さてさて、湖心亭で頼んだお茶は「莫干黄芽」。
浙江省杭州市の西北に位置する徳清県に莫干山があり、
晋の時代から茶の栽培が始まったとされています。
浙江省の名茶として、近年はいろいろな賞を取っているようです。
このお茶をオーダーしたのは
お値段が低価格帯だったと言うのが一番の理由ですが、
黄茶はなかなか飲む機会もないし、
このブログでも黄茶のカテゴリーは初めてですしね
ところがです。
この莫干黄芽、ネットで検索してみると、
黄茶ではなく、緑茶として売られているものも多く、
『
カラー新書 中国茶図鑑
』のリストにも緑茶で載っています。
もしかして、実は緑茶?

でも、湖心亭のメニューにはご丁寧に「黄茶」と明記してあるし、
『中国茶文化大辞典』でも「黄茶」に分類されています。
飲んだのだからわかるだろうって?
う~ん、写真の通り、見た目は緑茶と変わりません。
一口飲んだ時も「黄茶」だとわかるような特徴は感じられませんでした。
微妙・・・。
ただ、他の方がオーダーした「開化龍頂」をいただいて比べると、その差は歴然でした。
「開化龍頂」が特別キレのある緑茶で渋味が強いと言うこともありますが、
飲み比べてみると「莫干黄芽」は渋味がなく、後味もすっきりとした甘さで、のど越しがすべらかだったのです。
淹れる前の乾燥茶葉を見ていないのではっきりとは言えませんが、
多少は後発酵プロセスを踏んでいるのかな、と。
黄茶の代表格である「君山銀針」も最近は悶黄(黄茶に欠かせない独特の製造工程)をしていない、
“緑茶”の「君山銀針」が多く売られていると聞きます。
近い将来、黄茶は分類から消えるのではないかという話も聞いたことがあります。
この「莫干黄芽」も黄茶と緑茶の両方が存在するのかもしれません。
(もう既に緑茶のほうが主流なのかも?)