を簡単にオトせると踏んでるの
私を単なる肉の塊だと見下してるよ
私はヤツの油断をつくの
男は誰だって、若い女の”肉”に弱いのよ
ヤツの卓越した自慢の鋭い洞察も、
アタイの前では欲情に変えてみせるわ
とにかく、私のプラン通りに動いてくれれば、
何も心配はいらないわ
部屋を去る間際に、女は静かに呟いた。
私のこの唇は誰のもの?
この豊満な肉体は誰のもの?
そう、私は貴方のもので、貴方は私のもの
アタイ達はチームよね?そうでしょ?
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以上、モーパッサン風に少し付け加えました。エゲツな性的描写も少しスマートに映りますかな。
ああ~ああ~転んだサンの性欲が目に浮かぶようね。でもストレートな性の表現って結構感じちゃうかな?
やっぱり、男って巨乳にはお手上げなのかしら?転んだサンも巨乳に弱いのかな?マーロウもこの巨乳女にもてあそばれるのかな?
何だか変な方向に行きそうな気がするんだけど。
これが私の性のモットーですよ。
Hoo嬢はどんな迫られ方がお好みですかな?まさかハードコアのレイプ系という事はないでしょうな?
私は単なる面倒臭がりだけなんですがね(笑)。