第30作目は、東海道江尻田子の浦略図です。
静岡県静岡市清水区由比・駿河湾沖
田子の浦と言えば、奈良時代の万葉の歌人・山部赤人の名歌
「田子の浦 ゆうちい出てみれば ま白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける」
でも知られる歌枕の地です。
二艘の船が波に揺られ、漕ぎ手たちは渾身の力をこめて艪(ろ)を握っています。
浜では、人々が田子の浦の名物である「塩焼き」を楽しんでいます。
船の孤線が富士の稜線と響きあう様を描いているようです。
前作に続き船の製作でした。特に手前の船は力が入りました。
原画です。
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
http://fugaku36.net/