masumiノート

何を書こうかな?
何でも書こう!

武勇伝(おまけ)

2009年11月10日 | ガソリンスタンドでの出来事
○○さんが帰ったあとのこうちゃんとmasumiの会話

「J○は100リッター以上でないと配達しないんやって、さっきおまわりさんに話してはったで・・・」
「車、持ってはらへんしなあ・・・」
「灯油が無かったら寒いんとちゃうやろか・・・」
「可哀想やな・・・・持っていったろか」
「そうしたろか」
・・・
・・・・
「いや、今すぐ行ったら又図に乗るかも知れへん」
「そうやな、どこも配達してくれへんようやったら又電話してきはるやろ」
「そしたら行ったげてな」
「そうしよう」

幸い、どこか配達してくれる所があったようで、それ以来電話はありません。

今は、あの人も寂しかったんかな?と思います。
だけど、あの時はあれで良かったと思う。
次のお店には横柄に電話をすることは無くなってると思うから。
それに、何かあの出来事は約束事やったような気がしています。

もし、今後また、このような出来事があれば・・
私は早々と泣いて謝ろう、と考えておりまする。

顔の周りに分厚い膜

2009年11月10日 | ガソリンスタンドでの出来事
しかし、不思議といえば・・・

拳骨で何度も殴られていれば、顔にアザのひとつも出来ていておかしくはないのに、全く何ともなっていないんじゃ。
男連中は皆青アザが出来ておったのにのぉ・・・
「女やから手加減したのと違うか?」と、こうちゃんは言うけど、あの逆上ぶりでは手加減は考えられんなぁ。

殴られておる間、痛みも恐怖も感じておらん。
身体が分厚い膜で覆われた感覚があって、拳骨がその膜に届いた瞬間「ふっ」とその拳骨の力が消えるのが分かったんじゃ。


その時の空気の感じが、masumiが子供の時分に山伏のおじいちゃんの枕元に不動明王が浮いておるのを見た時と同じだったんじゃよ。

あの空気の感じは、異なった次元のものでは無いのかのぅ・・・
殴られた時は、何(誰)かが守ってくれたのかのぅ・・・

うーむ、
・・・考えても分からんことじゃて・・・


武勇伝?(昔語り風)

2009年11月10日 | ガソリンスタンドでの出来事
もし、そこのお人・・・
暇つぶしにワシの話を聞いてくれるかのう?

昔のことなんじゃが、ここに居るmasumiは客に拳骨で殴られて「警察沙汰」なるものを経験した事があるんじゃよ・・・

(客に殴られるとは、よほど酷い接客態度だったんだろう?)

はっはっは、普通はそう思うじゃろうのぅ・・・
しかし、まぁ、聞いてやってくれるかのう・・・・


相手は車を持っていない灯油配達だけのお客さんだったんでのぉ、それまでmasumiはその人物に会ったことは無かったんじゃ。

そのお人はな、毎回「すぐに来やがれ!」と怒鳴って電話をして来るようなお人だったんじゃ。

「おう、●●の○○や!すぐに灯油持って来い!」

「今、配達担当者が食事中なので、それが済んだら行かせて頂きます」

「飯なんか食わんでええわい、すぐに来いや!」

ずっとこんな調子だったんじゃよ。

こうちゃんにはな、「適当にハイハイと返事しておけばいいねん。」と言われておったんじゃが、masumiにはそれは出来ん事だったんじゃ。

「今、順番に回っていますので、○時以降になります」
「すぐに来させろ!」
「なるべく早く行くようにはしますけど・・・」

毎回こんな調子じゃ・・・


しかしのう、本当はmasumiはこのお人からの電話を受けるのは、とてもとても怖かったんじゃよ。


12月のある日のこと・・・

お客様から保険について問合せの電話応対中の事じゃった。

ビジネスホンに変えたのでな、話中でも、別の人からの呼び出し音が鳴るんじゃ。

こうちゃんは食事中でアルバイトの子は給油作業中だったでの、その呼び出し音はずっと鳴っておったんじゃ。

お客様との話が終わって受話器を置いた時点でも、まだ呼び出し音がしておったんで、masumiは受話器を取ったんじゃ。

「お待たせしました」 言い終わるか終わらないうちに

「何しとんじゃ!コラ、ボケ!ハヨ電話に出んかあ!ドアホが!●●の○○じゃ!すぐ灯油を持って来い!」

相手のあまりの剣幕と咄嗟の事に、「すみません。すぐ持っていきます。」と思わず答えたものの、受話器を置いてからだんだんと腹が立ってきたんじゃのお・・・

昼休憩中のこうちゃんの所へ行き「カンカンガクガク」と訴えたんじゃ。

その年の春から、朝7時から夜8時まで働くことになって、アルバイトに仕事を教えてやるのも必死だったし、自宅のことは放ったらかしで働いておるにも関わらず、こうちゃんの身内からは冷たくされておってのぉ・・・

