昨日は、Gooブログのアップデートに不満タラタラで、これだけハグ満載なリニューアルも珍しいとは思いますが。どうなるんでしょうか。
という事で、”チャーチル”ブログに時間を取られ、”鏡張り部屋”をすっかり忘れてました。先月12日以来で、少し間延びしましたが。
前回の”その15”では、マーロウに洗脳されつつある男(ダーレム)を、魔性の女?(カミーユ)が自慢の豊満な肉体を使って誘惑するんですが。一体どうなることやら。
_________________
女が出ていった後、男は欲情の欠片に浸り、狭い部屋の中で、甘い妄想にふけっていた。
甘い蜜を吸うべきか?険しい岩に縋るべきか?男は明らかに迷走していた。甘い幻想と険しい洞察が入り混じり、頭ははちきれそうだ。
俺は一体何処へ向かおうとしてるのか?
オレは何を選択したらいい?
あのオンナは、確かに切羽づまってる
それに対し、マーロウの旦那には余裕がある
力関係で言えば、圧倒的に探偵が有利なはず
しかしオレは、甘い蜜を吸い過ぎた
女を罠に掛け、マーロウに全てを白状するか?
いや、狂った女は何を仕出かすか分らない
今はあの女も、気が高ぶってる事だろう
嗚呼、外に出て新しい空気を吸いたいんだが
それに、娘たちの声でも聞きたいもんだ
妻は今頃、親友のラウンダーズと
思い切りイチャついてんだろうな?
嗚呼、考えるだけで腹が立つ
男は一眠りした後、夕食を取りに一階のロビーに降りていく。
受付にカミーユがいないのを確かめ、ほっと胸をなでおろす。
受付には険しい表情の中年女が、物騒な面構えで構えていた。安易に外に出れない様にと、常に警備は厳しいようだ。
男は、女に食事を部屋に持ってくる様そっけなく頼んだ。
女は、まるで関心がないかの様に無愛想にうつむく。
男はすかさず、”スピリッツはないんだよな”と駄目を押す。
中年女は、間髪入れず耳打ちする。”これは絶対に秘密よ、貴方とても疲れてそうだから、これを持って来てあげる。ここだけの秘密よ”
男はすぐに部屋に戻ると、ホット心をなでおろした。スピリッツをイメージだけで心が高揚する。
何時以来かな、お酒にありつけるのは?
人生悪い事ばかりじゃないんだよな
あの支配人のクソ親父、
”ここにはスピリッツはありません”
なんて、偉そうに言いやがって、
酒のないホテルが何処にあるってんだ
でもあの年増の女、
不思議と俺に良くしてくれるじゃないか
少しブサイクだが、俺と波長が合うみたいだ
カミさんよりも、多少歳食ってるが
何かこのホテルの秘密を握ってるのかな
今夜、食事を部屋に持ってきたら
誘って、少し”突っ込ん”でみようか
若い女とヤッたばかりだし、
年増も悪くはないか
そう今の俺には、生気と精力が必要なんだ
カミさんには悪いが、夜の楽しみもないとな
男は部屋をぐるりと見回した。部屋の広さは10畳ほどか(日本的表現でスンマセン)。
シングルのベッドと小さな机と、華奢な洗面台と浴室があるだけだ。
まだ、3日程しか経ってないが、1ヶ月以上いるように感じる。
とにかく”あの日”の深夜、レストランを出て、妻に嘘を付いて、レオニーに会いに行く途中で、記憶が途切れちまった。嘘と裏切りは常に高く付くんですな。
一体”あの日”に何が起きたんだ?
一体”あの日”は何だったんだ?
”トントン”、ドアを叩く音がした。
例の中年女が食事と酒を持って、入ってきた。
暑いせいか、女は薄いブラウスを羽織ってた。
なに深刻ぶってんのよ、
もう少しリラックスしたら?
お酒一応持ってきたけど、これでいい?
