masumiノート

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業界新聞より

2011年05月30日 | ガソリンスタンド

改善されない収益構造 廃業ほのめかすSSも
5/20 燃料油脂新聞より

東海地区SSによると、系列と業転の格差拡大により小売価格は底上げされず収益構造は改善されていない。
仕入れ格差がこのまま続けば再投資どころか存続すら危うくなる。

だが、複数のSSによると
「仕切りに不満があるならいつでもマークダウンすればよい」と
元売は強気の姿勢を崩さない様子だ。

その元売だが、多くは2011年3月期連結決算で経常利益が前年比2-4倍増を記録した。
複数元売は震災被害で特別損失を計上したが、石油製品マージンの改善が増収の最大要因になった。

昨年4月以降、コスモ石油やJXホールディングスが仕切り方式を変更するなど、
元売各社が仕切り価格の底上げを図った結果だ。

ある研修会で講師が「“仕切り”とは、元売と特約店の間で流通マージンを2分するため線引きした値」と説明していたが、
両者を比べると、現在の流通マージンは元売有利に偏っている。

販売業者からは「元売はわれわれを潰す事が目的なのか」と怒りの声をよく耳にするが、
地域の販売店がこれ以上減ると、元売販社など資本力のあるSSのみ存続し寡占状態を招きかねない。

仕切りの決め方には“優越的地位の濫用”が当たらないのだろうか。

あるSSは
「とても再投資できる経営環境に無い。
精密油面計や電気防食システムを設置しても漏洩したら営業を中止せざるを得ない。
地下タンクの入替えやFRPライニングは国の補助金を使っても投資額が大きすぎる。
息子に跡を継がせようと思っていたが、今となってはどうしたらよいかわからない」と
廃業への意向を示しながらこう語った。

改正消防法の猶予期限が刻一刻と近づいている。

法令順守の為、何らかの措置は必要だが、前述のように現況では将来的に投資回収の見込みが立たない。

地下タンクの老朽化で再投資の道が絶たれれば廃業を決断せざるを得なくなる。

打つ手が無いまま暗中模索の状態が続く。


問題が噴出する現仕切り
5月30日 ぜんせき「論説」より

不適当なところや、不備な点を改めること。
これを改正という。

ところが08年10月以降に導入された現行制度につながる石油製品の週仕切りフォーミュラはどうだろう。

改正という語源が用いられる場合は、ほぼ元売側にのみ利することをもって、改正を繰り返す遍歴しか残されていない。

元売の側にのみ利する改正を繰り返した結果、前三期の大手元売3社収益は、
在庫要因を除く石油精製販売部門の実力部分で、実に前々期比5059億円の良化を果たした。

比較対象の前々期が最悪の決算だったことを勘案しても、V字回復であることは疑いようも無い。


中略


昨年3月以降、元売起案による仕切り制度改正の動きが生じた際に、本欄でも、
度々、元売側に一方的に有利にしか見えない改正の中身に疑問を呈し、
特に系列SSの競争力が著しく削がれる事態となることを憂慮した。

実力行使的に既成事実となった際には、
この制度改正の前提条件として、元売は緻密な需給調整と子会社の率先垂範を管理し、
PB=SSの競争力が不当に高まる事がないよう、手当てする事が大前提だ、と注文をつけた。

全石連活動、経営部会によるブランド相当量料の提案についても、
制度改正が、系列SS視点では、実は改悪の部分しか出てきていない実態について、最小限の改正を求めたのだ。


中略


系列SSは丸一年、元売側に一方的に利する制度改正を受け入れてきた。
それによる丸一年の出血に耐えてきた。

系列SSにも利が残る改正を求める権利が我々にはある。

指標レス何円。
これが指標と化してしまっている業転。

仮にガソリン需給が中期的に過剰だとするなら、
現フォーミュラが適用される限り系列SSは体力を失い続ける。


新・新仕切り以降ももちろんですが、
それ以前から、ずっと系列販売店は苦渋を舐めてきました。

「元売のマークを掲げていると、その元売に潰される」
そう考えて系列販売店からPBになった経営者の方もおられます。

系列でいることを、「いつまでも元売に頼っているダメな経営者」とバカにする風潮も業界内にはあるようです。

でも、販売形式や客層によって、系列で居る事が必要不可欠な販売店もあるのです。

それは以前も記事にしましたが、
取引先に、全ての商品、灯油にまでMSDSなどの提出が必要な企業があるからです。


「業転玉で薄めていてもMSDSや試験成績表などは手に入るのだから、業転で薄めて何食わぬ顔をしていれば良いのに」
そう思う方も居るでしょう。


でも、こうちゃんはそんな事しません。

だから・・・

うちは、体力は残っていません。



8年前からこの業界に見切りをつけて、
「早く畳んだ方がきキズが浅くて済むよ」と、こうちゃんに言ってきた私ですが

「ありがたいお客様が居る」
そして
「嫌な客には来て貰わなくて結構」

そんな風に考えることで、
「働ける場があることは幸せ」と思えるようになっていました。

儲けは出なくてもいい。
こうちゃんに付き合って行くことにしよう。

そう思った矢先の地下タンクの法規制です。

この法規制も、「知ったときにはもう決まっていた」という、寝耳に水の出来事でした。


渡っていた不安定な綱渡りの綱を、ブチッと切られたようなものです。

その綱を繋ごうと思ったら何千万円もの資金を投入しなければなりません。

「やはりここまでか」と思いました。
正直に言うと、「これでやめられる」と安堵しました。



・・・でも、こうちゃんはまだ迷っています。

地場で商売をしてきた人間にとってその商売を捨てることは、
その地域での居場所を失うような気持ちになるのだそうです。

私は、たとえ地域での居場所を失くしたとしても、
借金してまでこの店を続けるような、
それこそ、
そんな馬鹿なことは本当にやめてほしいと思っています。