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海の色が台風の進路を決める?台風の発生・発達・衰退

2010年08月19日 | 気象

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 台風の発生と温度
 地球温暖化の影響で、台風が大型化したり、発生数が増えることが予想され、話題になっている。ところで、台風の発生する海域は何度以上あるのだろう?

 台風は、海水温が27℃以上あるところでないと発生しない。過去の統計から明らかとなっている。海水温が高いと、その上空には沢山の水蒸気がある。こういった海域に何らかの理由で空気が集まってくる(収束)と、空気は行き場を失って上昇気流が生じる。

 空気が上昇すると、気圧が下がって気温が下がる。気温が下がると水蒸気は水滴に変わって、凝結熱を吐き出す。この凝結熱で空気は温まり、軽くなってますます激しく上昇する。こうして台風は、水蒸気の凝結熱をエネルギー源として発生、発達していく。

 台風の発達と衰退
 それでは台風はどうやって、衰退するのだろうか?

 発生後の台風の盛衰には台風進路にあたる海面水温が大きな影響を及ぼすといわれている。地球温暖化に伴って将来の海面水温が上昇すると、日本に来襲する台風の頻度や強度が影響を受けることが予想されている。

 台風の発達におおいに関係しているのが、海水温。27℃以上が発達の目安であり、台風の元は、蒸発する水蒸気によってできる対流性の雲である。

 台風のエネルギー源は暖かい海水から与えられる水蒸気だから、台風が陸地に上陸したり、海水温が低い海域へ移動するとエネルギーの補給源が断たれ、発達どころが自分を維持できなくなって衰えはじめる。台風の上陸はその地域にとっては脅威だが、そのことによって台風が衰えてくれるという一面もある。

 海の色が台風の進路を決める?
 最新の研究によると、海の色には台風(熱帯低気圧)を動かす力があるという。地球温暖化によって海の色がすでに変化し始めている可能性があり、台風の進路を見極める上で役に立つかもしれない。

 アメリカ、ニュージャージー州プリンストンにある地球物理流体力学研究所の海洋学者アナンド・グナナデシカン氏が率いる研究チームは、コンピューターシミュレーションを用いて、海の色と大型の熱帯低気圧との関連性を調べた。大型の熱帯低気圧は、北大西洋と太平洋北東部ではハリケーン、太平洋北西部ではタイフーン(台風)と呼ばれる。

 グナナデシカン氏は、「私たちのチームは複数の気候モデルを開発しており、そのモデルを現実に近づけることが私の仕事の1つだ」と話す。海の色など、これまであまり研究されてこなかった因子を詳しく分析することもモデルを現実に近づける方法の1つだ。

 海の色の透明化
 北太平洋では葉緑素を持つ微生物である植物プランクトンが豊富なため、海の色は主に緑色になる。海に浮かぶ植物プランクトンは太陽光を吸収することで、海面温度を比較的高く保つ。植物プランクトンの数が減少すると、太陽熱はより深い水中にたまる。

 研究チームは気候モデルを使って、北太平洋の環流に住む植物プランクトンが減った場合のシミュレーションを行った。環流とは、海洋全体に及ぶこともある大きな渦状の海流である。「北太平洋の環流はすでに水が非常に澄んでいるが、これを完全な透明だと仮定した」とグナナデシカン氏は説明する。

 環流の水を透明にすることで、環流の最も浅い水域から熱が奪われた。海面温度が高いことが熱帯低気圧の大型化の一因であるため、この変化は極めて重要だ。

 コンピューターモデル
 
熱帯低気圧は、赤道沿いの熱帯の暖かい水域の上空で発生し、北または南の亜熱帯地方に向かって進む。例えば太平洋北西部では、熱帯低気圧は北上して日本と中国に上陸するのが普通だ。

 しかし、コンピューターモデルで北太平洋の環流から色と熱を取り除いたところ、熱帯地方から北上する熱帯低気圧の数が通常の3分の1に減少した。海面温度が下がると熱帯低気圧そのものが存在し続けられなかった。

 北へ行くほど海の色が薄くなる場合、熱帯低気圧は赤道沿いに進み、フィリピン、ベトナム、タイに上陸する傾向が見られた。「環流の色が薄くなることによる影響は非常に大きかった。本当に驚いた」とグナナデシカン氏は明かす。

 カリフォルニア州にあるスクリップス海洋研究所の生物地球化学者で、今回の研究には参加していないマンフレディ・マニッツァ氏によると、環流は植物プランクトンなどの生命体を育む能力が低いという意味で「生産性が低く、海の砂漠と言える」という。「気候が温暖化すれば生産性はさらに下がる可能性が高い」。

 海の透明化はどうなる?
 「Nature」誌に最近掲載された別の研究によると、海洋の透明化はすでに進行している可能性がある。地球温暖化による海面温度の上昇に伴い、海の深い部分にある栄養素を豊富に含む低温の水と混ざり合うことが少なくなり、浅い水域に住む植物プランクトンが栄養不足で死滅しつつあることが明らかになったという。

 しかしコンピューターモデルの研究を率いるグナナデシカン氏は、最近数十年間でプランクトンが増加したことを示す研究も発表されていると反論する。「海に住む葉緑素を持つプランクトンの数の変化を推定する際の大きな問題は、まともなデータがNASAの人工衛星に搭載された海色センサーSeaWiFS(Sea-viewing Wide Field-of-view Sensor)による12年分のデータしかないことだ」。

 同氏の研究チームは今後、現在ある人工衛星のデータを用いて海の色の変化を追跡し、現実世界でも海の色と熱帯低気圧の進路とに関連性があるのかどうかを確かめることにしている。

 この研究は「Geophysical Research Letters」誌に近日中に掲載される予定である。(2010年8月16日 ナショナルジオグラフィック) 

 

参考HP WeatherPlanning「お天気なぜなぜ」 

台風学入門―最新データによる傾向と対策
村山 貢司
山と溪谷社

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