進化と退化は対義語ではない
一般的にいうと、「退化」という言葉は「進化」という言葉の反対の意味の言葉にとらえている人が多いが、これは誤解である。というのは退化は生物の特定の器官、組織、などが次第に縮小していき、時には消失することであるが、進化でも同じことが起きることがあるからである。
例えばウマの進化では、平坦な草原を走るための適応として足の中指が発達し、その一方でそれ以外の指は退化した。その結果、現生のウマは一本指である。つまり、ウマの進化では中指以外の足指の退化が重要な役割を果たしているのである。つまり「退化」は「進化」の形態の一つといえる。
実際に「進化(evolution)」の意味は、生物の形質が世代を経る中で「変化していく現象」のことであり、変化すればよいので「退化」しても「進化」といえる。対義語ならば「進歩」と「退歩」の方が適切かもしれない。
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参考 National Geograpphic news: 「退化」は進化の一環、新たな力を得た動物たち
種の起源〈上〉 (光文社古典新訳文庫) | |
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光文社 |
進化とは何か ドーキンス博士の特別講義 | |
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早川書房 |