昔はこの時期になると、”ウチは自民一択だから・・”とか”自民以外に入れるとこないし・・”との声が、私の田舎ではよく聞こえたもんだ。
我が福岡◯区では、自民は案の定”腐った豚”を投入してきた。残る候補は2人だけだが、贔屓の政党ではないので決め手に欠ける。
以下にも述べるが、特に地方の小選挙区は候補者数も少なく、既に限界に来ているし、この時点で、選挙に行く気持ちが萎えてしまう。それでも、気持ちを奮い立たせて投票に行くのだが、現行選挙の限界と矛盾に気分は憂鬱になる。
全く、議会制民主主義とは名ばかりで”選挙に国民の声が反映されるべき”とは、それこそが絵空事であったのだろう。
昭和の頃は、”自民・大鵬・卵焼き”と季語?になるくらいに自民党は日本全国に浸透してきた。専業農家は勿論、兼業農家の票田を確保しておけば、少なくとも過半数は確保できる。政党としてはこれほど楽な事はない。
つまり、”自民党=農民党”である間は安泰なのだが、農業への底なしの補助金交付が自民党は大きく成長させた起因の1つである事は間違いない。だが、自民党は農民ではなく、農業そのものを支えるべきではなかったか。
つまり、農業に支えられる自民党であり、農業を支える自民党であるべきだった。
一方で、日本の議会政治の歴史は意外にも浅く、130年を超える程であり、その中核をなす自民党(1955〜)も70年程の歴史しかないが、経済格差の平準化を図り、分厚い中間層を生み出し、世界的にも稀に長い一党優位政党となる。言い換えれば、国民の声に依る議会政治とは名ばかりで、自民党の独裁政権とも言える。
因みに、自民党結成前後の10年間に(社会党誕生を防ぐ事を目的に)CIAの支援を受けてた事は意外にも知られていない。更に、そのCIAとの繋りが指摘されてた岸信介だが、反共産主義運動を通じ、統一教会との関係を深めていた事も明らかになっている。
議会制民主主義度の歴史と各政党の概略
そこで、政党による議会政治の起源を簡単に振り返ると、1890年に国会開設が決まり、自由党と立憲改進党が結成され、日本に議会政治が誕生する訳だが、板垣退助は役人の職を辞してまでも、(日本も欧米の様に議会を開き)”国民の声によって政治を行うべき”と日本全国を訴えて回った。その考えに多くの国民は共感し、国民が政治に参加する自由民権運動が全国に広まります。
一方、大隈重信は、”選挙で選ばれた国民の代表が議会政治を行うべきだ”と主張したが、政府内で伊藤博文らと対立し、政界を負われる。だが、国会開設を求める声は政府内だけでなく全国でも激しさを増し、政府は10年後に国会を開く約束をする。
板垣と大隈は国会開設に向けて準備を始め、板垣は自由党、大隈は立憲改進党(進歩党)との政党をつくり、明治政府の伊藤博文はドイツ憲法を手本とし、日本国憲法(大日本帝国憲法)を作った。
翌年の1889年、その憲法の下で初の衆議院議員総選挙が行われ、全国から選ばれた300人の議員らが集まり、第1回帝国議会が開かれた(「歴史にドキリ」より抜粋)。
こうして板垣と大隈は日本の議会政治の始まりに大きな役割を果たすのだが、今の日本政府を見て、何と嘆くだろう。
以下、某コラムを参考に、それぞれの政党の特徴を主観を込めてまとめてみる。
①自由民主党=裏金も派閥も汚職も世襲も全てやりたい放題の”自由な党”。
②公明党=”公明”(正大)とは聞こえだけはいいが、カルト臭過い。
③立憲民主党=憲法の上に立つ民主主義との意味だが、名前だけで前途多難は必至だろう。
④共産党=赤旗のイメージが未だに強いが、公約は真っ当だ。でも、実現には大きなハードルがある。
⑤国民民主党=国民が民主的とは??だが、名前が自民のパクリみたいで信用がない。
⑥日本維新の会=”維新”とした時点で終ってるが、所詮は族議員の寄合い(会)に過ぎない。
⑦れいわ新選組=名前は土建業の開拓精神にも似てるが、言ってる事は一番威勢がいい。
⑧日本保守党=”日本を守る”とは・・それだけでは曖昧過ぎるし、”保守”とは自民党の昔の名前である。
⑨参政党=”政治に参加する”党では、あまりにも単純過ぎる。
⑩社会民主党=社会と民主を目指す世界観は理想に過ぎないし、昔の社会党の方が現実的で信頼もあった筈だ。
という事で、今回はどの政党に入れようか?はっきり言って、政党の名前だけ見ても投票するに気分が滅入ってしまう。
でも、政治に関しては殆ど素人なので、少なくとも自民と公明と維新以外に投票すべきだとは思うが、前回は超少数派の社会民主党に入れたのだが、結果から言えば、投票するだけ無駄だった。
予想では、裏金問題などで、自民が大きく票を落とし、立憲が大きく票を伸ばすとされるが、日本の半分以上を占める農民票が存在する限り、自民は不滅であり、公明と維新?を巻き込めば、半数確保は揺るがないだろう。
長らく自民党独裁の日本の政治だが、対抗馬を作る為に敢えて立憲に入れるという禁じ手もあるが、今年は正直、迷う所が色々とある。
