第21作目、相州七里浜(そうしゅうしちりがはま)です。
神奈川県鎌倉市稲村ケ崎
「富嶽三十六景」の広告文で「或は七里ガ浜にて見るかたち」とあるように、
本シリーズ初期の藍摺の一枚です。
藍一色で墨絵の趣があります。現在の鎌倉稲村ケ崎から見た富士です。
北斎には珍しく、人物も描かれていない風景画です。
鎌倉の七里ガ浜は長く、砂浜と江の島の向こうに富士山を望む景勝地です。
しかし、中央の小動岬(こゆるぎみさき)が大きく、左の江の島が極端に小さく
描かれています。
文様化されたわき上がる雲を見ても実際の風景とは異なるようです。
少し角度を上げアップしました。
原画です。
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。