夕べはとにかくこれが飲みたくなって、夕食後にいただきました。
武夷岩茶の鳳凰水仙。
こちらの白瑞香と同じく、お友だちからいただいたもの。
先週開封して一度飲んだのですが、とても美味しくて感動しちゃったのです。
岩茶の鳳凰水仙はもしかしたら初めて飲んだかも。
広東省鳳凰鎮で栽培されている鳳凰水仙種を武夷山に移植して作られたと言うことですが、
なかなか面白い試みだと思います。
香りはマスカットフレイバーでまさに鳳凰単[木叢]を思わせるんだけれど、
飲んでみるとしっかり岩茶の味わいなんですよね。
リラックス効果と血行を良くする効果が同時に得られるような感覚!?
青茶にとって無くてはならない水仙種ですが、
その種類も産地によっていくつかに分けられます。
鳳凰水仙といえばもともと広東省鳳凰鎮で作られているもの。
鳳凰山区で作られる鳳凰水仙種の中でも優良単株で作られるものを鳳凰単[木叢]、
それに次ぐものを鳳凰浪菜、一般的なものを鳳凰水仙と呼んでいます。
福建省北部で作られる水仙種は閩(ビン)北水仙と呼ばれます。
武夷で栽培されるものは武夷水仙と名前がついています。
余談になりますが、「水仙」と言うのは
私の大陸の烏龍茶に対するイメージを二転三転させた品種で、
殊更に印象深い存在です。
かれこれ20年近く前、仕事で広州や香港に行っていた頃、
お土産に烏龍茶を捜すと必ず目にしたのが箱に書かれた「水仙」という名前でした。
その当時売られていた「水仙」は重焙煎の「鉄観音」を少し薄めたような印象で、あまり美味しいお茶ではありませんでした。
(お土産屋さんで売っていたものを買ったからかもしれませんが)
それでも中国土産と言えばダイエットに効く(?)とされていた烏龍茶か、
肝臓にいい漢方薬か、ロイヤルゼリーと言う感覚だったため、
何度か購入し、会社の人たちに配ったものでした。
(まずいと思うならお土産にするな、と突っ込まれそうですが)
私自身は台湾で凍頂烏龍茶の上品な味に魅せられていた後だっただけに、
「大陸の烏龍茶は美味しくない」と言うイメージが固定してしまいました。
特に「水仙」=「まずい」と思い込んでいました。
それから約15年後、大陸の烏龍茶のイメージを一新したのもまた「水仙」だったのです。
東京国際映画祭を観に行っていたある日の午後、ふと立ち寄った「
華泰茶荘」で飲んだ金萱茶で
再び中国茶熱に火がついた私は、時間があると中国茶ショップに立ち寄るようになりました。
そして、「
China Cha Club」で「鳳凰単[木叢]」に出会います。
口にした時、最初は着香茶かと思ったほど、そのマスカットのような香り立ちは素晴らしいものでした。
それまで美味しい烏龍茶は台湾にしかない、と思い込んでいた自分の無知に気づかされ、
これがきっかけで中国茶を一から学んでみようと思い立ったのでした。
もちろん「鳳凰単[木叢]」があの水仙種から作られていると言うのを知ったのがそれからずい分後のことになるのは言うまでもありません。
思い込みと言うのは恐ろしいものです