象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

正常値高血圧の怖〜いお話〜”踵落とし”と自律神経と血圧の蜜な関係

2024年07月30日 02時52分03秒 | 健康

 前回(昨年7月)の健康診断では健康年齢が50歳と、実年齢よりも”10歳以上若い”というデータが出た。
 お陰で天狗になり、何もせんと”健康は勝手に作られる”とタカを括っていた。
 それが今度の健康診断では、高血圧で引っ掛かった。特に下の血圧が90あったので、専門用語で言えば”正常値高血圧”(85〜90)のギリギリ上限となる。
 元々は低血圧だと思っていたが、健康診断で血圧を測ると不思議と高血圧になる。
 因みに、普段と雰囲気の違う病院の中に入る事で精神的ストレスを受け、交感神経を刺激し、血圧を上げる為に起こる”白衣性高血圧症”とされる。

 どうも、”お前らの命と安全を支えてんだよ”って言わんばかりの医者の高ピーな態度を見るとムカつくのだろう。病院に入るなり、怒りが急に込み上げてくるのだ。
 事実、図書館などに設置してある血圧計で偶に測ると、128ー68程の全くの正常値だが、病院や健康診断で測ると(特に下の値)が80以上に跳ね上がる。前々回も前回も下の値は80と83とやや高い傾向にあったが、今回は90の大台に達した事になる。 

 前回の検診結果にフンゾリ返り、運動という運動をしなかった。スクワットはともかく、踵(かかと)落としでもやっとけば、少しは違った結果になってたであろうが、後の祭りである。
 一番油断してた血圧で引っ掛かるとは、健康とは私が思う以上に複雑で多岐に渡るのだろう。医者からは、自宅で毎朝血圧を測る様にと言われた。
 折角、大腸がん防止の為にと、大好きな晩酌を2日に1度に減らしたのに、努力はここでも裏切られる結果となる。
 そこで、正常値高血圧の怖い話を1つです。以下「高血圧者との対話」より大まかに抜粋します。

 

正常値高血圧と仮面高血圧

 年齢を重ねると、血圧は少しずつ上昇する。”気が付いたら高血圧だった”って方は多いとされ、日本人の4割が高血圧らしい。
 まず、血圧が高いと血管に傷がつき、その傷が治る時に硬くなり、”動脈硬化”を引き起こす。動脈硬化が進み、血管が細くなり、更に傷つき、血の塊が出来て詰まってしまうと”心筋梗塞”や”脳梗塞”になる。脳梗塞の4割は原因が高血圧である。他にも、脳出血や心不全や動脈瘤とか、様々な病気の原因となる。
 それに、高血圧は何も症状がない人が殆どで、故に”サイレントキラー”とも呼ばれる。
 更に、血圧の高そうな心電図というのがある。心電図の山の所や谷の所にそれぞれP波、Q波、R波、S波、T波と名前が付く。心電図はこうした12本の波で判断するが、特に波の大きいR波だが、この大きさを”高電位差”と呼び、心臓が作る電気信号が大きい事を示す。

 心臓は、動脈に向かって血液を押し出すが、血圧は動脈の血液に掛かる圧力そのもので、高血圧では高い血圧に逆らって心臓が血液を送る必要がある。すると、心臓の筋肉が厚くなり、心臓の筋肉が肥大し、この厚い筋肉は大きな電気信号を作り、心電図の異常が見つかる事になる。故に、高血圧の疑いがある。
 実は私も、健康診断では心電図異常で引っ掛かってた時期が続いてたが、血圧は全くの正常だったので問題になる事はなかった。

 では、どうすればいい?
 まずは自宅で血圧を測る必要がある。
 実は病院で測る血圧は(上述の様に)”白衣性高血圧”と呼ぶ現象により、緊張して血圧が上がる人がいる。
 逆に、病院よりも自宅で測った血圧の方が高い人も多い。これを”仮面高血圧”と呼ぶが、朝起きた血圧が高い人が多く、早朝高血圧となる。こんな人は夜中から高い人も多く、夜中も高い血圧に晒されてると動脈硬化が進み易い。
 1週間ほど、毎日起きてすぐに血圧を測り、上の血圧の平均が135よりも高いか、又は、下の血圧の平均が85よりも高かったら高血圧となる。但し、高血圧の治療は循環器科や腎臓内科、内分泌内科が担当する事が多い。

 高血圧対策としては、まずは減塩食。食塩を多く摂ると血液の量が増えるが、血管の体積は一定だから、血液の量が増えれば血圧が上がるって理屈だ。
 減塩とは言っても、加工食品の食塩や調味料の食塩が意外と多いので、気をつける必要がある。
 以上、成人医学センター(東京女子医大)からでした。

 因みに、相談に来た中年男性だが、検診では126ー88と正常値高血圧の範囲だったが、実際に自宅で測ったのを平均したら、上が約160で下が約100だったという。つまり、典型の仮面高血圧だったのだ。


高血圧対策の為に出来ること

 だったら、高血圧と判断されたら病院へ行く他に方法はないのか?
 そういう私は、病院に掛かる位なら死んだ方がマシだと思う程に、病院と医者が大嫌いである。
 高血圧の治療と言えば、(前述の様に)食事療法(主に減塩)と共に運動療法も重視されて来た。
 従来の運動療法は、ウォーキングなどの有酸素運動が主だったが、近年は筋トレを行う事で手足の末梢血管の血流がよくなり、血圧が下がる事が明らかになってきた。
 「鎌田式かかと落とし」でも紹介されているが、踵を落とす事で踵に刺激を与えると骨ホルモンが分泌され、骨を強化し、膵臓に働きかけて血糖値を下げる働きもあるという。
 更に、スクワットと組み合わせれば、太ももが鍛えられ、筋肉作動物質のマイオカインが分泌され、認知症・脳卒中・がん・糖尿病・高血圧・脂肪肝・フレイル(虚弱状態)などの予防に効果が期待できると・・・