こういう時は、各政党の公約から、党の本質を炙り出すのが一番だが、それが出来れば何ら問題はないのだが・・・
政党の言い分と公約
因みに、各党の支持率(NHK調べ)では、自民党(31.3%)、立憲民主(9.2%)、維新の会(3.4%)、公明(4.4%)、共産(2.9%)、国民民主(2.3%)、れいわ(1.9%),社民(0.6%)、参政(1.1%)、”支持政党なし”が34.8%で、自公合わせ35.7%となり、それ以外の野党が29.5%。結局は今年も、自公で過半数を占める計算となる。
肝心の各政党の公約だが、口先ではナンボでもキレイ事を言えるのだが、「NHK選挙WEB」を参考に主観を入れて簡単に纏めてみる。
公平を期す為に、①政治とカネ②経済政策③子ども・子育て政策④社会保障⑤外交・安全保障⑥憲法改正⑦ジェンダー(夫婦別姓含む)の7つ政策に焦点を絞って説明したい。
自民党は、まず”ルールを守る”を筆頭に掲げ、政策活動費の廃止や透明性の確保に取り組むとする。次に、災害対応力を強化や地方創生の為の交付金の倍増に、国家安全保障戦略に基づく防衛力の強化と日米地位協定の見直し。更に、賃上げと憲法改正の早期の実現を目指す。”政権公約には内容と実行力の両方を兼ね備えた”と小野寺政調会長は胸を張るが、はっきり言って大ウソもいいとこである。
減反廃止によるコメ自給率の充実と消費税撤廃を公に約束してほしかったが、この時点で自民はアウトとなる。
立憲民主党も①の政治の信頼回復を第一に揚げるが、自民と同じで口先だけだろう。最低賃金を1500円以上の引上げも今の日本の経済力では当てにならないし、”試用期間中は半分の750円とする”に決まってる。
アメリカの圧力による急増した防衛予算の見直しだが、”NO”と言えるかが問題だが、多分言えない。更に、国立大の授業料無償化よりも年金見直しを優先すべきだろうが、”政治を正さねば日本はよくならない”とは全くの正論である。
維新の会も、世襲の制限や議員の定数削減などの政治改革を筆頭に揚げ、若い世代に過度な負担となる社会保障制度の見直しは、明日の日本を語る上で不可欠な重要課題である。”簡素で公平な税制を目指す”というが、減らすべきは消費税であり、富裕層の相続税・所得税・法人税は減らすべきではないし、防衛費のGDP2%増額は慎重に議論すべきである。
公明党も政治とカネの問題を最初に掲げ、”クリーンな政治を”とあるが、自民と組んだにしてはキレイ事過ぎる。その他に低所得者や子育て世帯の支援や時給のアップなどありきたりな公約だが、カルト臭さが抜けない限り、自民党と共に腐敗の象徴と言える。
共産党の公約は”政治とカネ”以外では他の党と味付けが少し異なる。エネルギー政策では原発と石炭火力ゼロを目標にし、更に憲法9条を守り抜き、改憲に断固反対する。欲を言えば、夫婦別姓制度ではなく農政改革を最初に掲げてほしかった。
国民民主党は、所得倍増計画による賃上げの実現と消費税減税、現役世代の社会保険料を軽減の3つを柱とする。公約は判りやすいが、政治の役割は国民の懐を単純に増やす事もあるが、それ以上に人生の本質を豊かにする事にある。
れいわ新選組は、個人消費の活性化を最優先課題にし、消費税廃止と社会保険料の引き下げを目指す。原発廃止や子育て・教育支援に防災省の設置など、”失われた30年”を日本経済の復活で取り戻そうとする意欲は、高く評価したいし、公約としては現実的で若者にも解りやすい。
社会民主党は、金権政治の一掃と消費税3年間ゼロの2本柱である。政治資金パーティーや企業団体献金の全面禁止を表に打ち出すが、現実的には不可能だろう。若者や子育て支援、時給1500円や高校の授業料無償化などは現実的だが、CO2ゼロには無理がある。個人的には、農政改革と消費税撤廃の2つで押して欲しかった。
参政党は、積極財政と消費税減税による経済成長とシンプルな公約だが、政党では唯一食料自給率の倍増を掲げ、新型コロナワクチンの接種推進策の見直しも現実的で、公約としては十分に納得できる。
最後に
以上、簡単に各政党の公約をまとめましたが、多くが”風通しのいい政治を”で共通してるみたいだ。但し、NHKの衆院選「ボートマッチテスト」では、私の考えは自民党の公約に一番近いと判断された。
これも想定内だが、公約の幅を広げる事で国民の声を取り込もうとの自民党の魂胆が見え隠れするが、それ以上に、NHKが自民よりと言えばそれまでだが・・・
だが、今年も”農民票=自民票”という農政の古臭い伝統の組織に守られた自民党が、過半数を守り抜くだろう。
が、こうした派閥や組織という絶対権力に守られた長期政権というのは、ネタニヤフ政権と同様に極右に走りやすい。一方で、超の付く少数派の政党ほど、私の理念に合致する傾向にある。
悲しいかな、これが民主主義の現実でもある。それでも解散総選挙は行われるし、行われるべきなのだろう。だが、今の選挙のやり方に矛盾や限界はないのだろうか?
