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夏にサッパリ!すっきり「入浴剤」をつくろう!その方法と原理

2010年08月09日 | 科学全般
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 入浴剤とは何か?
 入浴剤は入浴の際に風呂へ投入することを目的とした物質のこと。大半が固体・粉末や液体である。よく思い出すのは風呂に入れると炭酸の泡の出る、錠剤タイプ。でもそれだけではない、液体タイプや商品名に○○温泉の銘の入ったもの、菖蒲湯や柚子湯も入浴剤のなかまである。

 入浴剤の基本的な効果は、入浴そのものによって得られる温浴効果(身体を温める、痛みを和らげる、等)と清浄効果(汚れを落とす、皮膚を清浄にする、 等)を高めることにあり、この考え方を基に、商品に表示あるいは広告できる具体的な効能が薬事法に定められている。

 入浴剤の種類は大きく分けて、「天然の植物や漢方薬」、「温泉成分を取り出したもの」、「無機塩類化合物」の3種類存在する。またこれら組み合わせた入浴剤も存在する。

 入浴剤の種類
 植物・漢方薬に由来するものとしては、端午の節句の菖蒲湯、冬至の際に柚子を入れる柚子湯など、健康を願う風習として植物などを風呂に入れられている。大子温泉のりんご湯のように、温泉地の名物として、植物を風呂に入れる場合も存在する。

 温泉成分に由来するものとしては、湯の花が代表的である。湯の花を風呂に投入することで、遠方の人でも温泉の効能を味わうことができる。温泉地の土産としても一般的である。また、放射能泉と同様の効能を目的としたもので、「ラジウム鉱石」を製品化したものもある。

 無機塩類化合物に由来するものとしては、日本では最も一般的な入浴剤であり、昭和初期に登場した。戦後各家庭に風呂が普及するにつれ、その種類も急速に増えていった。酵素を配合したもの、炭酸ガスを配合したものをはじめ、海や温泉を色のモチーフとした入浴剤など、多種多様なものがある。

 家庭向けに市販されているものは、無機塩類化合物タイプの入浴剤が多い。主な成分は、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムであるが、硫酸カルシウム・炭酸カルシウム・酸化チタンを含めることで、白濁させたり肌になめらかな感触を与えたりする効果のある商品もある。

 炭酸ナトリウムを配合した製品は、湯に溶かした際二酸化炭素を発生し泡立つ。そのほか保温効果や健康を増進する目的で、酵素や植物エキスを配合したものが多数発売されている。

 夏に最適の入浴剤は?
 さて、暑い夏を快適に過ごすための入浴剤はどんなものだろう?夏場の入浴に特に求められる効果としては、(1)「汗等による不快感」をなくす。 (2)「冷房による体調不良」を回復する。 (3)「強い日差しによる肌のダメージ」等の解消があげられる。
 
 (1)には肌に「さっぱり感」、「ひきしまり感」を与える成分として炭酸水素ナトリウムや硫酸アルミニウムカリウム等を配合したもの、またメントール等による清涼感を付与したものがおすすめ。色調は寒色系(青、緑系色等)のものが視覚的にも涼味を与えてくれる。
 
 (2)には硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム等の無機塩類系入浴剤、また炭酸塩と有機酸による炭酸ガス系入浴剤、センキュウ・トウキ・チンピ等の生薬やそのエキスを配合した薬用植物系入浴剤等が「温まり」「血行促進」効果を発揮してくれる。
 
 (3)ではスキンケアに主眼を置いた入浴剤としてセラミド、スクワラン、ミネラルオイル等を含む入浴剤が上げられる。
 
 一般にリラックスできる色調は「パステル系」と言われており、気持ちを鎮めたい時は寒色系、憂鬱な気分を盛り上げたい時には暖色系が有効だと言われている。また、ジャスミン系やレモン系の香りも気分をリラックスし、リフレッシュするには有効である。

 入浴剤の作り方
 無機塩類化合物に由来する入浴剤は、個人で作ることもできる。硫酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムの粉末を入手し、エッセンシャルオイルなどを自分好みに調合することでオリジナルの入浴剤が出来る。代表的な作り方を紹介する。

 材料は、重曹、クエン酸 化粧水 着色料(食品用) エッセンシャルオイル など...。道具は、クッキー用の型、プラスチック容器、プラスチックスプーン、ドライアーなど...。

1.重曹2杯、クエン酸1杯、スプーンでとり、プラスチックの容器などに入れ混ぜる。
2.化粧水を2~5mlスプーンにとり、1 に加えよく混ぜる。さらに食品用の着色料を少量加えて、好みの色にしてもよい。
3.クッキー用の型にスプーンで押しながら詰め込む。
4.ドライヤーを使い、温風で10分ほどで乾かす。または、1日自然乾燥させてもよい。
5.型から取りだし、保存容器に入れる。
6.使うときに、エッセンシャルオイルを1滴、滴下するとよい。