恐らく、神経が張り詰めておったんじゃろうなぁ。
こうちゃんに話しておる内に「朝から晩まで一生懸命に働いて、その上に何でまだこんな目に遭わんといかんの・・・?」

そう言ってmasumiは泣いてしもうたんじゃ。


するとの、いつもはなだめるだけのこうちゃんが、その時は相手に電話を掛けてくれたんじゃ。

「いきなりボケやドアホって、それはないやろう。そんな電話を掛けてくるんやったら灯油の配達はもう行かへんからな。」

そう言ってくれたんじゃ。
このこうちゃんの対応はmasumiには嬉しい事じゃった。

しかしのう、電話を切ると
「今からこっちへ来るらしいわ」と言うのじゃ。

masumiは一瞬恐れ慄いたんじゃが、この頃には(まっ、いいか)と思うことができるくらいの度胸が身についとったんじゃなあ。



一時間後くらいだったかのぉ・・・

masumiが事務所の奥へ書類を取りに行って戻って来たら、見知らぬ人物が腰掛けておったんじゃ。

(この人かな?)と思いつつ、一応「こんにちは。」と挨拶をしたんじゃ。

するとな、
「こら!コンニチワとちゃうぞ!何か文句があるらしいやないか。(社長を)呼んで来いや!」
そう怒鳴るのでな、masumiはこうちゃんを呼びに行こうとしたんじゃ。

そうしたらな、
「待てや!・・お前かぁ?!ワシがアホとか、言って無いことを言ったとか、ぬかしとるらしいな!」と言うのでな

ドアの所でmasumiは振り返って
「私は、あなたに確かにドアホと言われましたよ。」
「あなたはドアホと言いましたよ。」
と答えたんじゃ。

そうしたら相手がいきなり立ち上がってのぉ、

「何やとオ、女の癖に偉そうにぬかしやがって!」と怒鳴りながら
masumiの頭を何度もドアにぶつけながら、襟首をねじ上げ首を絞めて来たんじゃ。

おなご相手に恐ろしいのぉ・・・


相手は身の丈180程もある体格の良い大男でのぅ、それから更に首を締め上げながら宙釣り状態にしようとしたんじゃ。

首を閉め続けられてmasumiも流石に息が苦しくなり、(うぅ・・苦しい・・・誰か気がついて・・・)と横目で外を見ると、こうちゃんとバイトの子とお客さんが3人で笑いながらおしゃべりしとるのが見えた。
(ダメだ、こりゃ)と相手の顔を見たら、厭らしくニヤリと笑いよったんじゃよ。

それを見た瞬間、masumiの何かにスイッチが入ったんじゃな。

(ええかげんにせえよ、オッサン)と思いながら、足で急所を蹴り上げようか?とも考えたんじゃが、(それをしたらこのオッサンはマジで切れよる)と思っての、少し考えて頬を張ることにしたんじゃ。

masumiは相手を睨みつけながら、ほっぺたをひっぱたいた。

その瞬間、びっくりした顔をして一旦後ろに退いたかと思いきや、

「おまえ! このクソ! おまえ! 女のくせに男に手を上げるやとお! 生意気な! *&%#$”*(意味不明)」

逆上して叫びながら、拳骨で5,6発殴ってきたんじゃな。



冬だったのでの、厚着しておったし、マフラーで顔を覆っていたのもあるんじゃろうが、不思議なことに全然痛みを感じなかったんじゃ。
それにその時には恐怖感は無くなっておったんじゃ・・・


気が付くと、出勤して来た大学生のバイトの子が「ヤメロー!」と叫びながら、羽交い絞めにしてくれようとしていた。
その姿は勇敢で凛々しくて格好良かったのう。惚れ惚れしたわい。