 以下、「血圧の安定に役立つエクセサイズ」より簡単に纏めます。
 そこで、まず血圧の安定に役立つ運動としては”かかと上げ”をおススメする。
 意識的に踵(かかと)を上下させるだけで、降圧作用を得られる。この踵上げを行うと、”第2の心臓”と呼ばれてるふくらはぎの筋肉(腓腹筋など)が大きく動き、全身の血流がスムーズになり、血圧と血流が安定する。
 午前と午後に30回1セットずつ行う事で、高血圧の予防になるのなら、安上がりの大助かりだ。

 この踵落とし以外にも”腹式呼吸”を勧めている。
 血圧とは、意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配する自律神経にコントロールされててるので、ストレスを感じ、自律神経のバランスが崩れ、交感神経(体を活発に働かせる神経)の優位な状態が続くと、高血圧を招き易くなる。
 だが、自律神経の乱れは腹式呼吸を深くゆっくりくり返す事で整えられる。呼吸も自律神経の支配下にある為、意識的に深くゆっくりと呼吸する事で自律神経に作用し、交感神経の優位な状態から副交感神経(体を休ませる神経)の優位な状態に切り替わり、血圧を下げる効果を得られるという。更に、お腹を動かしながら呼吸する事で、自律神経が集中する横隔膜を刺激できる。

 最後に、近年の高血圧治療で一番のトピックは”一酸化窒素(NO)”である。血管内で産生・放出されたNOは、血管を広げて血流を促し、血圧の上昇を抑える働きをする事が知られてきた。
 このNOの血管拡張作用が画期的なのは、高血圧の治療で用いられる降圧薬とは作用の仕組みが違い、血管内でNOを増やす事は従来の降圧薬と併用しながら高血圧の改善に繋がる為、世界中から大きな注目を集めている。
 特に、かかと上げや腹式呼吸にも血管内のNOを増やす作用があると考えられている。
 以上、月刊リーダーシップからでした。


最後に

 正直、血圧の本がこれ程までに巷に溢れてるとは思ってもみなかった。減塩食などはTVのCMでもよく紹介されてるが、生活習慣病対策として、サプリメントや健康食品などが、あらゆる業種のメーカーから登場する時代でもある。
 アルコール摂取による大腸がんにばかりが気になり、血圧の事をすっかりと忘れていた。
 確かに、自分の食生活を振り返ると、鶏レバ煮込みやお吸い物などに多めに醤油を使うので、毎晩飽きずに続いてた過度の飲酒や運動不足も重なり、結果的に高血圧になったのだろうか。サイレントキラーの如く、慢心しきってた私の背後に、静かに忍び寄ってたのだ。

 生活習慣病とはその名の通り、生活習慣が原因で発症する疾患の事で、偏った食事・運動不足・喫煙・過度の飲酒・過度のストレスなど、好ましくない習慣や環境が積み重なると発症のリスクが高くなる。
 3大生活習慣病とは、がん(悪性新生物)・心疾患(急性心筋梗塞、狭心症、心不全など)
・脳血管疾患(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など)です。厚労省の統計(2020)によると、がん・心疾患・脳血管疾患の3つだけで死因の約50%を占めるという。
 また、上の3つに高血圧性疾患(高血圧症、高血圧性心不全など)・糖尿病と肝疾患(肝硬変、肝炎、脂肪肝など)・腎疾患(尿管結石、慢性腎不全、腎盂炎など)を加えたものを7大生活習慣病といい、入院患者総数の約3割を占めるとされる。

 元々”成人病”という言葉は、医学用語ではなく、昭和30年代に”脳卒中・がん・心臓病などの全死因の中でも上位を占め、40〜60歳くらいの働き盛りに多い疾病”として行政的に使用されてきた。一方で成人病の要因には、食生活・運動習慣・喫煙・飲酒などが大きく影響し、生活習慣に注目する事で、生活習慣病と呼ぶようになる。 
 但し、病気の発症には生活習慣だけでなく、遺伝的要因・外部環境要因(病原体、事故ストレス、有害物質)などが関与するので、私達が思ってる程に健康は単純じゃない。

 という事で、日頃は当り前の様に思ってる血圧のお話でした。



2 コメント

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油断大敵 (tomas)
2024-07-30 09:30:33
血圧って
油断するとすぐに上がるんですよ。
その日の気分でも大きく違うし、食べたものでも違う。
食事療法もですが>
運動療法のほうが効果てきめんともいいます。
血液は血管を通じて常に全身の隅々にまで行き渡ってるので、運動による血液の巡りって重要なんですよ。

スクワットは知ってましたが>>
踵落としは私も試してみようと思います。
では健康を大切に>>> 
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tomasさん (象が転んだ)
2024-07-30 19:33:37
かなりお詳しいですね。
高血圧で引っ掛かったのは、今回が初めてなので、色々と調べました。
正直、”まさか血圧で”って感じでした。
減塩食と言っても限界があり、コーヒーや緑茶や果物などのポリフェノールに頼るしかないんでしょうか。
全身の毛細血管を拡張する事で血圧を下げる事が出来るとされますが、踵落としとスクワットはマメに行う必要がありますね。

一方で、晩酌は2日に1度に減らし、お陰でめっきりお酒に弱くなりました。更に、2日に1度食べてた鶏レバ煮込みを控えれば、それだけでも高血圧対策になりそうです。
普段の食生活だけでも高血圧へ近道だったような気がします。

色々と貴重なアドバイスを有り難うです。
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