 クエン酸、重曹はお掃除にも使うので、入浴剤で浴槽はきれいになる。

 入浴剤の効果とメカニズム
 入浴剤の基本的な効果は、入浴そのものによって得られる温浴効果(身体を温める、痛みを和らげる等)と清浄効果(汚れを落とす、皮膚を清浄にする等)を高めることにあり、この考え方を基に、商品に表示あるいは広告できる具体的な効能が薬事法に定められている。ここでは、主な成分を紹介する。

1. 無機塩類系入浴剤
 (硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、等を主成分とするもので、剤型的には粉末、顆粒が多い)

 このタイプの最大の効果は、塩類が皮膚の表面の蛋白質と結合して膜を形成し、この膜が身体の熱の放散を防ぐために、入浴後の保温効果が高く湯冷めしにくい。

 特に硫酸ナトリウム(芒硝)は皮下組織の賦活作用、修復作用があり、あせも、ひび、あかぎれ等の予防に効果がある。 また、炭酸水素ナトリウム(重曹)は石鹸と同じように皮膚の汚れを乳化し、清浄効果を有している。

 最近各地の温泉地名をつけた商品が発売されているが、無機塩類の他に香りや色等で温泉気分のリラックス感を引き出している。
 
2. 炭酸ガス系入浴剤
 (炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等とコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等を組み合わせたもので、剤型的には錠剤や粒状)

  このタイプは炭酸ガスの血管拡張作用を有効利用したものです。湯に溶けた炭酸ガスは皮膚吸収により容易に皮下内に入り、直接血管の筋肉へ働きかけ血管を拡げる。血管が拡がると末梢血管の抵抗が弱まるので血圧が下がり、血流量が増える。その結果全身の新陳代謝が促進され、疲れや痛み等が回復する。

 同時に温かい湯に入っているならば血液が体表面の熱を全身へと運び、身体の芯まで温まることになる。なお皮下内に入った炭酸ガスは、肺から呼吸によって体外へ排出されるので、身体の中に蓄積するようなことはない。
 
3. 薬用植物系入浴剤
 (センキュウ、トウキ、ボウフウ、チンピ、カミツレ、ハッカ葉等の生薬を配合しており、生薬をそのまま刻んだもの、生薬のエキスを取り出して他の成分と組み合せたもの等種類は色々)

 このタイプの効果は生薬の種類によって異なるが、生薬に含まれている化学成分の働きと、独特な香りの働きからなりたっている。生薬はそれぞれ長い歴史の中から生まれ、その効果は医療薬として、日本ばかりでなく欧米でも高く評価されている。また入浴剤に応用した場合にも血行促進効果や湯冷め防止効果等が認められており、そのメカニズムについて最近盛んに研究 がなされ、徐々に解明されつつある。

 もう1つの効果『香り』については、生薬に限らず“アロマテラピー(芳香療法)”が注目され、研究の対象となっている。香りによるリラックス効果は脳波や心拍数等の測定により証明されてきている。

4. 酵素系入浴剤
 (蛋白質分解酵素、パパイン、パンクレアチン等の酵素を配合したもので、無機塩類と組み合わせて使うことが多い)

 酵素は医薬品の消化剤や洗浄剤等によく利用されるが、人間はもちろん、微生物や植物などの生物の体の中で作られ、蛋白質や脂肪、澱粉等を分解して消化や洗浄を助ける効果をもっている。

 入浴剤に酵素を配合する目的は、皮膚に無理な刺激を与えずに清浄にし、他の成分と一緒に入浴効果を高めることにある。人の皮膚表面の角質層は、外界の温度や刺激等から体を保護する働きを持っているが、外界環境のチリや埃が皮膚表面で絡まって毛穴や皮膚の溝の中に入り込み、落ちにくい汚れとなっていることがある。

 酵素はこのような汚れに特異的に作用して、汚れを小さくしたり別の形に変えたりして洗い流し易くする。その結果、浴後は清潔で滑らかな使用感をもたらす。

5. 清涼系浴用剤
 (l-メントール、炭酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム等を配合したもので、剤型的には液体、粉末、顆粒が多い)

 このタイプは、夏の入浴を快適にするためのもので、主にl-メントールを配合して冷感を付与させたものや、炭酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウムを配合し入浴後の肌をサッパリさせたものがある。また、お湯の色は青色を基調にしたものが多く、視覚的にも爽快感を付与している。

6. スキンケア系入浴剤
 (セラミド、コレステリルエステル、米胚芽油、エステル油、スクワラン、ホホバ油、ミネラルオイル、米発酵エキス等の保湿成分を主に配合したもので、剤型的には、液体が多い)

 このタイプは、保湿成分が入浴中に皮膚に吸着浸透し、スキンケアを行うもの。特に冬の乾燥時は、入浴後過度に角層中の水分が失われ、お肌のかさつきが起こりやすくなっており、入浴剤によるスキンケアが重要となる。

 また入浴で膨潤したお肌は、浸透し易い状態になっているため、保湿成分が肌の表面に吸着するだけではなく、角層内部にまで浸透していく。その結果、入浴後は肌がしっとり、すべすべになる。(出典:日本浴用剤工業会)

 

参考HP Wikipedia「入浴剤」・日本浴用剤工業界「入浴剤の効果とメカニズム

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