その時やっとこうちゃんも気がついてくれて、もうひとりのバイトの子と事務所に入ってきて3人掛かりで取り押さえようとしてくれていたんじゃが、相手の力が強くてのぉ。
かなり手こずって、もみ合いになっておったんじゃ。
ひとりは床に投げ飛ばされておったし、後で見たら皆、青アザが出来ておった。

masumiは男たちが揉み合っておる間に110番したんじゃ。

取り押さえようとしている間も、まだmasumiの方へ向かって来ようとしておったんじゃが110番されて観念したんじゃろう。
見ると椅子に腰掛けて、その前に男衆3人が立ちはだかってくれておった。

警察が来るのを待っておる間、アルバイトの子に向かって、どこのもんやとか名前とか聞いておるのでな。
「この子らは関係無いやろ!もしこの子らに何かしたらタダでは済まさへんで!」とmasumiは啖呵を切っておった。

全く、止せば良いのに、懲りんやっちゃ(苦笑)


警察が来るとな

「このおばはんが、いきなりぶって来よったんや」

?! これには参ったのぉ(笑)
オイオイ、有り得ないだろうよ、「こんにちは(^^) 」パーンチ!ってか?!

・・・ヨシモトじゃないけどズッコケタわい。


その後、事情を聞かれたんじゃが、自分に都合の良いように話したみたいでのぅ・・・
おまわりさん曰く
「それぞれの言い分が違うから、全くの第三者の証言が無い限り、どちらが加害者か、被害者か決められない」

「相手とmasumiだけなら、男対女で、まだ決め易い。しかし(止めて)と言って相手の胸を押すのは“防衛”だが、ビンタは“暴力”になる」

そう言うんじゃよ。

そして相手を止める為とは言え、男3人掛かりで膝蹴りとかもしてるから、もし相手に訴えられたら、逆にこちらが加害者にされる可能性もある、とも言われてのぉ・・・

「ここはひとつ穏便に」とおまわりさんに言われ、こうちゃんが話し合うたのじゃが、相手は「俺は客やぞ」「その客に向かって」という気持ちが強くてのぅ、
「覚えとけ、このままやったら商売できんようにしたる!」
「ワシは働いてない人間やから、暇がある。毎日嫌がらせに来たるぞ!」と喚いている声が外まで聞こえて来たのぅ。

おまわりさんの一人が、「あれは昔からあんなんで普通じゃない(元ヤクザ)から、ここは穏便に。」とmasumiにも言いに来たんじゃ。

そしてこうちゃんもやって来て「腹が立つやろうけど、頭下げたってくれ」と言ったんじゃ。

masumiはこうちゃんが電話をしてくれた時点で腹の虫は治まっていたんじゃが、アルバイトの連中は若い血がたぎっておるのでのぉ・・・
シブシブじゃったのぉ(笑)

事務所へ入ると、○○さんがおまわりさん達に「J○は100リットル以上でないと配達しよらへん」とか何とか愚痴っておった。

masumi : 「○○さん」・・(耳元に顔を近づけて)「○○さん」

○○さん : 無言でmasumiを見る

masumi : 真っ直ぐ見つめながら、一言一言ゆっくりと「電話、すぐに出なくて、大変、申し訳ありませんでした」

○○さん : 無言でうなずく。

バイト2人(嫌々) : 「すみませんでした」

○○さん : 「おまえら、若いねんから、ワシみたいな年寄り相手に本気出したらあかんぞ」

これで気が済んだようで帰って行かれたんじゃ。


警察署はその日は暇だったのかのう?
パトカーが次々と6台も到着して、まるで「踊る大捜査線か?!」というくらいの勢いだったんじゃよ

ガソリンスタンドにパトカーが6台も停まっておったら・・・
そりゃあ、誰も給油に来ないわのう。はっはっはっ(笑)


しかし、masumiがここまで逞しくなれたのは「飼い犬に噛まれて・・」という経験があったからなんじゃよ。

それまでのmasumiは、地に足がついておらんでふわふわしとった。

「自分を生きておらん」人間だったんじゃ。

飼い犬に噛まれた「後」の経験があったから、人(アルバイト)にモノを教える事も出来たし、このような時でも怯まないで居られるようになれたんじゃよ。

犬というのは、“使い”の役目を持っとるのかも知れんのぅ・・・