つまり、議会政治と言えど寿命がある筈だ。
そこで、現行の選挙制度を理解する為の予備知識をおさらいする・・・と言いたい所ですが、長すぎてしまったので今日はここまでです。
次回は、衆議院議員総選挙で採用される”小選挙区”選挙制度の限界と矛盾について書きたいと思います。
自民離れが進むと思うんですよ。
その一方でコメ価格高騰でコメ農家は専業兼業ともに儲かってるから
コメ農家票は確実に自民となる。
巷でも自民が過半数をとるとか?大きく過半数割れするとか?真っ二つに分かれてるみたいですね。
野党では立憲や国民やれいわが確実に票を伸ばすでしょうが
共産は名前が✕ですよね。
公明は統一教会の件が微妙ですし
維新は大阪万博で票が落ち込むでしょうか。
要は国民が自民潰しに
どれだけ本気度が強いかが問われる選挙になりそうです。
小選挙区と比例区が混在した選挙の結果を予想するのは考えるほどに難しいですね。
当時、小泉進次郎が環境大臣で、JAの農薬が高いと値下げを要求していたりしていた時期だったので、あんなにいじめられても、まだ支持するんだと違和感を感じてました。
自民党に入れたくなくても、他に入れたい党もないところが、庶民のつらいところです。
ただ、与党か?野党か?の2極対立の構図で考えると、大きな落とし穴にハマる危険性も無視できない。
これからの民主主義は、多数派ではなく少数でも実現可能かつ適格で効果的な政策を提示できる政党が政府の中核を担う時代になると思います。つまり、アリが巨象を飲み込む様なものですが・・
でも選挙は多数決で決まるし、一票差でも負けは負けですから、数には拘る必要がある。
公約でも、どの政党も(優先順位は違えど)似たり寄ったりで、決め手となるものはありません。
様々な政党がバラつく程に議論はより深く広くなり、充実し、議論の末に決まる政策も進化する筈です。
後半でも書くつもりですが、数の論理ではなく、政策の有効性の論理で議会政治が動けば、民主主義は矛盾と限界を打破し、強くなれる。
勿論、理想論に過ぎませんが・・・
言われる通り、予想は難しいですが、例年通りというのだけは勘弁して欲しいですね。
自民の地盤が強い地域のJAなら、自民党への悪口は最悪はその地域の死をも意味するんでしょうか。少し大げさですが、考えるだけでゾッとします。
ウチはそこまではないのですが、水面下では色々と繋がってたんですかね。
言われる通り、田舎へ行くほどJAと自民の結束は尋常じゃないものがあります。
そういう意味では、田舎って本当に怖いですよね。
コメントありがとうです。
毎日新聞の予想では具体的数字を示し、自民党の得票を弾き出していた。
派閥裏金事件の逆風を受ける自民の苦戦は避けられず、小選挙区の4割弱が投票態度を明らかにせずとの前提の下での予想だが
全289小選挙区のうち優勢は110程度で、40以上の選挙区で激しく競り合う。比例代表でも60議席前後に留まるとの公算だ。
結果、推定獲得議席は171〜225の間と見ている。
自民以外は、立憲、国民民主、共産、れいわが大きく票を伸ばすと見ているが、これはどのメディも共通しているみたいだ。
減反に拘りすぎたが為に、コメ価格が急騰し、逆にコメ農家の信頼を失うとすれば、これほどの皮肉もないし
ロシアウクライナ戦争もイスラエルハマス戦争も未だ継続中だし、今年は色んな事が起こるように気がする。
と、コメント送ろうとしててたら
自民による非公認に2000万疑惑。
巷では<偽装非公認>と呼ばれてるけど、こんな所に地雷が隠れてたとは、石破も自民も終わりだな。
補助金や概算金を担保にして、コメ農家の票をかき集める自民党のやり方に疑問を感じてるのかもしれません。
171と225の中間をとっても200弱。公明が前年と同じ32議席を確保できれば過半数の233議席ギリギリだけど、小選挙区の4割弱の浮遊票がどっちに転ぶかで勝負が決まる。
一方で、自民党派閥裏金事件で非公認となった候補が自民党から選挙活動費として2000万円を支給され、野党からは”事実上の公認だ”と批判されてました。
全く”ルールを守る”を第一公約に掲げたのにまっ先に約束を破ってしまう。過半数割れどころか、第一党すらも危うくなってきました。
何だか、アメリカの大統領選みたいな殺伐とした雰囲気になってきましたが、国民の総意や声で言えば、選挙らしくなってきた。
やはり選挙には行くべきですね。