女はペットボトルに詰め変えたウォッカを差し出す。
これを持ってくの、大変だったのよ
見つかったら、私クビだからね
メキシコ料理だけど、こんなんでいい?
このホテルは国境沿いにあるから、
こんなのしか手に入らないの
あら私、変なこと喋っちゃった
謎だらけのホテルで、
謎だらけの人ばかりでしょ?
もうウンザリよね、
アンタも大変よね、
いきなり、こんな辺鄙な所に閉じ込められて
女は男に酒を勧め、自らもウォッカを煽る。頬が少し赤くなり、ロビーで見せた仏頂面も消えかけていた。
探偵サン来てたよね、
ロビーでも、結構辛辣な事言ってたわ、
それに何だか少し慌ててたみたい
あなた何か言われなかった?
このホテルの事や私達のこと?
あんまりべらべら喋らない方がいいわ
サツが踏み込んだら、
このホテル一発アウトよ
それにあなたもね
”ホテルカリフォルニア”ってのは名前だけ
中身は全くの虚構なの
男はグラスに注がれたウォッカを一気に呑み干し、女に迫った。男は探偵の事も若い女の事も忘れたかった。
俺はダーレム、ダーレム・ローガン
今のオレが信じれるのは、アンタだけだ
一体このホテルで何が起きてんだ?
オレの周りで何が起きてんだ?
何でもいいから教えてくれ
それなりの”お礼”はするからさ
アンタにも秘密があるし、
言いたくない事もあるだろう
勿論、オレにも秘密はあるし、
言えない事も沢山ある
それは判ってる
言える範囲でいい、何か知ってる事、
どんな事でもいいから、教えてくれないか?
年増の女は、男に身体を近づけた。
若い女の様にフェロモンの香りがする筈もないが、老いた女特有の際どいオーラが男を包み込む。
”お礼”をすると言ったわね
お金?友情?それとも?
今のあなたは、あの若い魔性の女の、
フェロモンの誘惑に完全に支配されてるわ
あの女はあなたを丸裸にし、
全てを奪い去り、逃げ去るつもりよ
”今そこにいる危険な女”なのよ
あなたが思ってる程、ヤワじゃないのよ
肉体は上品なマシュマロの様に
艶やかで、柔らかく、優雅に見えるけど
心は腐った獣よ!
男は、年増の肉体をぐいっと抱き寄せた。ブラウスを引っ剥がし、有無を言わせず、ベッドに押し付ける。
ああ、オレは若い女を抱いたばかりさ、
あの女はオレを誘惑してきた
オレは何の躊躇もなく、乗っかったさ
それが悪いか?
今の俺は檻から解き放された獣だ
アンタだって俺の立場だったら、
同じ事するだろう?
自ら近づいてきたのは、アンタの方だぜ
違うか?違わないよな!
アンタだって追い詰められてんだろう?
ロビーでの仏頂面で分ってたぜ
女はブラを外した。
豊満だが垂れ気味の、ふくよかな2つの乳房が男を誘う。
男は欲望のままに身を任せた。
さあ、抱いて!思い切り抱いてよ
私だってまだ落ちぶれちゃいないわ
イカせるだけなら、あの女にも負けないわ
あの女に潰されるくらいなら、
私が潰してやるわ!
男は奇怪な安堵感に浸っていた。
若い女にはない、不思議な安堵感に包まれてた。そこには欲情というより友情に近いものがあった。
トップ画面が変わったね。
いきなり、転んだサンの似顔絵が飛び出してきたから、ビックリしちゃった。
それにイラストもビックリ!エロいエロすぎる。転んだサンのタイプかな?
中年オンナの垂れた胸って、イラストではそこまで垂れてないようだけど。
イラスト少しエロすぎましたかな。
中年女のイメージはもっとデブなんですが(笑)。過去に書いてた娼婦のイラストをそのまま載せました。
事実、このイラストを思いつき、16話を書いたんですが。上手く書けたのではと思ってます。
鏡張りの部屋も宜しくです。